運命は手の中に。唸って悩んで国築く「神倭のくに」

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ゲームマーケット2017秋 新作「神倭のくに」のボードゲームレビューです。

非常にかんたんで分かりやすく作られており、1時間で終わるダイス型ワーカープレイスメントとなります。

デザイン 千夜一葉
イラスト 猫転餅
人数 2~4人
時間 20~40分
年齢 10歳~
価格 3000円
発売 2017秋
予約 http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~usa_neko/1800_v2/yoyaku.htm

2017秋 土-F041 体験卓あり 注意土曜のみ開催です

ものがたり

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イザナギとイザナミの国生みによって、この世界には、立派な大陸ができました。
そして2人はこの国をさらに豊かにするために、様々な神を生むことを決意します。

イザナミは最後に火之加具土神(ホノカグツチノカミ)を生み、火傷でこの世を去ってしまいます。
イザナギは悲しみ、我が子である火之加具土神(ホノカグツチノカミ)を殺してしまいます。
そしてイザナギは妻に会いに行くために、死者の土地である、黄泉の国へと向かうのでした。

―そんな中でも2人が作り出したこの国は動き始め、そして豊かになろうと努めていきます。イザナミ、イザナギから生まれ落ちた神々である兄弟は、亡き父母を想いながら、国の発展を望むのでした。

システム

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それぞれのプレイヤーが大神となり、運命のダイスに翻弄されながら大国を築くボードゲームです。出目に対応したマスにダイスを置いて効果を発揮させる、ダイス型ワーカープレイスメントとなります。

最初にサイコロを全て振ります
特殊能力の使用

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振ったサイコロの目が2種類以下なら一つだけ好きな目に変更できるなど、ある特定の条件を満たせば使える特殊能力が神(プレイヤー)ごとにあります。

時計回りに出目のマスへ置く

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ワーカープレイスメントなので置けるダイスの数に限りがあります。
つまりその場所へ置けるプレイヤーは早い者勝ちというわけです。
例えば「たたら」のマスへは3と6の出目が出たプレイヤー2人しか置けませんので、「鉄が欲しいプレイヤーは誰かに取られる前にすぐに置いたほうが良いでしょう。

ダイスを配置したら即時効果が発揮されます。

いくつかメインのアクションを紹介していきましょう。

サイコロを増やす

誓約などのマスはサイコロを増やすことが出来ます。
しかしながら増えたサイコロは振ることが出来ますが配置することが出来ません。
実は配置できるダイス=住居の数となります。

つまり、ダイスを5つ持っていて2つの住居であれば5つの中から自分の好きなダイスを配置出来るというわけです。
ダイスを増やせば狙ったダイスの目が出る確率は上がりますが、配置出来るダイスが少なければ他プレイヤーに遅れを取る可能性があります。

住居の建設

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前述の通り住居を増やせば使えるダイスの数も増えます。
しかしながら住居を建設するには多くの資源を支払う必要が出てきます。
また、竪穴式住居は10点ですが、さらに資源を消費して改良して出来る高床式住居は25点となり大きな得点源です。

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すぐに建てられる竪穴式を多く建設してもよいのですが、その分高床式住居を建築する資源が確保できなくなるので利用できるサイコロの数を考えながらプレイすると良いでしょう。

サイコロを豊富に利用できるプレイ方針で行いましたが、結局はアクションが早い者勝ちなので、やりたいことが取られてしまいそこまで点数は引き伸ばせませんでした。

土地を増やす

さて、住居は初めは3つしか建てられませんが、開墾のアクションを選択することによって土地を増やすことが出来ます。

土地を増やすことによって建てられる住居が増えます。そして土地も8-12点の得点源となります。また、土地の獲得も点数が多いものから早い者勝ちとなります。

以上、資源を獲得して住居を建てる、サイコロを増やして確率をコントロールする、その間に土地を増やしつつ・・・など他プレイヤーとのチキンレースを愉しみつつサイコロの出目に一喜一憂するのです笑

神使駒の使用

通常のダイスとは別にゲーム中で神使駒を使用することが出来ます。
このダイスはラウンド終了後に手元に戻りませんので一度の使い切りとなります。

配置した全ての駒をすべて戻します

ラウンドマーカーを次のラウンドへ進めます。

これらを6ラウンド行ったら得点計算を行います。

得点は資材がそれぞれ1点、サイコロ5点、竪穴式住居10点、土地8-12点、高床式住居が25点となります。

インタビュー

こんにちは!
1時間程で終わる楽しいダイスワーカープレイスメントとして、かなり重宝するものだと確信しました。凝縮した感じでギュギュッと楽しめました。
ダイス、ということもあり、ローマの力よりは意図的にゲームの比重を軽くしたのかな?とも思いました。

テーマからの融和性も良いものですね。
特に天地開墾への整合性は素晴らしいものですね。ヤマタノオロチも出るのかなと少し期待しました笑
高床式倉庫のものも木造で良い手触り、このあたりはこだわりの一つでしょうか。

質問させてください。
1.今回のテーマ、製作に至った経緯を教えてください。
また、システムに対しての拘りなども併せて教えて下さいませ!

製作に至った経緯は、フタリコラ(2人用アグリコラ)が好きでよく遊ぶのですが、運要素が無いのでかなりガチゲームになります。これをもう少し楽にして、遊ぶ時間も短くできればと思ったところからシステムが作られました。サイコロの目の盤面は以前に作った「村転がし」もヒントになっています。
思いついたテーマは、古代ギリシャのポリスと、日本神話の二択で、古代ギリシャだと、「ローマの力」に近いところが出るので、全く違うテーマである日本神話にしました。

(以下はゲームの内容に触れるために必要に応じて読み飛ばして下さい)

2.未だプレイが2回程ですがプレイへの指針としてアドバイスをお願いします
高床式倉庫にすることがおそらく得点から初めの課題になるかと思いましたが(後のサイコロ獲得を含めて)、主にたたら(3・6)の出目に対して鉄を獲得する比重が大きすぎるので、ほとんどのプレイヤーが他の(3・6出目に対して)選択の余地無く「鉄資源の獲得」になりました。おそらく意図的にラウンドが少ない+ダイス自体の出目の確率的価値はほぼ均等なせいもあるかと思われますが、半ば強制的な気分がしてしまい、何かアドバイス頂けないでしょうか。

戦略についてですが、個人的には[米]2つを獲得して、自由における[朝庭]も強いと思うのですがね。(苦笑)
以下に細かい得点の比重を書いています。
https://bodoge.hoobby.net/games/shinwa-no-kuni/strategies/4908 …
前半は、竪穴式住居を増やしつつ、12点の土地を獲得することになります。竪穴式住居は、ワーカが増えるので今後を考えると有効です。経路として使用する資材は[珠]か[米]が中心になります。一方、土地はご指摘の通り[鉄]になると思います。
後半は、竪穴式住居を高床式住居に置き換えるタイミングを狙う必要があります。高床式住居にするマス目が1箇所しかないので、ワーカーの置き合いになり阻まれることも多くなります。
高床式住居は、3つの資材どれも必要になります。土地は10点までなら率先して獲得する価値が出ます。これが取られ尽くすと無理に8点の土地をとる必要は無いと思います。

最後に、オプションマスの使用も戦略が変わってオススメです。[物売り]なんかは手番が遅れるだけで資材が1つ得られますので、その1つを有効活用することが出来ます。[国生み]を入れた場合は、[来訪]→[国生み]と[たたら]→[開墾]と同じ効果があります。

丁寧なご返答ありがとうございます。
朝庭も確かに強いのですが、リソースの管理では鉄がかなりプレイ中被っていまいました。オプションマス試してみます。
前半の竪穴式住居と土地を増やしつつ、というのは戦略として合っていたようですね。良かった。実は竪穴式住居にするタイミングはリソースを掴みながら空いてたらいこうと思うくらいのものだったので少し気楽に挑めました(すぐに埋まり、また出目にも左右されるため)
ご連絡頂いた意見を参考に、あと数回遊んでまたレビューを書き始めたいと思います。

後日・・・(2-4人バラバラでプレイ7回目)

レビューが書けるくらいには游びました。
いやあ、今回も素敵なボードゲームをお作りになられますね。
オプションマス拡張も良いですし、バランスが綺麗。
何より1時間で負えられるダイスワーカープレイスメントとして非常に貴重なゲームだと感じました。

何度も遊んで頂いたみたいでとても嬉しく思います! レビュー楽しみにお待ちしております。

感想

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いやあ面白いですね。サイコロ型のワーカープレイスメントということで誰でも簡単に遊べます。

もし物足りなければ上級ルールが用意されており、これがなかなかシビアで良い感じです。

ゲーム終了後は「もっとやりたい」と思うでしょう。実際のところ6ラウンドで終わるというのが絶妙に足りない笑
上級ルールだとさらにマシマシなのでぜひ笑

1時間できっちりちゃんと遊べるというのもかなり貴重なゲームです。

パーティーはやりたくないけれど、かといって時間がない、というときでも良いですし、参加するプレイヤーを選ばないのもいいですね。

マスも可変式で個人ボードもそれぞれ用意されているので飽きることもありません。

本作もオススメの作品です。

特にボードゲームがはじめての方に向けての布教や、10歳以上のお子さんにも遊んで頂きたいですね!

テーマに沿ってるし、神話の国のわ、が倭、というのも粋です。

 


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