似て非なる読み合いの攻防「奉天1905/HOUTEN1905」

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 ゲームマーケット2017年春の新作ボードゲーム「奉天1905」のレビュー及び感想、ルールです。シンプルなのに重厚な読み合いが楽しめる2人専用ゲームです。

デザイン ショーナン
イラスト ショーナン
人数 2~2人
時間 10~15分
年齢 10歳~
価格 1000円
発売 2017春
予約 http://www.karakuri-box.com/~wind/2han.htm

 

はじめに

このゲームはとても好きなのですが、なぜか負けが続きます笑
相手がどこまで考えているか、裏の裏を想像してどうやら自滅するらしいです。

アクションは6枚の内から3枚を選択することの繰り返しなのですが、その中で戦況が常に変わるのでどうしてもじっくり読んでしまいます。

「相手は連続でグーを2回出して負けている・・・そしてこの勝負は3回勝負だから流石に次はグーはあり得ないはず・・・チョキ、そう、ここはチョキを出してくるのでは!!・・・いや、それを誘導させるための伏線のグーなんだろうか・・・!?」という感じでまんまとチョキを出して混乱するような笑

兎にも角にも、簡単なアクションでじっくりと挑める作品です。

 

システム

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相手の領地に侵攻して勝利するか、損害拡大で自滅するかで勝敗が分かれるゲームです。

勝利条件は

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1.損害チップを6枚受け取った時点で敗北

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2.推移カードを最後まで進めた時点で勝利

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3.軍コマ3つを全て相手陣営の奥まで進める

のいずれかで決定します。

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ゲームは非常に簡単で、アクションカード6枚の内から3枚を選び、裏で並べます。
相手が終えれば日本軍側から1枚ずつオープンしていき効果を処理していきます。

カードの効果によって軍コマを進め、軍コマが2つ以上相手の領地に入っていれば推移マーカーが一つ上がります。
ここでアクションカードの中には相手の進軍を防ぐカードがあり、これに成功した場合は損害チップを受け取ります。

また、アクションカードにはコストがあり、このコストが高いほうが損害チップを1つ受け取ります。
進軍するカードのほとんどがコストが高いために、損害チップを受け取る可能性が高まります。そして進軍を防ぐカードを出して成功した場合は、相手に損害チップを1つ渡せます。

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例えば

自分 両翼防戦○ 中央防戦○ 左軍前進×
相手 左翼進軍× 中央進軍× 右軍前進×

上記のようなカードの流れだった場合、防戦が2回成功しているので相手は防戦カードの効果により損害チップを2つ受け取ります。さらに左上のコスト(正確には損害数)が多いプレイヤーが、つまり相手がもう一つ損害チップを受取り、損害チップは計3つになります。

しかし、もし成功しなければ左翼と右翼に相手のコマが前進し、そして推移マーカーが上がるので、次のラウンドではどうしても進軍を迫られます。
これを相手が読み上記のような戦法で防戦を続けて成功されては困る・・・といった読み合いの繰り返しとなります。

コストがロシア軍と日本軍では微妙に異なることによって、戦法の重なり合いの苦しさをうまく表現する展開になります。

インタビュー

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お世話様です。 奉天1905を何度か遊びました!(実は届いたときから何度も遊んでいたのですが、記事UPが遅れてすみません。) じゃんけん+手軽な戦略立てとしておもしろかったです。 以下質問させて下さい。 1.勝利のし易さについて 下記のように理解をしているのですが、どうでしょうか。 損害チップ<<相手陣営≦推移 基本は推移と相手陣営の勝利のどちらかを目指しつつ、相手を詰まらせて損害チップ勝利が良いのかなあと思いました。

2.こだわり どちらも分かりやすいのですが、国連ペンギンより奉天の方がわかりやすさが増した気がいたしました。 カードを対面させたときに効果がはっきりと分かるところなどは流石だなと感じます。 他に何か狙いやこだわり、などは御座いますか?

3.販売形態 いつも2種類、少し高いものとそれよりも安いものという形で販売されておりますが何か意図があるのでしょうか。

プレイありがとうございます!!! では順番に行きます!!

1.実はこれ、日露で微妙に数値設定が違いまして、 日本軍の場合は中央前進が1なのでほんの少し攻勢で疲労しにくく、 ロシアは遊軍支援が1なのでややギャンブルがしやすく防戦がしやすい 調整になってまっす。 なので日本軍の場合はその推移を進めることを 最優先とする方針が一番有効です!! さすが歴戦のボドゲーマー酒すごろくさん!! 一方、ロシア軍の場合は隙あらば遊軍支援を差し込んでいく 防戦方針で相手の疲労を待つ「まもロシヤ」戦法がベータテストでは定石とされてました。 ところが、意外とみなさん猛将肌なのか、攻勢にガンガン遊軍支援を入れる”せめロシヤ”戦法も横行し、結構勝ちを拾っています。 やはり一番多い勝利が損害チップなので、攻勢でゆさぶって削っていくその方針が鉄板ですね!!

2.実はこの3枚プロットシリーズは3作目で、以前に戦列ペンギンとシラストピアという作品を出してました。特に戦列ペンギンと奉天1905は従兄弟か親戚かはたまた娘と血のつながってないおこづかいくれるパパかってぐらい近しい内容でして。以前はテーマとの兼ね合いもあり盤面がクルクル周るコミカルなものでした。そこで今回はテーマが日露戦争なだけに重厚感を盤面に表現してみました。 ひたすら押し合い引き合い、そして時には膠着もする、そんなところにウォー感を感じていただけたらなと思います。 アートワークの方でもモノクロにウォーな重厚感を感じていただけたらなと思いつつも、モノクロは製造費がゲキ安なので作る側としてもちょー助かってます。 今回は枚数も少ないので極限まで手作業での製造し易さを追及しつつ いかに雰囲気を出すかに苦心しているので、これからゲーム作ってみようかなって人にも超参考になると思います!!

3. 以前は「出来たものは全部出そう」という勢い任せで3作4作も出してたんですが、最近はペース配分ができてきて、春に実験作・秋にシリーズ作(ウサギ・ペンギン)という感じに出してます。 特に春は1000円ロープライスと、ちょい手が込んでてやや1500~2500のハイプライスな作品を出してますが、この辺りの価格設定はたまたまで、とにかく2作品づつ出そうってな具合です。 ただ、春の実験にもいろいろありまして、趣味とたまたま兼ねあうとはいえ、こういうテーマはどこまでウケるのかなとか、このお値段ならどれぐらい動くかなとかも実験に含まれてます。 武侠テーマやファッションテーマでどれぐらいの反応があるか、とか、2人用ワーカープレイスメント・2人用協力ゲームにどれほど需要があるか、とか、だいぶウチならではのデータが蓄積されてきましたよ!!!

奉天を購入検討されてる方へー 坂の先にある上を目指した雲のようなゲームです。迷わずご購入ください!

感想

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苦しいながらも戦略と駆け引きが短時間で行なえます。別途チップ6個とマーカー2個が必要となりますが、1000円という手頃価格でゲムマでは販売されるようです。

2人用でちょっぴり苦しく短時間で終わる2人専用ゲームを探されている方はぜひお手にとって見て下さい!

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