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実プレイ時間:300分(インストは別途60分)
プレイ人数:3-6人
推奨プレイ人数:6人
お気に入り度:
難易度:Lv.3(意外と簡単)
日本語化:必要
発売年:2018
ゲームデザイン:Christian T. Petersen
想定価格:19000円
はじめに
もくじ
「このゲーム、最高。」
一昨年の発売開始から何度か遊ばせて頂いているのですが、あまりの重さにレビューが出来ず仕舞いでした。
しかし、本作は濃厚なウォーゲームとして大変おもしろく、「SF」ということだけで胸が高鳴ります。
流石にルール全体を網羅するとなると3ヶ月は時間が取られてしまいますので、いつもの付け足し付け足し方式で要点だけをまとめてレビューしていきます。
重ゲーと言っても主なアクションは選択であり、追従のアクションは皆が自動的に行うものなのでルールは簡単です。しかし、バトルアクションや陣地取りの要素が濃密なためめちゃくちゃオモシロイ。
このゲームのスケールの大きさに見合った面白さを出来る限り伝えていきます。
ここがおもしろい!
- 大宇宙空間を意のまま動く艦隊
- 自分好みに築き上げる国造り
- 待ちを感じさせない追従アクション
- まるでジェットコースターのように収束するゲーム展開
- 極限までシンプルに作り込まれた濃密な戦闘アクション
システム
各ラウンドで明らかになる目的等を達成して 勝利点 を獲得、エリアを占拠拡大して最初に 10勝利点を獲得したプレイヤーの勝利です。
各ラウンドは4つのフェイズで構成されており、誰かが10勝利点を得るまで繰り返します。
ゲームを始める前にキャラクターが色々とあって悩むかと思います。
先ずは簡単にルールを説明し、その上で判断すると良いですね。
もし決められないようであればジャケットの主役3名が強いです。
ざっと説明するならば交易王ライオン、脳筋殴り昆虫、戦争も任せろ人造人間、湧いたら消えない超繁殖人類、かな。
戦略フェイズ
メインアクションを取るフェイズです。
アクションで得られる議長(スピーカー)を持つプレイヤーから時計回りで始めます。
各プレイヤーはまだ取られていないメインアクションタイルを 1 枚取ります。
アクションはプエルトリコ方式で、このアクションカードを取ったプレイヤーは主たるアクションを実行し、他のプレイヤーはこのメインアクションタイルの追従のアクションを実行します。
戦略カードに記載されている番号はアクションフェイズでのターン進行順を表しています。取られなかったアクションカードは上に交易品を 1 つ置きます。
交易品は色々とアイテムと交換できたりとお得な物資なので利用していないアクションが続けば、交易品目当てで選択することもありますが基本的にはそれも損はないものです。
アクションフェイズ
プレイヤーは先程獲得したメインアクションタイルの番号順でアクションを一回行います。
パスはハードパスで、全プレイヤーがパスをすればアクションフェイズが終了します。
アクションは先程獲得したアクションカードのアクションを行うか、通常のアクションを行うかを選びます。
実はアクションが行える数は次のステータスフェイズの割り振りでプレイヤーごとに異なります。
通常アクション
通常のアクションは宇宙船の移動、他のプレイヤーがいる宇宙空間に出向いた場合は戦闘を行います。
いやーこの戦闘が本当に醍醐味で楽しいんです。というかゲームシステム的に戦闘させるように出来ていて、後述するカードのアクションで「中央の星に居てかつ、このカードを持っていたならば1点を得る」っていうメインアクションタイルがあります。
その星、しかも最初に到達すると1点もらえる。つまりですよ、中央の星にいるだけで点数がもらえるんですが、他のプレイヤーがそれを許してくれない笑
何人もやってきて、勝ったら戦力が削れて他のプレイヤーがまた挑戦して、誰かのプレイヤーが漁夫の利を得て真ん中を占拠する笑
誰かが10点を得点した瞬間にこのゲームは終了するので、もちろんトップなんかが真ん中の星を取ったら皆から猛攻を受けます。
逆に点数が低ければ、交易品を渡したり協定を結んだりしてちょっと居座らせてもらうなんてことも出来ます。
交渉は隣同士のヘクスの宇宙空間で、かつその時に取引メインアクションタイルを選択したプレイヤーしか通常は交渉をもちかけられません。他プレイヤーと取引するまでに、けっこう縛りが多い代わりに交渉はやっぱり強い。かといって縛りがあるから、カタンみたいに交渉上手な人が余計な口出しして優位に立つってこともないので楽しめる。これってすごく重要ですよね。
戦闘
ます対宇宙砲が飛び出す笑
「敵宇宙船が接近してきたゾ!」って機会が自動的にぶっ放すので、これにヒットしちゃうと駄目です。
んでさらに地上兵が積載していなければその星を占拠できない。
積載量は決まっているし、自分のステータスから何隻の宇宙船が同じ宇宙空間にとどまれるかが決まっている。忘れがちだけれどここが超重要で、何隻も船が置けるようにすればその分他のアクションが出来ない。
このステータスの割り振りは次のラウンドで戦闘を行うかを考えて行います。
だから同じ空間に何隻も置けるようにステータスを割り振ると「あいつやる気だ」ってのがバレちゃいます笑
そして宇宙船の戦闘が行われます。
宇宙船にはそれぞれ当たる確率と耐久値が決まっていて、10面ダイス(0は10とする)で決まります。
実は宇宙人毎にこの耐久値やらヒットの確率なんかが地味に違うのでよく見ておくことをおすすめします。
さて、通常の戦闘機は9以上、ドレットノートなどの強いけれど制作に多くのコストを有する機体は5以上でヒットします。
通常は1ヒットで撃沈ですが、船によっては2ヒットまで耐えられるものもある。
敵も同様にダイスを振って、当たった数分の戦闘機を減らして、誰かが撤退するか戦闘機が生き残るまでそれを続けます。基本的には消耗戦です。
ダイスとヒットすれば撃沈という戦闘アクションが大変分かりやすく、プレイアビリティを高めるために極限まで削ぎ落としたということが感じ取れます。
そして最後に選挙している地上兵が居る場合は爆撃機で地上兵を殲滅するのですが、実はこの締めが難しい。地上兵を乗せる積載量は各船で決まっているし、爆撃機が可能な船も限られている。
地上兵を載せた船が撃沈すると撤退を余儀なくされるので、なるべくこの艦は守っていきたい。
そして地上兵が殲滅出来たら自軍の兵をそこへ置いて占拠完了の自分のマーカーを置きます。
つまり、兵を常駐させる必要はないってことですね。マーカーでどの星が占拠されているかがわかるので。
星を占拠すると良いことが主に4つ。
1.星によって船をグレードアップしたり、移動力を上げたり出来る技術や資産が手に入る。
2.議会(後述)での影響力を強め、自分優位な政治体制に変えられる
3.各プレイヤーが持つ母星以外で船の生産拠点が作れる
4.得点(目的達成など)に大きく影響する。
他にもプレイヤーの母星を他のプレイヤーが占拠してしまうと目的達成が占拠中は出来ないなど、強烈な攻撃となります。
メインアクションタイル
戦略カードとも呼称します。
このタイルに記載されているメインアクションを実行し、他プレイヤーは付随のアクションを実行します。
注意しなければならないのは、メインアクションを実行したプレイヤーは付随アクションを実行できないというところですね。
さらに一度メインアクションタイルを使ったら次は通常のアクションしか出来ないということも注意が必要です。
メインアクションを使用しないで、通常アクションを先に行うというのももちろんOKです。
1.指揮
通常アクションを行うことで消費する指揮トークンをゲット出来ます。
指揮トークンには数に限りがありますので、シンプルなアクションですがこのメインアクションを選択することで、以降何も出来ないということを防ぐ重要なアクションです。
2.外交
全プレイヤーにこの星は責めないでねってことが出来ます。
通常アクションを実行した星には「実行済」のマーカーを置きます。
全員がここへ同じマーカーを置くので、ここに艦隊が居るプレイヤーは戦争はおろかその艦隊すら動かせません。
あまり起こりえないことですが、星の占拠まで出来ずに敵の地上兵がいる状態で次ラウンドを迎えました。
後述のアクションカードで「強制引き分け」なるものがあり、それを実行されたんです。
艦隊は宇宙空間に集結しているんですが、爆撃機と地上兵を搭載した船が破壊されて、宇宙空間には戦艦が漂い、星には敵兵が占拠しているという笑
そしてこのメインアクションが実行された。
つまりどういうことかと言えば、全戦力をその宇宙空間に集結させたにも関わらず、この艦隊はこのラウンドで一切動かせず、さらに眼下の敵兵すら撃ち落とせないという笑
9点だったのでこれをやられて「うおおおおおおっっ!!」という笑
これをやられて思わず唸りました笑
いや、すっごい上手いアクションの使い方だなって。敵ながらあっぱれ!称賛です。
3.政治
アクションカードを引くことが出来ます。
アクションカードは様々なものがあり、次項の議題で使うものや、爆撃機の効力を一瞬だけ強めるもの、先程の強制的に引き分けで戦闘を終わらせるものなど様々です。
4.生産
その星で艦隊の生産が可能となるワークステーションを置くことが出来ます。このときに対宇宙砲を設置することも出来、他プレイヤーも艦隊の生産を行うことが出来ます。
5.交易
交易品や生産物を得ます。唯一隣接するプレイヤーと交渉できるアクションですね。
交易品は交換することで初めて利用することが出来るようになる資源です。
艦隊のコストや技術の開発、勝利点の達成条件等、オールマイティーに扱うことが可能です。
口約束でも良いのですが、このゲームでは別に誓約書 というものがあります。例えばこの誓約書をお互いに交換したとき、お互い1点ずつもらえます。
しかし、誓約書を交換した中で相手に攻撃したら攻撃した側は1点を失うという平和協定的なものです。これらが後半は深く絡んできます。
6.軍事
既に行った惑星の行動を再度行うことが出来ます。
また、先程からちょくちょく出るステータスを再調整出来ます。
例えば3つの艦隊を動かせるようにしているけれど、2つで良いかなと思った時、そのあまりの1指揮トークンをアクションへ回したり出来ます。
後半になるとなかなか便利ですよね。
7.技術の研究
艦隊を強くしたり、宇宙シールドを展開したり、もうこの技術カードを見ているだけで胸が熱くなります。
ステータスフェイズでアクションを増やして臨機応変に対応できる軍隊にしたり、戦闘特化で圧力をかけたりと思いのままです。あなただけの国を築き上げましょう!
各技術は3種類とレベルで分かれており、例えばレベル1の技術がなければレベル2の技術が習得できないようになっています。
8.惑星の支配
この8のメインアクションが実行される時、メインアクションの中では一番最後の順番です。
このメインアクションを行うときに真ん中の星を支配していれば1点獲得することが可能です。
10点先取のゲームですから、1点が重いということは自明の理。
そして最後の順番ということが重要なわけです。
それまでに誰かのプレイヤーがこの支配を止めなければなりません。
しかしながら自分の得がなければ動かないというのも至極当然。
そのため別にこのアクションを選択すると秘密の目的カードを受け取ることが出来て、それが得点となります。
例えば単純に戦闘で勝利すると1勝利点などがあり、「だったら中央に戦争をもちかけよう!」ということも考えられます。
このボードゲームの推奨プレイ人数は6人。
ヘクスというプレイヤー開始時の地形上も理由の一つですが、一番はこのメインアクションタイルによるインタラクションのバランスを取るためでしょう。
プレイヤーの人数が多ければそれほど真ん中への戦闘を持ちかける機会や関わりが増えるためです。
この真中の惑星への華々しい戦闘があってこそ、トワイライトインペリウムはおもしろいのです。
ステータスフェイズ
個人ではアクションカードを引いたり、攻撃に耐えた艦隊を戻したり、盤面上の指揮トークンを調整したりを行います。
指揮トークンはそれぞれ艦隊がその星に留まれる数を表し、残りは追従アクション等を行うことで消費します。
うまく配置を考えなければ身動きが出来ないこともあるので注意です。
後は全体でメインアクションタイルの数から順にオープンされている目的を1枚選んで達成していれば得点化します。目的は後半になれば1得点のカードから2得点のカードがオープンされ、ゲームの収束へと導きます。
議題フェイズ
中央の惑星メカトール・レックス(Mecatol Rex)に誰かが占拠した場合にこのフェイズが働きます。
メカトロレックスが誰かの手に堕ちたなら、おそらくゲームの中盤になったところでしょう。
最初にスピーカーと呼ばれるマーカーを持つプレイヤーから議題が2つ挙げられます。
これに賛成するか反対するかを選び、どちらかに投票します。
これがけっこうおもしろいので詳細な内容は伏せますが、本当に些細なものから宇宙全体を揺らがすような大規模な変更など様々です。これがまたおもしろいんですよね。
「え?うそ、ちょっともう一度読ませて」って言いたくなる、全員が方を震わせながら怯えるものとか、やばいです笑
そんなこんなを繰り返し、10勝利点を先に獲得したプレイヤーの勝利です。
感想
こんなのオモシロイに決まってるじゃないですか!!
私はあんまりBGGを鵜呑みにしていないのですが、これはもう王道。
さすが長年BGGの上位を陣取ってただけありますね。
他社との交渉も交渉ゲーっていう形にせず、うまく縛りを入れているのもグッド。
かといって何もないというわけじゃなく、借りた恩は返したり、仇で返したり笑
国を築くシステムも、自身の星人の特徴に合うようにしても良いですし、自分好みにカスタマイズ出来る点も自由度高くてサイコーっです。もうね、めちゃくちゃ愉しい作品です。
ビリでも外交やら他社への関与、技術のカスタマイズで勝敗にかかわらずプレイ欲も満たされますし、次回もまた新たな戦略で挑戦したいと思うはず。
5-6時間位掛かるのに2時間程度に感じるのがすごい。
それは濃厚で濃密な体感が脳の時間間隔を「たのしぃぃぃぃぃいい」で麻痺させるわけで、プレイしながらよだれ垂れまくりですよ(汚い)。
冗談はさておき、これは最新のゲームシステムや流行りのメカニクスを巧く取り入れて、「プレイにストレスをかけさせないようにする」工夫が随所にあるからです。
先程も伝えましたが、アクションはプエルトリコ方式。
選択されたメインアクションの追従アクションを全員が行います。
これにより「待つ」ということを感じさせず、このゲームの全体の盛り上げを損なわないようにしています。前述の全員共通の技術カードを眺めているだけでも、他人のダウンタイム中にあれやこれやと考えることに繋がります。
いたるところに最近のボードゲームの「良さ」を取り入れており、初版から改善を重ねた製作期間21年は伊達じゃありません。
とにかく、多人数で遊ぶ濃厚なウォーゲームということであればベスト!超ベスト!
ウォーゲーム酒すごろくベスト!!をここに印します!!
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