パーティーで楽しい要素の掛け算されたらずるくない!?「くだものがたり」

ビンゴ✕バッティングなんてされたら楽しいに決まってますもん!笑

2019年春 ゲムマ新作 ボードゲーム「くだものがたり」のレビューや感想、製作者(デザイナー)へのインタビューです。

デザイン月並いおり
イラスト鈴子/ナリコ
人数4~10人
時間20~30分
年齢8歳~
価格2500円
発売2019春  2019春 土-F70 体験卓あり

はじめに

ゲームマーケットの良さの一つに「子どもと遊べるゲーム」が多いところがあります。
ゲムマでもキッズ賞を選定していることから、こういったゲームが多く毎年子どもたちのために創意工夫がなされております。

今回のくだものがたりはそんな子どもたちでも遊べる楽しいパーティーゲームです。
描く要素とビンゴが組み合わされば楽しいにきまってます。

さらにここにバッティングの要素が加われば無敵なんじゃないでしょうか笑

そんなくだものがたりを紹介していきましょう。

システム


くだものを育ててビンゴのように並べるか、蜂蜜を収穫するかを選びます。
それらを繰り返して、最後に出荷をして得点を競うゲームです。

果物を育てる

山札から2枚をめくり、この果物を農園(プレイヤーシート)で育てるか、蜂蜜(バッティング要素)を集めるかをプレイヤー全員が一斉に宣言して決めます。

果物を育てる場合、は自分のプレイヤーシートにその果物と数字を記載します。
このとき隣同士に同じ数字か、同じ果物であればジャム(得点)が得られます。
同じ果物、同じ数字が隣同士であれば最高2点ですね。

最後の出荷フェイズで農園に記載した同じ果物がでれば数字分が得点出来るので、数字が高い果物を書くのは有利です。

蜂蜜を得る場合は果物を選んだ人の数分点数をえます。
しかし蜂蜜は4回しか選ぶことが出来ないので慎重に見極めが必要です。

これらをプレイヤーは一斉にグー(蜂蜜)パー(育てる)を出して決めます。
高い点数の果物、もしくは連続して同じ果物の種類であればみんな育てたくなるので、グーを出す狙い目です。

しかし、グーを出せばその果物は農園に書けないので出荷フェイズでその果物が出た時に自分だけ損することになります。

これらを考慮してみんなが一斉にグーかパーを出すのですが、全員がグーを出したときの爆笑ったらありません笑

全員がグーを出せば0点なので逆に良いかもしれないですが、その時に一人だけ出したパーは強いですね。

出荷フェイズ

最後に出荷フェイズが行われて、今まで出てきた果物カード16枚のうち14枚を山札にして1枚ずつ表になります。表になったものが出荷できるのですが、出荷できるのは8回の機会しかありません。

そのため低い点数が出ても見送ることも必要です。
逆に低い点数でも見送ってしまったために8回出荷出来ないなんていうことも笑

ゲーム終了

最後に農園の塗りつぶした(同じ数字同じ種類)ジャムの数、蜂蜜の数、出荷した果物の数字分(これがめっちゃ大きい!)の合計で一番得点の高い方がりっぱな果物園をつくったとして勝利します

感想

戦略性を持ったビンゴゲームとして大人から子どもまで楽しめる作品です。
最後の数字部分があまりにも大きすぎて、この出荷だけ成功すれば勝ってしまうのですが運で勝ち負けが気持ちよく決定されるのでパーティーゲームとしてしっかり楽しめます笑
もし運がなければ堅実にジャムと蜂蜜で勝ちますし。
まあ出荷出来る確率がかなり高いので、出荷出来るかそうでないかが勝敗を分けました。


さて、このゲームは絵を描くともっと盛り上がるし楽しいのですが注意があります。

『とりあえずプレイしたから「絵を描くことが楽しい紙ペンゲームです!!」で良いかな』という紹介だとちょっと無責任ですね。
勘違いされる方も多いのであえて記載しますが、16個絵を描くのはなかなか大変です。

もちろん絵を描くのは楽しいんですよ。
「大変」というのは、単に絵を描く量が多いという意味ではありません。

何度かプレイすれば分かりますが、ゲーム性が良いので「ゲームを楽しむ」ということに重きを置きたいプレイヤーも当然生まれます。

なぜなら最後は運否天賦で決まるとしても、それまではしっかりと戦略が伴い楽しめるゲームだからです。

このゲームシステムでは絵を描くのを一人でも終えないと次のラウンドに進めません。

当然のことながら、絵を描くことを全員が楽しめれば良いのですが、そうでないプレイヤーが居る場合は「書けたのに待たなければいけない」もしくは、「楽しく書きたいのに早く絵を書かないといけない」というゲームとは別のストレスが18回発生する可能性があります。

「絵」以外でも描くところを迷う、即断出来る場合がそれぞれ異なるので、待たなければならない機会は必ず発生するでしょう。

特にお子さんがいらっしゃる方、身近で接する機会の多い方であれば分かると思いますが。子どもは自分が終えれば平気で他の子を急かします。
男の子なら早く手を出したい(アクションをしたい)と思うので、「早く書いてよー待ってるんだよー」という光景がすぐ思い浮かべます。

そのため遊ぶ前にインストで「待つことがある」というのをしっかり伝えるだけでもだいぶ変わると思います。
「絵を描くのがおもしろいと聞いたのに、全然描けなくてつまらなかった」と少々語弊のある書き方をされてはもったいないです。

絵を描くのも、戦略も、運のバランスも、しっかりとまとまった大変おもしろいゲームでした。

インタビュー

今回ボードゲームを制作されるに至ったきっかけを教えて下さい

テーベの東が好きなので下準備をした上で運だめしをするゲームを作りたいと思いました。そこで思いついたのがバッティング+ビンゴでした。

バッティング+ビンゴということでしたが「お絵描き」は初めから考案されていたのでしょうか。

初めはタイルを考えていましたがアルペンツィアンの事を知ってお絵描きゲームに辿り着きました。このお絵描きとビンゴの為の描き込みがとてもマッチしていました。

特に制作に至るまでこだわった点はありますか。
私は可愛いアートワークがとてもゲームの雰囲気を盛り上げてくれて好きです。

テーマにあった絵はイラストレーターが頑張って頂きました。デザイナーとしては出荷フェイズのカードのめくる枚数をこだわりました。絶妙な枚数にしてありますのでそこを感じて頂けると嬉しいです。

どういった方に遊んでほしいですか

最初の掴みのゲームで場の雰囲気を盛り上げるのに最適だと思っています。それと
ビンゴゲームの元になっているのでパーティー的なノリで気軽に遊んで欲しいです。

最後の収穫の点数がちょっと大き過ぎるという気が致しましたが、
運を楽しむゲームですので私は最後のハチャメチャ感が楽しく良かったと思います。
これは意図して最後は賑やかになるようにされていたのでしょうか。

はい。
育てるフェイズで下準備をして出荷フェイズがメインの運試しで盛り上がるように設計しました。

それでは最後に何か一言と好きな果物を教えて下さい!

ゲームの勝敗にはまったく関係けどフルーツのお絵描きも楽しんでもらえたらと思います。色鉛筆等を使うとより楽しいです。キッズ、お手軽、中重級と思いつくままに作っていくのでこれからもよろしくお願いします。
描きにくさから採用されませんでしたがモモが好きです。

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