200枚を超える圧巻のカードで火星を開拓「テラフォーミング・マーズ 日本語版」

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はじめに

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2016年スカウトアクション5位。ずーっとやりたかった本作品。
だってテーマが良いじゃないですか。

火星を改造して居住可能な惑星にするために企業が参入。
この企業のせめぎ合いが、結果として人類移住への貢献になるというのが何とも現実味を帯びていて宜しい。

そしてまさにテーマ通りのシチュエーションがボード上で繰り広げられる。

ここには火星人は出ない。
そこにいるのは人類で、そして生身の人間ではなく企業同士の闘いとなる。
だから出し抜く手はずだとか、哺乳類はあなたしか持っていないのでこのカードはあなたにしか使わざるを得ない、なんて大義名分を立てつつ超ド派手な個人攻撃を繰り広げる。

火星環境を良くしてあたかもWin-Winに見せかけた戦法や戦略なんか、もうテーマにドンピシャ。

システム的には全てユニークのカードゲームのため引き運に委ねられます。
さらにアメリカナイズで超強力なカードあり。

特殊能力ドンパッチ。

ただ、拡張有無(初心者向け設定)でプレイ感を比べましたが、戦略的な部分は確かに増えたり緩くなったりしますが、運ゲーの側面は拭いきれません。

所感はワイナリーの四季に似ています。日本語版は今年の10月発売予定。

システム

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アクションカードを購入して、企業体制を高めつつマジョリティを争うボードゲームです。

P7271248.JPG   最初にそれぞれ担当する企業(コーポレーションカード)を引きます。

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2枚の内1枚を選択します。
個々に初期資源や能力が異なりますので、だいたいの戦略的目安を立てられます。
・・・と思っておりましたが、結局ドラフトして購入するプロジェクト(アクション)カードが行動元となりますので、あまりこちらばかりに注視すると手番損につながるので注意が必要です。

200枚以上(233枚)あるプロジェクトから10枚のプロジェクトカードを受け取り、手元に残すプロジェクトカードを1枚3金で購入します。
後は裏面で捨て札とします。

プロジェクトカードはラウンド毎に4枚配られ、後に好きな枚数を購入出来ます。
プロジェクトカードの取捨選択はボード上の環境にマッチするかどうか、個人ボードとも相談しなければなりません。
そのため尖ったカードよりも柔軟に対応できるカード、もしくはこれはえらい強力なカードを手元に残します。
インタラクションが高めのため、初期で長期的な計画を基にプロジェクトカードを構築することは無理があると思います。

初期に購入し過ぎる無駄なカードを保持してしまったということはけっこうあります。
んで、このゲームは金ゲーなので無駄金は本当にあとあと痛いことになります。
しかも手札上限がないものですから、欲望の赴くままに買いまくるのはダメ、絶対。

このゲームは終了条件が達成された場合にゲームが終了するシステムなので、全4フェイズのラウンドが終わった時にゲーム終了条件を満たしていなければ新しいラウンドが始まります。

  1. プレイフェイズ
  2. リサーチフェイズ
  3. アクションフェイズ
  4. 生産フェイズ
    1.2は1ラウンド目はスキップ
プレイフェイズ

スタPマーカーを時計回りで隣のプレイヤーに渡します。世代マーカーを1ステップ進めます。

リサーチフェイズ

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山札からプロジェクトカードを4枚引いてドラフトします。1枚も購入しなくてもかまいません。

アクションフェイズ

手番のプレイヤーはアクションを2回まで行うことが出来ます。
2回までというのは1回だけやってソフトパスで、次のプレイヤーを様子見することが出来ます。
相手がメインボードへ貢献してくれると自分にも恩恵があるカード等もあるので、一旦様子を見ることは多々あります。

何にも出来なくなればハードパス。
全員がハードパスを選択したらアクションフェイズが終了します。

プレイできるアクションは

個人ボード系
・手札からカードを1枚プレイする
・スタンダードプロジェクトをプレイする
・配置されたカードのプレイ

メインボード系
・熱資源8個で温度を2度上昇させる
・森資源8個を森タイルにする
・アワード達成(マジョリティ争い)
・マイルストーンの内1つの達成

全7種類です。
ここで個人ボードの生産出来る資源を増やしたり、火星の環境を整えたり、火星の土地をテラフォーミングして自分の領土を増やしたりいろいろします。
詳細については後述します。

生産フェイズ

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個人ボード上にあるエネルギーを全て熱エネルギーに変換します。
そしてボード上の生産力と同じ数の資源を新たに受け取ります。

これらのエネルギーはプロジェクトカードを利用するために消費するコストなどなどに使われます。
お金と混ぜて使えるものもあり、例えば星マークのチタニウムなんかは1個あれば3金として扱えるので便利です。

1ラウンド(世代)全4フェイズです。

ちなみに画像の個人ボードはデラックス版。他にも有志がBGGで3DCADデータを配布している。仕切りがあるおかげで事故も少なくて良いけれど通常は真っ平ら。

アクション

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火星開拓の要となるアクションについてご説明致します。

手札からプロジェクトカードをプレイする

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必要条件が整えばプロジェクトカードをプレイすることが出来ます。
即時効果のあるカードから、個人ボードの隣に配置して後から利用できる設備カード等があります。

そしてこのカードを利用できる条件にはメインボードの気温や酸素等が一定の数値以上になっていないと利用できないものがあります。

気温や酸素濃度が地球に近づけばプレイできるカードがあり、総じて強いのですが利用できる場面はほぼ最終局面のみとなるので、カード保持には判断が必要です。

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即時効果があるものは自分の生産力を上げたり、メインボードに貢献することにより得点化したりと様々です。
利用したカードは利用済として自分の場に起きますが、ゲーム終了後に利用したことにより得点になるものもあります。

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設備カードは配置することで後々そのカードにプレイヤーマーカーを置くことでそのアクションを実行できるようになります。

火星へのタイルの配置についてですが、それぞれタイル毎に配置制限と効果があります。

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海洋タイル
メインボード火星の青いタイルしか配置できません。
配置すると1点を得ます。
誰かが配置済の海洋タイルに隣接してタイルを配置した場合、海洋タイル1枚につき2金、2枚なら4金・・・を得ます。

森タイル
自分が配置しているタイルに隣接しなければなりません。
無理ならどこでも(例外を除く)OK
配置すると酸素を1上昇させ1点を得ます。
ゲーム終了時1タイル1点になるので、配置したら自分のプレイヤーマーカーをその上に置きます。

都市タイル
(例外を除く)他の都市へ隣接して配置できません。
配置すると隣接した森タイル1枚につき1勝利点がゲーム終了時に得られます。

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特殊タイルであるNoctisの都市へ配置出来るプロジェクトカードは強い笑

スタンダードプロジェクト

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序盤はあんまやらない。

スタンダードプロジェクトには
・プロジェクトカードを破棄して枚数✕1金を得る
・11金支払いエネルギーの生産力を1あげる
・14金でメインボードの気温を2度上昇する(1点得る)
・18金で海洋タイルを1枚置く(1点得る)
・23金で森タイルを1枚置いて酸素レベルを1上昇させる(1点点得る)
・25金で都市タイルを1枚起き、金の生産力を1上げる

手札のプロジェクトカードが使えない場合手詰まりになる、もしくは利用したいことがプロジェクトカードにはない、という時に利用することが多い。
コストとして金を支払えばアクションが行えますが、ほとんどがプロジェクトカードの方が安い。

マイルストーンの内1つの達成
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5種類の条件があり、上限3個の達成でボーナスを得ます。
8金を支払って、達成できたマジョリティにプレイヤーマーカーを配置します。
・得点(テラフォーミングした点)が35以上
・都市タイルを3枚以上火星に配置
・森タイルを3枚以上火星に配置
・プロジェクトカードで建築マークがあるものを8枚以上プレイしている
・プロジェクトカードが16枚以上手札として持っている

ゲーム終了時1つにつき5点となります。

アワード達成(マジョリティ争い)

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こちらも5種類から上限3個まで達成出来ます。
コストは順番変動性。
早いほうが安いってやつですね。

1番 8金
2番 14金
3番 20金

ゲーム終了時に達成条件を確認します
・誰よりも多くスティールとチタニウムを持っている
・誰よりも多く熱資源を持っている。
・誰よりも多くプレイ(配置)済タイルを持っている
・誰よりも多くお金の生産力がある
・誰よりも多く科学者のタグがあるプロジェクトカードをプレイしている

3番目は迷いますねー笑
確定してるんだけれどトータル+になるかどうか。

後のアクションはそのまま。

森資源8個を森タイルに交換
熱資源8個で2度の温度を上げる

ゲーム終了

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・酸素14%
・海洋タイル9枚配置
・温度8度

ラウンド終了時に上記条件全てが達成されていた場合、そのラウンドで終了となります。
各プレイヤーは最後に森資源8個を森タイル1枚に交換することが可能です。

感想

おもしろい。けれど運ゲーでたまに強力な個人攻撃あり。
ウォー・ゲームだと思っていないでプレイするからちょっと面食らうかも。

初プレイ時はカードの効果とかどうなるかが全く分からず、ルールを確認したところ資本を固めることが良いという気がしてプレイしていました。
これが良かった、というかお金の生産力を上げておかないと何も出来ない。
攻略でもないのですが、とにかく迷ったらお金の生産力を上げることをお薦めします。

得意不得意で言えばわりと得意なボードゲームで、「あ、こういうカードがあるならきっと何かに繋がる(コンボ)を作者は考えてるんだろうな」とか思いつつプレイしていくとイメージ通りで、コンボが決まる感覚は愉しい。

でもそれは運が良いとき。
カード巡りに依存するため、長期的な計画で勝負しようとするともどかしさが募ります。
ボードゲームらしい要素が強くあるので、比例してプレイの自由度が狭まり、そのため運ゲー要素をさらに加速させてしまっている印象があります。

ダイスのように全員で運を傍観しながら一喜一憂出来るわけではなく、気付いたら相手が強運だったと気付かされる。「え、そんなコンボ出来るカード来ちゃったのか笑」みたいな。

結局強いカードが来ればそれに従い、えーいドーン!と得点。

誰かが優位になるけれど自分はこうしなければならない・・・うーん、というような相互作用による良ジレンマは少ないです。

確かにメインボードへの影響やテラフォーミングに対してマジョリティに関与する部分もあるのですが、結局カードを持ってなきゃそのジレンマも生まれないし、カードがあって条件が整っていればもうその時にはジレンマはなく、「やらなきゃいけない」状態になるので迷うこともありません。

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そして最後のラウンドは負け確が有り得ます。
優勝が見込めないと確定するプレイヤーが自分の勝利関係なくとりあえず「今まで邪魔されたプレイヤーや1位への攻撃」というプレイになりがち。

攻撃出来るカードや設備が整っていれば、やることもないのでしょうがないです。

特に気にすることもなく(個人攻撃の殆どは得点が入り、優位な環境が築ける)攻撃してしまうと、今までのツケが回ってきます笑
最終局面でこういったプレイヤーから勝算関係なく攻撃を受けてしまうことが多い笑

そういうプレイは好きではありませんが、自暴自棄になるのも分からないではない。
もう勝つ見込みがないなら自分の勝利関係なく現1位のやつを引きずり下ろしてやる!というプレイ。

運と個人攻撃の不条理さでそういったプレイを助長してるのかもしれません。

そのためあまりにも優位に勝ち進むと悪目立ちするので、集中攻撃されないようある程度のヘイト管理を強いられます。これがちょっと伸び伸びプレイ出来ず残念。

運が悪い展開が続くプレイヤーが居ると、勝つためには仕方ない個人攻撃もやりにくい。

以上のように、なかなかプレイメンバーを選ぶボードゲームかもしれません。

裏を返せば、身内やプレイマナーを守れる方とやる分には、わちゃわちゃ出来て最高なんですが笑

カードゲームだと割り切ってしまえば、毎回新鮮なプレイが楽しめますし。
特殊なアクションをバンバン使って、気の置けない仲での殴り合いが好き!という環境ならとっても楽しめるボードゲーム。

実力差が顕著に出ないようなシステム構成のため、ボードゲームをはじめたばかりの方にはピッタリハマるかも。

ボード拡張も出たことですし、なんだかんだ言ってもまたやりたいなあ。

2017/09/19

ドイツゲーム賞2017では見事1位に選ばれました!



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