200枚を超える圧巻のカードで火星を開拓「テラフォーミング・マーズ 日本語版」

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  • 4/10
    運 - 4/10
  • 7/10
    戦略性 - 7/10
  • 6/10
    コンポーネント - 6/10
  • 8/10
    テーマ性 - 8/10
  • 4/10
    インタラクション - 4/10
  • 6/10
    プレイアビリティ - 6/10
  • 7/10
    プレイ頻度 - 7/10
6/10

抜粋のみを表示

実プレイ時間:120分(インストは別途15-20分)
プレイ人数:1-5人
推奨プレイ人数:4人
お気に入り度:
お酒との相性:
難易度:Lv.3
日本語化:必要
発売年:2016
ゲームデザイン:Jacob Fryxelius
想定価格:5000-6000円

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はじめに

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2016年スカウトアクション5位。ずーっとやりたかった本作品。
だってテーマが良いじゃないですか。

火星を改造して居住可能な惑星にするために企業が参入。
この企業のせめぎ合いが、結果として人類移住への貢献になるというのが何とも現実味を帯びていて宜しい。

そしてまさにテーマ通りのシチュエーションがボード上で繰り広げられる。

ここには火星人は出てきません。
そこにいるのは人類で、そして生身の人間ではなく企業同士の闘いとなる。
出し抜く手はずだとか、「哺乳類はあなたしか持っていないのでこのカードはあなたにしか使わざるを得ない」なんて大義名分を立てつつ派手な個人攻撃を繰り広げる。

火星環境を良くしてあたかもWin-Winに見せかけた戦法や戦略なんか、もうテーマにドンピシャ。

システム的には全てユニークのカードゲームのため引き運に委ねられます。
さらにアメリカナイズで超強力なカードあり。

特殊能力ドンパッチ。

拡張有無(初心者向け設定)でプレイ感を比べましたが、戦略的な部分は確かに増えたり緩くなったりしますが、どちらも運ゲーの側面は拭いきれません。所感はワイナリーの四季に似ています。

日本語版は今年の10月発売予定。

日本語版は既に発売開始しております。

 

 

 

システム

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アクションカードを購入して、企業体制を高めつつマジョリティを争うボードゲームです。

準備

P7271248.JPG   最初にそれぞれ担当する企業(コーポレーションカード)を引きます。

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2枚の内1枚を選択します。
企業ごとに初期資源や能力が異なりますので、だいたいの戦略の目安が立てられます。
・・・と思っておりましたが、結局ドラフトして購入するプロジェクト(アクション)カードが行動元となりますので、あまりこちらばかりに注視すると手番損につながるので注意が必要です。

そして200枚以上(233枚)あるプロジェクトカードから10枚のプロジェクトカードを受け取り、手元に残すプロジェクトカードを1枚3金で購入します。使わないカードは裏面で捨て札とします。

基本的にこのプロジェクトカードを中心にアクションを行います。

プロジェクトカードはラウンド毎に4枚配られ、好きな枚数を購入出来ます。
プロジェクトカードの取捨選択は自分の指針やボード上の環境(条件が達成されないと使えないカードなどがあります)にマッチするかどうか、個人ボード(保持している資源)とも相談しなければなりません。
そのため尖ったカードよりも柔軟に対応できるカード、もしくはあからさまに強力なカードがあったりするのでそれらを手元に残すのがベターかもしれません。

インタラクションが高めのため、初期で長期的な計画を基にプロジェクトカードを構築することは無理があると思われます。

初期に購入し過ぎて無駄なカードをずっと保持してしまったということはけっこうあります。このゲームは【金】がかなり重要なので、無駄金はあとあと痛いことになります。
しかも手札上限がないものですから、欲望の赴くままに買いまくるのはダメ、絶対。

 

プレイフェイズについて

このゲームは終了条件が達成された場合にゲームが終了するシステムなので、全4フェイズのラウンドが終わった時でゲーム終了条件を満たしていなければ新しいラウンドが始まります。

  1. プレイフェイズ
  2. リサーチフェイズ
  3. アクションフェイズ
  4. 生産フェイズ
    1.2は1ラウンド目はスキップ

ではフェイズについて説明していきましょう!

プレイフェイズ

スタPマーカーを時計回りで隣のプレイヤーに渡します。世代マーカーを1ステップ進めます。

リサーチフェイズ

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山札からプロジェクトカードを4枚引いてドラフトします。購入しなくてもかまいません。

アクションフェイズ

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手番のプレイヤーはアクションを2回まで行うことが出来ます。
2回までというのは1回だけやってソフトパスで、次のプレイヤーを様子見することが出来ます。
相手がアクションでメインボードへ貢献してくれると、自分にも恩恵があるカード等もあるので一旦様子を見ることは多々あります。

何にも出来なくなればハードパス。
全員がハードパスを選択したらアクションフェイズが終了します。

プレイできるアクションは

個人ボード系
・手札からカードを1枚プレイする
・スタンダードプロジェクトをプレイする
・配置されたカードのプレイ

メインボード系
・熱資源8個で温度を2度上昇させる
・森資源8個を森タイルにする
・アワード達成(マジョリティ争い)
・マイルストーンの内1つの達成

全7種類です。
ここで個人ボードの生産出来る資源を増やしたり、火星の環境を整えたり、火星の土地をテラフォーミングして自分の領土を増やしたりいろいろします。
詳細については後述します。

生産フェイズ

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個人ボード上にあるエネルギーを全て熱エネルギーに変換します。
そしてボード上の生産力と同じ数の資源を新たに受け取ります。

これらのエネルギーはプロジェクトカードを利用するために消費するコストなどなどに使われます。
お金と混ぜて使えるものもあり、例えば星マークのチタニウムなんかは1個あれば3金として扱えるので便利です。

アクション

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火星開拓の要となるアクションについてご説明致します。

手札からプロジェクトカードをプレイする

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必要条件が整えばプロジェクトカードをプレイすることが出来ます。
即時効果のあるカードから、個人ボードの隣に配置して後から利用できる設備カード等があります。

そしてこのカードを利用できる条件にはメインボードの気温や酸素等が一定の数値以上になっていないと利用できないものがあります。

気温や酸素濃度が勝利条件に近づけばプレイできるカードがあり、総じて強いのですが、利用できる場面はほぼ最終局面のみとなります。
ゲームが終えるまでに使えるかドキドキします笑
そのため、こういったカードには保持し続けるかどうかの判断が必要です。

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即時効果があるものは自分の生産力を上げたり、メインボードに貢献することにより得点化したりと様々です。
利用したカードは利用済として自分の場に起きますが、ゲーム終了後に利用したことにより得点になるものもあります。

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設備カードは自分の場に配置することで、後々そのカードに自分のプレイヤーマーカーを置きアクションを実行できるようになります。

火星へのタイルの配置についてですが、それぞれタイル毎に配置制限と効果があります。

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海洋タイル
メインボード火星の青いタイルしか配置できません。
配置すると1点を得ます。
誰かが配置済の海洋タイルに隣接してタイルを配置した場合、海洋タイル1枚につき2金、2枚なら4金・・・を得ます。

森タイル
自分が配置しているタイルに隣接しなければなりません。
無理ならどこでも(例外を除く)OK
配置すると酸素を1上昇させ1点を得ます。
ゲーム終了時1タイル1点になるので、配置したら自分のプレイヤーマーカーをその上に置きます。

都市タイル
(例外を除く)他の都市へ隣接して配置できません。
配置すると隣接した森タイル1枚につき1勝利点がゲーム終了時に得られます。

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特殊タイルであるNoctisの都市へ配置出来るプロジェクトカードは強いので御覧下さい笑

スタンダードプロジェクト

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序盤はあんまやらないかなあ。

スタンダードプロジェクトは下記の通りです。
・プロジェクトカードを破棄して枚数✕1金を得る
・11金支払いエネルギーの生産力を1あげる
・14金でメインボードの気温を2度上昇する(1点得る)
・18金で海洋タイルを1枚置く(1点得る)
・23金で森タイルを1枚置いて酸素レベルを1上昇させる(1点点得る)
・25金で都市タイルを1枚起き、金の生産力を1上げる

手札のプロジェクトカードが使えない場合手詰まりになる、もしくは利用したいことがプロジェクトカードにはない、という時に利用することが多いですね。
コストとして金を支払えばアクションが行えますが、ほとんどがプロジェクトカードの方が安い。

マイルストーンの内1つの達成
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5種類の条件があり、上限3個の達成でボーナスを得ます。
8金を支払って、達成できたマジョリティにプレイヤーマーカーを配置します。
・得点(テラフォーミングした点)が35以上
・都市タイルを3枚以上火星に配置
・森タイルを3枚以上火星に配置
・プロジェクトカードで建築マークがあるものを8枚以上プレイしている
・プロジェクトカードが16枚以上手札として持っている

ゲーム終了時1つにつき5点となります。

アワード達成(マジョリティ争い)

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こちらも5種類から上限3個まで達成出来ます。
コストは順番変動性。
早いほうが安いってやつですね。

1番 8金
2番 14金
3番 20金

ゲーム終了時に達成条件を確認します
・誰よりも多くスティールとチタニウムを持っている
・誰よりも多く熱資源を持っている。
・誰よりも多くプレイ(配置)済タイルを持っている
・誰よりも多くお金の生産力がある
・誰よりも多く科学者のタグがあるプロジェクトカードをプレイしている

3番目は迷いますねー笑
確定してるんだけれどトータル+になるかどうか。

後のアクションはそのまま表記の通りです。

森資源8個を森タイルに交換
熱資源8個で2度の温度を上げる

ゲーム終了

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・酸素14%
・海洋タイル9枚配置
・温度8度

ラウンド終了時に上記条件全てが達成されていた場合、そのラウンドで終了となります。
各プレイヤーは最後に森資源8個を森タイル1枚に交換することが可能です。

感想

おもしろい。けれど運ゲーでたまに強力な個人攻撃あり。
ウォー・ゲームだと思っていないでプレイするからちょっと面食らうかも。

初プレイ時はカードの効果とかどうなるかが全く分からず、ルールを確認したところ資本を固めることが良いという気がしてプレイしていました。
これが良かった、というかお金の生産力を上げておかないと何も出来ない。
攻略でもないのですが、とにかく迷ったらお金の生産力を上げることをお薦めします。

得意不得意で言えばわりと得意なボードゲームで、「あ、こういうカードがあるならきっと何かに繋がる(コンボ)を作者は考えてるんだろうな」とか思いつつプレイしていくとイメージ通りで、コンボが決まる感覚は愉しい。

でもそれは運が良いとき。
カード巡りに依存するため、長期的な計画で勝負しようとするともどかしさが募ります。
ボードゲームらしい要素が強くあるので、比例してプレイの自由度が狭まり、そのため運ゲー要素をさらに加速させてしまっている印象があります。

ダイスのように全員で運を傍観しながら一喜一憂出来るわけではなく、気付いたら相手が強運だったと気付かされる。「え、そんなコンボ出来るカード来ちゃったのか笑」みたいな。

結局強いカードが来ればそれに従い、えーいドーン!と得点。

誰かが優位になるけれど自分はこうしなければならない・・・うーん、というような相互作用による良ジレンマは少ないです。

確かにメインボードへの影響やテラフォーミングに対してマジョリティに関与する部分があるのですが、結局カードを持ってなきゃそのジレンマも生まれないし、カードがあって条件が整っていればもうその時にはジレンマはなく、「やらなきゃいけない」状態になるので迷うこともありません。

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そして最後のラウンドは負け確が有り得ます。
優勝が見込めないと確定するプレイヤーが自分の勝利関係なくとりあえず「今まで邪魔されたプレイヤーや1位への攻撃」というプレイになりがち。

攻撃出来るカードや設備が整っていれば、やることもないのでしょうがないです。

特に気にすることもなく(個人攻撃の殆どは得点が入り、優位な環境が築ける)攻撃してしまうと、今までのツケが回ってきます笑
最終局面でこういったプレイヤーから勝算関係なく攻撃を受けてしまうことが多い笑

そういうプレイは好きではありませんが、自暴自棄になるのも分からないではない。
もう勝つ見込みがないなら自分の勝利関係なく現1位のやつを引きずり下ろしてやる!というプレイ。

運と個人攻撃の不条理さでそういったプレイを助長してるのかもしれません。

そのためあまりにも優位に勝ち進むと悪目立ちするので、集中攻撃されないようある程度のヘイト管理を強いられます。これがちょっと伸び伸びプレイ出来ず残念。

運が悪い展開が続くプレイヤーが居ると、勝つためには仕方ない個人攻撃もやりにくい。

以上のように、なかなかプレイメンバーを選ぶボードゲームかもしれません。

裏を返せば、身内やプレイマナーを守れる方とやる分には、わちゃわちゃ出来て最高です笑

はじめから攻撃があると知っていればこんなもんだと思えるかもしれませんし、カードゲームだと割り切れば毎回新鮮なプレイが楽しめます。
特殊なアクションをバンバン使って、気の置けない仲での殴り合いが好き!という環境ならとっても楽しめるボードゲーム。

実力差が顕著に出ないようなシステム構成のため、ボードゲームをはじめたばかりの方にもピッタリハマるかも。

ボード拡張も出たことですし、なんだかんだ言ってもまたやりたいなあ。

2017/09/19

ドイツゲーム賞2017では見事1位に選ばれました!

 


 


購入は駿河屋もお薦めです。ホビー/グッズ販売 通販ショップの駿河屋

インスト時に注意したいこと、よくある質問の回答まとめ

下記にインスト時に忘れがちなことや注意したいこと、よくある質問への回答を自分用にまとめました。ゲームプレイ時にご参考下さい。

 

タイルについて

・海タイルに緑タイル隣接でも2クレジット貰え同じ海タイルでも同様に貰えます。
都市タイルだけではありません。

 

最後のラウンドについて

・最後の世代の生産フェイズに緑地タイルを配置できる手番がもう一度あります。

・最後の都市隣接ボーナスでは複数の都市に隣接する緑地タイルは重複して数えます。都市と緑地を固めておくと2重の得点源となります。

 

カードについて

・青カードのアクションは1ラウンド1度のみ利用可能。さらに効果内容で1電力を支払って1金を得るという効果の場合そのままの表記であり、2(n数)電力支払って2(n数)金を得るという選択は出来ません。

・赤い枠付きのタイルアイコンで表示されてるカードの発動の条件は、全プレイヤーが対象となり、他のプレイヤーが起こしたアクションも効果が発動します。

・カード効果でグローバルパラメーター(気温・酸素・海)が改善もしくはプラスされたときでも自分のTRは上昇します。タイル配置時のみではありません。
但しゲージが限界に達している時にカードを使用してもTRは上昇しません(貢献していなという解釈であれば分かりやすいかも)

 

その他情報

・コーポレーションカードのタグもプレイされたタグの中に含みます

・ソロプレイ時配置ボーナスで得られるのは産出力アップではなく現物至急

アークライトエラッタ

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カードスリーブ

ぴったりサイズ

MTG用でデッキシャッフルもしやすいのでこちらがお薦めです。後は好みの問題ですね。

あまりが出るサイズ

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