ゲムマで買っておいたほうが良いものはゲームだけじゃない!ゲームマーケット2019秋新作のゲームサプライ「TokenTray Octa」について紹介します。
重ゲーの難点は片付け。ゲーマーにとって喉から手が出る程欲しいツールがCygnus様より発売されます。
以前こちらのブログでもカードフィーダー等をご紹介させて頂き、まさにボードゲーマーのためのゲームサプライだと感じました。
前回の記事はこちら。
今回ご紹介する「TokenTray Octa」はゲームマーケット2019秋の新作ゲームサプライです。
前述の通り、重ゲーをやり切ってしまうとその充実感で片付けが少々面倒に感じてしまう時は誰しもあると思います。
この「TokenTray Octa」はご覧の通り、そこにあったコンポーネントや中にあるチットをそのまま袋に注ぐだけで良いのです。
今まで手で集めて、だとか、あっても袋にそのまま入れることが難しくて、だとか、片付けに至るまでを全て端折ってくれます。
想像してみましょう。
あなたのボードゲームライフに「TokenTray Octa」がない場合
トークンを袋に集め始める。他の人も同じトークンを集めて袋が別々になる。「それこっちに入れてるから」と声を掛ける。手で袋をいれる。手で入れるものだからこぼれ落ちたり、たまに机の下に落っこちて全員が手を止めて机の下を見る。トークンが見つかる。やっと袋に入れたと思ったら、入れる袋が違っていたりトークンが足らなかったりする。もう一回全員で下を見て、無いのを確認したら、他の袋に入っていることに気づく。やっと無事トークンを入れる。
※筆者の間抜けな体験談です笑
あなたのボードゲームライフに「TokenTray Octa」がある場合
「皆このトークンはここに入れて」と声をかけ、後は袋にスーッと流し込み終了。
はい、けっこうあるあるネタはさみました笑
どれ程「TokenTray Octa」が私達ボードゲームライフに重要なゲームサプライなのかおわかり頂けると思います。
さらに色合いが良くデザイン性も八角形というのがまた良いのです。
ボードゲームにはヘクスや八角形等のデザインが多いことから、この多角形のデザインはボードゲームの雰囲気を壊さず、かと言って邪魔になるどころか手助けしてくれている。
前回の記事でも記載致しましたが、最近ドラマ化された、佐々木倫子原作の『Heaven? 』でも、良いサービスマンの条件とはその場に介入せず、自然に手助けを行ってくれることだと伝えております。
Cygnus_games様は何よりもこのあたりを大切にされており、「サプライはあくまで脇役」という思いを貫いていらっしゃいます。
武者震いしそうな程のその誠意で作られた作品は、まさにボードゲーマーにとってのゲームサプライなのです。
そんな数多くの匠の作品を世に出されているCygnus_games様ですから、やはりかなり人気です。毎回多くの製品が品切れとなってしまいます。
どれも機械的に大量生産されている作品というわけではありませんから、致し方のないことです。
だからこそ、実はゲムマで買うべきものはゲームにあらず。
こういったサプライもゲームマーケットで購入しておくと良いものの一つだと大きな声で伝えたい。
こんな素晴らしい製品も頒布価格が5枚組2000円なので、大変お求めやすいです。
やはりWEBやオンラインショップからの購入だと、どうしても時間や送料がかかります。
直接ブースへ足を運び、手に取り、見てから購入も出来るというのはもうアドでしかない。
使用感
「TokenTray Octa」は本当に便利なサプライでした。
前述の通り、ゲームの雰囲気を傷つけない、というのがやはり大きい。
付属のアタッチメントを付ければ小さいものを、アタッチメントをつけなければ大きいものでもスイスイ。
皆さんは気づいていたか分かりませんが、実は今回レビュー致しましたボードゲームにちらほら使っており写真の中にあったんです笑
カードフィーダー
カードスタンド
ね?本当に雰囲気を崩さないでしょ?
当日のお品書き一覧はこちらから。
2019秋 日-R11-12 日曜開催にご注意ください!!
http://gamemarket.jp/blog/cygnus-19aki_menu/
インタビュー
こんにちは。
レビューをお待たせして申し訳有りません。
ゲムマ前でお忙しところ恐縮ですが以下インタビューをお願い出来ますでしょうか。
1.製作の経緯
思わず「これこれ!こういうの!!」と叫んでしまいたくなるトークントレイでした。
こういった作品はどのようにアイディアが生まれ、製作までに至るのでしょうか。
ちょっとしたことでもなかなか思いつかず、本当に「ボードゲームを遊ぶ人」に寄り添う大変ステキな作品だと感じております。
ボードゲームはなにかと手間がかかる遊びです。
駒を動かしたり、ダイスを振ったり、カードをシャッフルしたりと、必ず人と手を必要とします。この手間こそがボードゲームの醍醐味の一部である一方で、煩わしさの原因でもあります。この煩わしさの気づきがすべての始まりです。
それに気づいた後は、煩わしさの原因を突き詰め、解消方法を探し、それを具現化する設計にステップを進めていきますが、設計技術がボトルネックにもブレイクスルーにもなるので、ゲームに関係ないものでも常に何かを設計したりと日常的に「素振り」をやり続けています。
ちなみにチャック袋への収納については3年ほど前にはイメージがあったのですが、それを具現化する製作手法がなく、寝かせ続けていたアイデアです。
2018年に3Dプリンターと出会うことで具現化の可能性が見え、19年ゲムマ大阪で頒布したToken Bagging Funnelにとしてそのアイデアが形になりました。そしてその開発経験がもとになってTokenTray Octaに繋がっていきました。
このToken Bagging Funnel はチャック袋に注ぐための「漏斗」でした。
これはチャック袋にスムーズに流し込むことができますが、Funnelに投入するために駒をピックするという手間が発生しました。つまり一つの改善が新たな煩わしさを生むことになり、その課題解消のためにはトレイから直接チャック袋に入れられるようにする必要がありました。これがOctaへの進化の始まりです。
チャック袋にはできるだけスムーズに流し込みたい。そのためには筒状が理想。
しかしそれではトレイとして使いづらい。ならば着脱式のカバーをつけて片付けの時だけ漏斗のような形にしよう。なおカバーは装着しやすく、外れにくい構造に…と、必要な要件はすぐに決まりましたが、それを具現化する設計アイデアが浮かびません。しかし、ゲームに無関係なモノの製作と設計をしているなかで、その実現する設計が思い浮かび、コンセプトモデルの設計を一気に作り上げました。以降、何度かの試作を経て現在の形に落ち着いています。
2.素材
毎回ワンパターンで恐縮ですが、今回の素材についても疑問が御座います。
通常の3DプリンタではABSや硬度が必要であればNylon66等かと思います。
やはりと言いますが、3Dプリンタ独特の匂いや手触りの悪さ等「3Dプリンタで作った」感じがとても出ているものが多いです。
今回の素材は手触りも良く、香りという部分も科学的なものを感じさせないのが初めの第一印象で、感銘を受けたのですが、これは何でしょうか?
(企業秘密ということであればお答えは省いて構いません)
3DプリンターではPLAやABSが主流なのですが、出力物がいかにも樹脂っぽかったり、鮮やかな色が多く、コンポーネントを置いた際の視認性に問題がありました。
TokenTray Octaでは「木質系フィラメント」を採用しています。これは、PLAをベースに20~30%の木粉を混ぜたフィラメントで、これにより落ち着いたベージュ色のマットな風合いに仕上がりました。
目詰まりがしやすいなど、扱いがデリケートな素材ですが、微調整をしながら出力をしています。
※3Dプリンターのフィラメント素材としては一般にはPLA、ABSですね。
3.傾斜
口元が本当にどのボードゲームのコンポーネントでも合わせやすいと感じました。
お伝えしづらい部分ですが、このちょうど口の先の部分、袋に入れる先端の傾斜はどのような下限で作られているのでしょうか。
例えばここが90度であればつっかかりますし、「これくらい傾けたら入る」というのが感覚的に分かるこの傾斜がとても気になっています!
多分に経験的・感覚的に設計をしているところはありますが(笑)
試作段階では作業時の手の位置、角度などの作業動作をチェックしています。
まずチャック袋は利き手とは反対の手でほぼ垂直に持ちます。
利き手でトレイを持ちチャック袋に流し込むわけですが、注ぎ口の角度が深すぎると中身が出にくいだけではなく、トレイをより急角度に傾ける必要があり、チャック袋に入れる前にトレイから溢れます。逆に角度が浅すぎると緩い角度で駒が滑り出すため、袋も同じく斜めにする必要があり、結局袋から溢れやすくなってしまいます。結果、自ずとあの角度になっていったという感じです。
4.ボードゲーム
現在チット、ワーカー、メダル、色々と試しておりますが、どれも本当に片付けもしやすく使いやすいです。
特にこのボードゲームと相性が良い、等があればぜひ教えて頂けないでしょうか。
カバーの中央を膨らませてあるので、ミープルぐらいの大きさでも問題なく使えるようにしていますが、ほどほどの大きさがお勧めです(笑
特定のゲーム…というわけではありませんが、表面が固くマットな風合いはスクラッチ傷が目立ちにくく、メタルコインでも安心してお使いいただけると思います。
本当にゲーマーのためのゲーマーズサプライですね。
色々と丁寧なご回答ありがとうございます。
最後に皆様に何かメッセージをお願いできますか?
拙作に興味を持っていただいてありがとうございます。
トレイに求められる機能は「置き場」と「片づけやすさ」という提案を形にしたものがこの作品です。多くの方々に触れていただき、もっとボードゲームを楽しくできるアイデアに繋がれば…と思っております。
ゲームだけじゃないゲームマーケット。
あなたのゲムマライフがもっと良くなるはず!
コメント