ゲームマーケット2017春 新作「弱者の剣」のレビュー及び感想と簡単なルール説明です。
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抜粋のみを表示
実プレイ時間:15分(インストは別途1分)
プレイ人数:2-6人
推奨プレイ人数:5人
お気に入り度:
お酒との相性:
難易度:Lv.2
日本語化:不要
発売年:2017年
想定価格:1500円
はじめに
デザインが麗しいシンプルなゲームです。
せっかくの絵柄なのに、カード自体にバリが多かったりと少し残念な気持ちもありましたが、そのあたりのお話についてはインタビューに記載致しましたので是非御覧下さい。
テーマ
太陽がもっとぺかぺかと輝いていた、いつか昔の話。
永い間、争いを続けている六の王国がありました。
どの王国も疲弊しており、不毛な争いからの脱出を狙っているのですが、なかなか成功しません。
あなたは、そんな争いの真っ只中にいる1人の王様。
「弱者の剣」の一振りで、情勢を一気に覆し、どの王国よりも早くこの争いから抜け出しましょう!
―製作者ページより引用
システム
全員が革命を1枚ずつ持つ大富豪です。
勝利条件は初めに配られる手札6枚全てを出し終えることです。
カードは50枚、全10種。
1枚のカードの中に上下2パターンの数字と、中央の色が各色あります。
詳細なルールは上記製作者様ページをご確認下さい。
セッティング
デッキからランダムに6枚プレイヤーに配ります。そして各プレイヤー1枚ずつ弱者の剣を出します。
中央に天秤カード(上に天秤がある状態)右にデッキを置いて、左は出したカード置き場です。
出し方について
中央には常に天秤カードが置かれます。
左には出されたカードです。
中央の天秤は上にあるので出されたカードに対応する数字は「4」となります。
そのため手札から左上の数字が4以上の数字のカードを出す必要があります。
このように、それよりも高い数字として「7」を出すことが可能です。
他にも出されたカードより高い数字のカードがなければ「合算」して複数枚出すことが可能です。
合算して出すことが出来る条件は「中央の色」が同じであることです。場に出されたカードの中央の色は関係ありません。
たまたま画像は同じ花色ねずみ2枚ですが、カード中央が同じ色であれば信義の犬士「4」と偽国の魔術師「9」、合計13として出せます。
ここでややこしいのは、出ている数より少ない数も組み合わせれば出せるということです。
この説明書の例もちょっとわかりにくいのですが、
例えば場が「3」だった場合、石翼のハーピィ「6」と茨の王「1」の2枚計7として出すことが可能です。
つまり、複数枚出す時はその場より大きい数になれば出せます。
そして複数枚出された場合はその合計で対抗しなければいけません。
上記の例で言えば7以上の数字が必要となります。
パス
カードが出せない場合はデッキから1枚引くことでパスを選択出来ます。
弱者の剣
各プレイヤーが1枚ずつ持っている弱者の剣を使うことで、天秤を裏にして上下の数値を反転させることが出来ます。
弱者の剣を出した場合、中央の天秤を裏向きにして数字は下の数字が対応するものになります。画像がややこしくて申し訳ありませんが、場に出ているカードは影響を受けず、これから出すカードのみ下の数字として扱います。
例えば場が「3」で逆転の剣を出した場合、場のカードは逆転せずに、石翼のハーピィ「6」と茨の王「1」逆転の剣「1」が、逆転の剣「1」、石翼のハーピィ「3」と茨の王「8」の3枚計12となります。
以後は右下の数字が対応します。
逆転の剣の中央の色は全てに対応しているので、どのカードにも組合せて出せます。
もちろん、再度逆転の剣が出された場合はもとに戻ります。
最初にゲームから抜けた場合は残りのプレイヤーを1ポイントとしてカウントします。
全部で3ラウンド行い、ポイントが1番高いプレイヤーが勝利です。
インタビュー
顔立ちが穏やかで笑顔が素敵な方です。
インタビュー宜しくお願い致します。
今回このボードゲームについての製作経緯等があれば教えて頂けますか?
実はいろいろとあるのですが、元々ゲーム開発を行っていて、俗に言われているソシャゲですね。そこでボードゲームを他のスタッフとやっていたんです。
そこが潰れてしまって、次に入ったところは大手のところなんですが、そこにはボードゲーム会というのがきちんとあり、会社が終わり次第、みんなで集まってボードゲームをやっていたんです。昔から絵本のような「物」を作りたくて、ボードゲームをやっていくうちにその想いが強くなったんです。せっかくだから何か作ろうって。
それで思い切ってその会社を辞めて、昔辞めたときに出会った仲間を何人か引き抜いてポリゴノーツが出来ました。
そのときプログラムが書けるやつが1人もいなかったので、それならボードゲームを作ろうと思いました。
いろいろと紆余曲折があったんですね。
そういえば今回のゲームマーケットでは長蛇の列が出来てすぐに完売でした。
その前にクラウドファンディングがあったことは知っていたのですが、あまり集まらなかったような気が笑
そうですね笑
爆死してました。クラウドファンディングはこれで2回目なのですが、一回目のレディーフォーはけっこう集まったんです。というのも、そこの長期ユーザーが投資をしてくれたみたいで、、どうやらボードゲームをよく知らないでデザインを買ってくれたみたいなんですよ。
それでボードゲームとしてもう一度クラウドファンディングを行おうと思ったのが、それが爆死した2回目でした。
クラウドファンディングを行うと、担当の方が付くのですが、その方もボードゲームをよくご存知無いようで、「デザインありきでいきましょう」というお話に、僕もそう思い行ったらダメでした笑
確かに、クラウドファンディングで成功している例を取り上げると、デザインというよりもシステム面を強調しているところが多い印象を受けます。
ルールを大きく公表せずに「やってみたらおもしろいかも」というぐらいの規模で、重いゲームを説明してらっしゃいますね。
ええ、そんなこんなでクラウドファンディングあまり集まらず、当日はどれくらい売れるか全く分からなかった。
けれど予想外の反響だったようですね。
そうですね。ただ、こちらの準備不足で今回は並ばせたりしてしまい、お客さんご迷惑をかけてしまいました。
非常に申し訳ない気持ちです。
次回はきちんと準備して望みたいと思います。
あ、あとはこれがとても残念だったんですが、けっこうバリが目立って、デザインが良いのにもったいないなあと。
それも今回の反省点なんです。
そんなに多くの方に購入して頂けるとは思わず、小ロットで印刷を行ったんです。そのため印刷所も選べず出来上がりの製品を見て驚きました。
驚いたというよりも、くやしかったかもしれません。
実際はそういうものになる予定ではなかったんですね。
はい、もちろん製品にもこだわりたくて。
購入した人を喜ばせたいという気持ちが強かったです。結局、さわった感じでごまかしは効かないというのはよく分かっていたんですが、もうほとんど当日に近く間に合わなかった。
箱はみんなで手作業で作って、そこにカードを入れていきました。
「折り曲げたら白く残っちゃう・・・」というのもその中で気付いて・・・。
だから箱の横に色を塗ったりしたのですが、滲んでしまったりしたので結局出来ませんでした。
次回は印刷所を変えて再度作ります。
ゲムマ当日やその準備段階では、他の製作者様もそうなのですが、いろいろとハプニングのお話をお聞きします。
あ、こだわりと言えば箱の裏にはこういう仕掛けがあったりして、こういうの好きです笑
ステンドグラスのように、ライトでかざすとちゃんと透けるんですね。
ええ、そうなんですよ。
こういった見えない部分にも楽しみを入れたい。
今回は間に合わなかったのですが、絵本を本当は出したかったんです。
このゲームには物語があるんですか。
はい、逆臣の炎ともリンクしていて、おそらく2つご購入してくださった方にはニヤリとしてもらえると思うんです。
あ、確かに、キャラクターカードの名前も意味深ですよね。
そうです笑
(おもむろに逆臣の炎を取り出してカードを見比べる)
もしかして弱者の剣の剣犬と、逆臣の剣の猫は師弟関係!?
ええ、実はよく見比べると持ち物が被ってたりしています笑
逆臣の炎は過去の出来事で、このゲームのシステム自体もリンクしているんです。
かなり凝ってますね・・・絵本ほしかったなあ・・・
そうなんですよね・・・出したかったんですが間に合わず。
次回秋のゲームマーケットには出したいと思っています。
そういえば弱者の剣はけっこう分かりやすいゲームですよね。
それに比べて逆臣の炎はスッキリとゲームのシステムが完成されている印象でした。
はい、実は逆臣の炎は8週間で出来上がったんです!
早い!
ええ笑
それに比べて弱者の剣は難産で、半年以上掛かったかな・・・ルールをかなり変えたり、削ったりを繰り返して出来上がった作品です。
数字が4箇所あったり、複雑過ぎて重くなってしまった。
重い内容にもよりますが、遊ぶ人を選びますからね。
そうなんです。
ベースが大富豪を基になっていて、UNOや大富豪を遊んだことのある人たちならなんなく遊べるようなものが出来たと思います。
ルールがシンプルなので、製作者としては弱者の剣をメインにしたいんですが、逆臣の炎の方がおもしろいかもしれない笑
ああ、確かに弱者の剣は2人だと勝っても1ポイントしかならずただの引きゲーになてしまって。
そうなんですよね・・・やっていくなかで推奨は5人かなって思いました。
6人だと山札が尽きてパワープレイが多くなる。
5人ならばまだ山札があるのでチャンスが生まれます。
推奨は5人ということですね。
そういえばポリゴノーツとはどのような意味なのでしょうか。
はい、ポリゴンとノートを組み合わせた造語なんですが、小さい雑記をつなぎ合わせて大きな物語に出来ればという願いがあります。
いろいろとありがとうございます。
次回も期待大ですね!
はい!
次回はもう少し重いものも考えていますし、
1500円やそのあたりの値段と価格を維持しつつ、質や内容をさらに高めたものを作れるようにしていきたいと思っています!
感想
パスで無駄手と思いきや、カードを引くことで思わぬ組合せが生まれたり、逆転の剣の影響で算段が狂ったり、逆に都合が良くなったりと、プレイヤーによって予想打にしない展開が愉しめます。
2人プレイの場合は1ポイント先取にしかならず愉しめないことをお伝えしたところ、架空のプレイヤーを1人置いて、1人が2役担当するとおもしろいとのこと!次は試してみたいです。
システムとしてはちょっと物足りないところが多い反面、ゲームに慣れていない方でも気軽に楽しめるゲームでしょう。
お薦め!というわけではありませんが、物語の設計や物自体の芸が細かい所など、次回の派生に期待が高まります。
これからどのようにこの物語が展開していくのか、楽しみで仕方ありません。
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