ゲームマーケット 2017年 春新作のブラアウリア1356のレビュー・感想です。
デザイン | ショーナン |
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イラスト | ショーナン |
人数 | 2人 |
時間 | 15~20分 |
年齢 | 12歳~ |
価格 | 1500円 |
発売 | 2017春 |
ゲーマーズおすすめ度
初心者おすすめ度
まえがき
手頃な価格、というのはどういった価格なんだろう。
ボードゲーム初心者の方が多くなった昨今のゲムマ。
ボードゲーマーにとっては好きなボードゲーム、もしくはその製作者さんに投資する思いなら大箱¥5・6,000-は特に気にならない価格(内容による)。
けれど、「なんだか楽しそうだから試しに行ってみよう」というボードゲーム初心者の方にとって、ゲムマで手が出しやすい価格というものはどれくらいなのだろうかと、ふと考える。
おそらく、1,500-3,000円台くらいなんじゃないかなー。
あとは自分がどれくらいプレイ出来るのか(プレイ数)と、それがいくらのものなのか(価格)を照らし合わせて考える方も多いのではないかと思います。
そして今回のブラアウリア1356の価格は1500円。もちろん内容も面白い。
ショーナンさんの作品はコンポーネントをギリギリまでいつも凝縮しているもので。余分なものがない。
この価格の手頃さと内容は、酒すごろくとしては「推し」なのです。
そしてついに聞いちゃいました、価格の話。
おもしろいのに安い。と思ったから。
もちろんそこにはアイディア料なんて含まれていないのだろうけれど、そのあたりどうなのだろうかと。
後編のインタビューも是非ご覧頂ければ幸いです。
ストーリー
(製作者様サイトより一部抜粋)
金印勅書 (ブラアウリア)はビザンツ帝国時代から
ローマ帝国の皇帝によって制定された規定書である。
1356年に神聖ローマ皇帝が発布した金印勅書が特に有名で、
これにより皇帝を選定する7人の選帝侯が規定された。
プレーヤーは神聖ローマ帝国内の有力な貴族となり、
それぞれ財源や軍備を確保しながら各地の選帝侯に取り入り、
神聖ローマ皇帝の座に着く事をめざすゲームです。
相手のアクションを読み、できうるかぎり手早く
物資を確保し選帝侯の信任(勝利点獲得)を行うかが重要です。
システム
2人専用ゲーム。
コンコルディアと同様に、アクションは自分が持っているカード5枚から決まります。
お互い同じアクションカードです。
5枚の中から実行したいアクションを選び、使用します。
残り4枚、残り3枚・・・とアクションを順番に繰り返していくのですが、その中に「利用したアクションカードを手札に戻す」というアクションカードがあるので、これでまた同じアクションを繰り返すことが可能となります。
アクションカードは5枚しかありません。つまり行えるアクションは5種類。
裏を返せば、だいたい相手が行おうとするアクションがわかります。
例えば相手が残り2枚なら、何を使うかは2通りです。
さらにそこから相手の位置、相手が欲しいもの等を考え、相手が出す残り1枚のカードを読み解き、自分のアクションカードを出します。
このあたりの心理戦は限りがあるので分かりやすく、けれど奥深い。
さらにスタピーが交代する毎に行われる可変式のボーナスと、戦力拡大時の相手とのアクションの差別化により、ジェットコースターのように加速する展開が味わえます。
同じアクションなのにぐだぐだ長続きしません。
注意としては初めに特権カード7枚だけお互い効果を確認しておくと良いと思います。
あとは始めればなるようになります笑
プレイ
先ずはボードのセッティングです。
ダイスを振ってカードにセッティング等なんやかんやを行います。
勝利条件は7つある特権カードを得て、その中にある王冠、合計5つを先に獲得した人の勝利です。
そして、最近双頭の鷲を見た人が先行プレイヤーとのことです笑
アクションカード(ミニカード)の5枚の中から1枚を選択し、一緒に場に出します。
ミニカードは時計回りに共通の駒を移動したり、チャンスカードによって出たものを獲得したりします。
基本的には移動したマスの特権(王冠)カードを獲得する必要があるのですが、それには相応のスキルを身に着けていないといけません。
それが戦力(Army)とお金(ターラー)です。
共通の駒が移動したマスには1.特権の獲得、2.そのマスの効果、のどちらかが選べます。
移動したマスの効果やアクションカードによって、戦力(Army)とお金(ターラー)を増やします。
そしてある程度増えれば、そのマスに移動して獲得・・・と、うまい具合にはいきません笑
移動できるカードは2枚(1マス移動、2マス移動)なのですが、これはスタートプレイヤーから順番に処理されます。
例えば、3マス先に私が獲得したいカードがあるとします。
私がスタートプレイヤーだとしたら、相手は3マス先に私が行きたいと知っているわけです。
つまり、私が1マス移動を出して処理した後に、相手が2マス移動を出して私の邪魔をするということが出来るのです笑
移動したいところに必ず移動出来るという点ではスタートプレイヤーは有利です。
例えば次のマスが特権獲得可能なマスであった場合は、スタートプレイヤーであれば邪魔されずに必ず特権を得られます。
しかし、それではスタートプレイヤーが非常に有利なので「スタートプレイヤーが交代するマス」というものが存在します。
こちらのマスには逆転の様々な効果があるのですが、その一つとして、「ダイスを2つ振る」という効果があります(最初にこのダイスはセッティング済で可変を行いという意味です)。
実はコレ、いろいろと影響があるのですが、特にアクションカードの「商人」に強い影響を及ぼします。
出目が6の場合にアクションカードの商人カードを使うと戦力とお金が+3されます。
これは非常に協力なのですが、それを無効にする徴収というカードがあるために、6の状態ですと非常に熱い駆け引きが楽しめるかと思います。
さらにこのダイスロールのときに矢先が動くのですが、「矢の先のマス効果をいつでも得られる」系のアクションカードがあるので、商人✕矢先でアクションカードを選ぶ駆け引きがよりアップテンポになります。
2人プレイでジレンマが多いとどうしても単調になりがちですが、この矢先の変更と可変ダイスによって飽きの来ない駆け引きが続きます。
しかもゲームを壊さない程の良い塩梅のシステムです。
また、物価Xというシステムがあり、特権の獲得資源の数がXの値と連動して変化します。
このためこのシステムが生き物のように上げ下げすることもあれば、全く動かないこともあるので、なかなか一筋縄にはいかない展開が愉しめます。
ゲーム勝利点に繋がる特権は「毎ターンお金1を得る」等もあるので、さらにジェットコースターのような加速感でゲームの速度が上がります。
このように読み合いを繰り返していき、王冠を5個獲得(マスを裏向きにすることで獲得を表す、画像の場合は2個)した方の勝ちです。
インタビュー
プラアウリアやりました!!
デザイン良いですね!使用しない裏地にもデザインの拘りを感じました。
いろいろとお聞かせ下さい。
デザイン
ドット絵ではなくデザインに拘ったゲームでしたが、その経緯と理由をお教えいただけますか。
答えちゃいます!!
フルデジタル・ベジュ線のみで”ユーロっぽさ”を表現する
という課題からスタートしました。
世に出てるゲームって結構手書きなゆる線で塗りもモヤっとした
ものが多いので、デジタル的にキッチリやり過ぎると
アナログゲームのアート感から遠ざかってしまうのですね。
そこで鬼才ショーナン、敢えてデジタル手法で真っ向勝負ですよ。
人類の叡智と可能性とテクノロジーに絶大なる信頼を置くショーナンの
意地と勇気と怠惰を賭した戦いです。ハリウッドで公開すれば全米が泣きます。
ところが、やっぱりキッチリ過ぎるものは、普段見慣れたものと比べると
違和感になるワケですな。
そこで旧時代の人類の叡智をお借りしたりするわけです。
ロマネスク調模様や紋章などね。 これが結構マッチして今回のアートワークに仕上がりました。
そう書くといろいろワーキャーでキャッチーなんですが、
とどのつまり、自分の狭い部屋で絵の具とか扱うと大惨事になるから
フルPC作業であります。既にプラモの塗装でシンナー臭いんですが。
製作期間
長期製作だったことをHPから拝見いたしました。
ゲームバランスを重視することはもちろんのことですが、一番苦労が多かったシステムについて教えてください。
テストモデルからいろんな人にやってもらって、
意見を収集するのですが、今回はこのテストモデル期間が
大分長かったですね。二転三転しました。
人それぞれの趣向があって、それをどうまとめるか
どこまでを取り入れるかなど、さじ加減に難儀です。
まぁーー好き勝手言いますわなッ!!
ダウンタイムが長すぎるとか
ダイスロールに依存し過ぎると展開が安定しないとか
獲得したときの所有感が薄いとか
逆転しづらいとか
だいたいツブしましたね。
今の形になるまでひじょーに長かったです。
一番難航したのは矢印カードなので、是非この動きに注目してプレイして欲しいです。
矢印要素は実はなくなる可能性もあっまということでしょうか?
あれが愉しさの大きな要素な気も致しますが。
当初矢印の先は止まったマスで2回アクションだったので、なかなか利用しづらくうすーーい要素になってしまうところでした!!
価格について
ショーナンさんのゲームは面白いのですが、内容に対して驚くような価格設定ですよね。不躾な質問で大変恐縮なのですが、この価格付けに込められた思いとかは御座いますか?
あー ついにその質問きちゃいましたか。
みなさん値段設定はかなり身を切る思いがありそうですし、
できるだけ手頃な価格でたくさんの人に遊んでいただきたいという
思いがございましょうに。
自分もどっちかというとそっち側を表面上演出してるもので
あまり大きな声では言えませんが、
値段設定に関しては、だいぶ美味しい思いをさせていただいおります。
おかげさまで、彼女にピーチジョンのクソ高いエロ下着をねだられても
ポンと買ってやる余裕もできました。
あえて思いを語るとすれば、ゲーム自体が毎回「学校の休み時間でも遊べるモノ」というコンセプトがあるので、学生購買層にも手が届きやすい価格を維持してるというのがありますね。 これが思ったより低年齢層にウケてか、小学生やファミリーにお得意様が多くできたのが嬉しく思ってます。
ホントは女子高生とか人妻にわんさか買われて渋谷109にショップもちたいんですけど、このあたりはクラウドファウンディングしますんでよろしくお願いします。すんません嘘です。
最後に読者へ何か伝えたい事があればどうぞ!
女子高校生から主婦まで、ファンレターお待ちしています。
こう見えて男もイケますんでショタの応援も大歓迎です。
わりきりOKです 秘密厳守で。
以下は戦略的な質問になります。
特権ですが下記1ターン中に1回(2枚有れば2回)任意のタイミング(条件に合致した時)に使用できるということで宜しいでしょうか。
1ターンの流れ
1.特権チェック → 2.手札選択 → 3.効果処理
確認
特権は初プレイ時は事前に2人とも見ておく必要がありそうですね!
お互いが商人で出目6、自分がスタートプレイヤーのとき。
戦力を選ぶ
相手戦力2
自分戦力4
自分戦力+3
→6
相手→0
相手番
相手→3
自分→3
になりますよね?
つまりこの場合、自分手番は必ずターラーを選んでおいたほうが得になる、ということであっているでしょうか。
結局自分がターラーを選んだ時に相手が戦力を選ぶと
相手戦力5
自分1
になるかと思います。
基本スタートプレイヤーが有利のゲームですが、チャンス目が6のときはスタートプレイヤーはかなり商人に気を配る必要があると感じました。
結局後手番の相手にどちらにせよ戦力を抜かされてしまうので。
特権はそうです!! ターンの最初でとか指定があるのは好きな順番で処理してOKです。
確認の方もそれで正しいです。スタプレから動いてしまうので、戦力の取り合いでは後者が有利になるときがあります!!そういう時は先手がターラーを取った方がお得です!! チャンス目6になると商人の価値が爆上がりなので、こういう駆け引きが多発しますね。 スタプレは信任獲得を急ぐときに超有利ってカンジですっ
Xの値を下げるのが大変です!何かコツがアレば教えて下さい笑
-これね、自然に動くの待ってるとなかなか下がらないですよね~。
特権で毎ターン下げてしまうのが一番ラクではありますがっ
相手側にもチャンスを与えてしまうので悩ましいところです。
スタプレ取り合い合戦のオマケでガンガン下げるのがいいかもしれませんっ!!
特権で得られるサポートはゲームが始める前にお互いで確認していたほうが無難ですね。
特権大事すね!! マインツも取ったら取ったでほぼリーチなんで
優越なんですが、特権ないとさびしいんですよね~。
いやはやプレイありがとうございます!!
感想
至る所に2人で遊び飽きない工夫が多くあり、読み合いがおもしろいです。30分で終わるゲーマーズゲーム。
内容とは別の話になりますが、スタピーがカードの裏表で分かったり、アイコンで効果が一見して分かるように工夫されていたりと、プレイヤーがプレイしやすくなるような細かい工夫がいいですね。
利用しない1枚のカードをスタピー代わりに無駄なく利用するところは脱帽です。
現在ショーナン様で予約受け付け中です。
ほとんどのゲムマの同人ボードゲームはそうなのですが、手作り少数作成なので欲しい方は予約がお薦めです。
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