試したい欲求の頂点へ!サイコロの運命に全ての勝利が紐解かれる「コインブラ/Coimbra」

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ボードゲーム「コインブラ」をプレイした感想・レビュー、ルールです。
ロレンツォで有名なデザイナーのコンビで、拡大再生産と豊富な得点方法で色々と試すことがとても楽しいボードゲームでした!

この写真かっこよくないですか!

ここがおもしろい

  • 拡大再生産、リソース管理、競り、マジョリティ争いの良質な組み合わせ
  • 様々な得点方法で攻略を見つけていくのが楽しい
  • 勝敗が分かりづらいので点差が開いても希望が持てる
  • 可変タイルが多くリプレイ性が高い

インスト時に気をつけたいこと

  • 巡礼者で置かれている効果の全ての説明を必ず行う
  • カード一覧をよく見せること(特に3,4ラウンドになると直接攻撃のあるカードが登場する)
  • Cフェイズ追加の永続アクションが起こるカードは初期人物の中にしか含まれてないことの事前説明
  • 第3世代は即時効果カードが多いことの事前説明
  • Eファイズで「好きな影響力マーカーを一つ上げる」のカードがある場合はこれらを現時点の手番順で先に行わなければならない

はじめに

ゲームデザインはF.ブラシーニとV.ギグリのコンビで、この2人が手がけた有名な作品だとロレンツォですが、今回はルチアーニがいない。
ルチアーニはツォルキン、マルコポーロの足跡、グランドオーストラリアホテルなどの名作を手がけたデザイナーであり、彼が居ないとなると少々不安でした。

結論としては苦しみのないゲームで大変楽しめました。
カードの習得を個人の拡大再生産に利用して、使われなかったらすべて流して次のラウンドで補填するという形は、スパイリウムに似ています。
ゲームの流れや緩急の付け方をカードでコントロールするデザインですね。

非常にゲームバランスよく作れるのですが、同じ流れにどうしてもなってしまうので少し刺激が足りないのも事実。
そこでこのカードの取得以外に巡礼者の要素を取り入れて「どうだ!これで同じ流れにはならないだろうワハハハ」となっております笑

システム

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A-Fまであるアクションは全て個人ボードに記載されています。

ゲームの流れとしては、サイコロの競りでカードを習得して、護衛力やお金を増やす基盤を整えます。
習得したサイコロの色でマジョリティを争いゲーム終了時1位か2位で勝利点を獲得出来ます。その間に巡礼者を移動させることでも勝利点を稼ぎ、4ラウンド終了時に得点が一番多いプレイヤーの勝利です。

プレイヤー準備

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初めに2枚の人物カード選択と巡礼者を配置します。

カードはA-Fまであるアクションのいずれかで永続で効果をもたらすものや、即時もらえるものなど様々です。

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巡礼者が一番悩むんじゃないでしょうか。
巡礼者は特定の箇所を通過するだけで色々ともらえるシステム!そして通常はラウンド中1度しか進めないので、戻るなどの行為をすると手番損になります。

上2列、下2列の計4箇所のスタート位置を選ぶのですが、上記の理由によりなるべく一筆書きで移動したい。
そのため、何がどこにあってどんな効果を全て把握する必要があります。
そうじゃないと、スタート位置が決められない、どういう経路で最終的にはどこに着地するかを考えないといけません。

特定の箇所に通過して効果を得たら自分の色に対応したキューブを置きます。

例えば、スタート左上のスタート位置近くに「巡礼者で置いたキューブ✕3点」みたいなものがあったらどうでしょう。
わざわざこのスタート位置にしませんよね。
なるべく遠いスタート位置からスタートして、色んな効果を手にしながら最後にここにたどり着くようなイメージでスタート位置を決めるはずです。

さて、これらの2枚の選択カードと巡礼者の位置を決めたらゲーム開始です。

aダイスロール

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初めにスタートプレイヤーがダイスを投げます。
運命の一投ですね。

bダイスドラフトと配置

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スタートプレイヤーからダイスを選択して、自分のプレイヤーカラーに対応したダイスホルダーに装着します。

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じゃっきん!って感じです。ダイスホルダー良いです笑

そして欲しいカードがある行に対応したところにダイスを置きます。
このダイスですが、数字と色が重要です。

ダイスの数字

数字は先にそのカードを購入する権利と、そのカードを購入する額が決定されます。

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後述のcの「ダイス回収」で行うアクションで、例えば5のダイスを置けば5金もしくは5護衛力を支払い獲得できます。
その行に6のダイスを置いたプレイヤーが居なければ、5を置いたプレイヤーが先にその行のカードを買い物出来るということになります。
スタピーからダイスを選択して置いていくのですが、もし5を置いた行に誰かがあとで6を置けばそのサイコロは左隣へずらして置きます。

後手番でも順序を決められる可能性あることから、割り込み競りのような感じです。

一番上の行の城の競りだけ特殊で1→6の昇順で行われます。
城はお金や護衛力を必要とせず入手出来ますが、あくまでこのファイズでしか効果を発揮しないものばかりです。
例えば即座に7金か7勝利点を得るものなど、ですね。

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あとはダイスに追加で+3に出来るものがゲットできたりします。もちろん、追加したダイスの数分だけ支払いは行わなければなりません。

ダイスの色

ダイスの色はメインボード右側にある4種類の影響力の種類に対応しています。
護衛 灰色
金 オレンジ
修道院 紫
勝利点 緑
オールマイティー 白
ダイスを利用した後は個人ボード上に置くのですが、後述のEのアクションで対応した影響力のトラックに応じた収入を得ます。このダイスのドラフトと配置で後にたくさんお影響が起こるため、なかなかに悩ましいです。

C.ダイスの回収

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先述した通り左端にあるダイスから順番に購入を行います。
ダイス目✕人物カードのアイコン(お金か護衛)を支払い入手します。
入手出来ない場合は2護衛と2コインが得られる窮困アクションを選択します。

人物には4種類の影響力トラックを進める効果と、各人物の特殊効果があります。
影響力トラックは収入とゲーム終了時の1位は○点2位は○点のマジョリティに繋がります。
人物の特殊効果は即効性のあるものから、アクションのeフェイズ毎に毎回永続して起きるもの、巡礼者を移動させるものなど様々です。
序盤はこの人物の回収で個人ボードの拡大再生産を行ったり、目標カードに近いものを獲得したりと様々です。
また、人物には特許アイコンが記載されており、そのアイコンがセットコレクションとしてゲーム終了時のボーナス得点に繋がります。
この特許アイコンは見逃しがちなので、注意が必要ですね。

D.スタートプレイヤーの決定

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城で入手したもの、カードに付属されていたもの、Cフェイズ中の手番順に書かれているものの王冠の合計で手番順が決まります。

E.収入

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ラウンドで使用したダイスの色に応じた影響力トラックの収入を得ます。
画像の場合はオレンジ2つと緑一つですね。
このアクションではダイスの数字は関係ありません。

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例えば灰色のダイスを使っており、護衛トラックが11ならば9の護衛力の収入を得ます。

ここで紫のダイスを利用していれば、巡礼者を移動させます。
効果があるマスに通過、もしくは止まれば即時効果が起こります。
このため、この収入フェイズではカードの特別な追加効果があるものを除き、どこの収入から上げても問題ありません。
巡礼者の移動がけっこうな得点行動に繋がりやすく、これに全振りするのも悪くなさそうですね。
ひと筆書きした時に合計で何点取れるかで判断できそうです。

F.航海の投資

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手番順に航海カードへ投資を行います。
投資額は護衛力かお金です。

誰かがその航海カードへ投資していても、重ねて投資が行なえます。
ゲーム終了時に効果をもたらす人物カードと重なる場合もあるので、どちらが得なのか考えながら投資は行いましょう。

ラウンド・ゲームの終了

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ラウンドが終了したら人物カードは一掃されて、新たな人物カードが登場します。

全4ラウンドを行い、人物カードの最終勝利点、護衛力+お金+王冠の数/2、特許状のセットコレクションなど全ての得点を合算して得点が多いプレイヤーの勝利です。

感想

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GOOD。お薦め。おもしろい。リプレイ欲は今の所強いです。
スパイリウムは渋すぎですが雰囲気は近いですね。

苦しみのないゲームとして良作なのではないでしょうか。
勝利点に集約しているため得点行動も分かりやすい。

決してルールがシンプルとは言えませんが、アクションを選ぶ、というものではなく全員で同じアクションを繰り返すのでルール理解が早い、という言い方が正しそうです。
そのためストレスフリーでゲームを進めることが出来ます。

あとね、説明書がすっっっっっごいわかりやす!

コレ重要。

プレイ中は何が得点に繋がるのが計算しきれてしまうために、ダウンタイムは人によってかなり長くなります。これはゲームのシステム上仕方ないのかもしれません。

プレイをしてみると、様々な得点方法があるように見せかけて、ある程度は答えが出そうな感じでした。
とりあえず巡礼者ってけっこうな得点行動なんじゃないでしょうか笑
それと航海への投資ですが、カードの効果で似ているものが多いことから、6-8金で投資した時の損得計算で「え?こっちの方がお得じゃん笑」みたいなことが多い笑

このゲームの唯一の懸念点としては全ての人物カードの使い切りというところでしょうか。
これは勝手な思い込みですが、ルチアーニが居たら使われないカードが20枚位出てきて、もうちょっと冒険したんじゃないかなーそれも楽しそうだなーと考えてしまいます。

理由としてはカードをすべてフルに使うとなると、安定した流れが毎回発生しますが少なからず飽きが出てくるのと、経験の差が必ず出るためです。
取れる取れないかに関わらず「これが必ず出る」と分かっていれば、それなりの戦略が建てられるでしょう。

そのための公平を期すためにカード表をこのゲームでは用意しているのですが、個人的には準備時にカードを何枚か抜き、使われないカードが発生しゲーム性に不確定要素をもたせたほうが良いなあと感じました。
これによって毎回同じような流れにはならず、経験の差も少しは緩和されるでしょう。
私としては毎回同じような流れにならない、というのが大きなポイントの一つです。

おそらくこのあたりはBGGで指摘する方が出てくるとは思いますので、拡張かなにかでカードは増えそうですね。

色々と言いましたが総じて良ゲー。

たのすぃいいいいい!!!!

後は呆然と立ち尽くすのみっていう程の恐怖のようなカットも少なく、後半は即時効果によってガシガシ得点を伸ばすだけなので軽い軽い。
インタラクションもわりと少なめで得点が楽に伸びるゲームがお好きな方なら超お薦めです。

最初の長時間ゲーム入門としても良いのではないでしょうか。
2時間程で終わりますし、あれやってみたい!これやってみたい!ときっと思うはず。

攻略やら鉄板行動が出てきそうなゲームではあるので、今のうちにぜひ!

駿河屋もお薦めです。ホビー/グッズ販売 通販ショップの駿河屋

 

カードスリーブはこれがぴったんこカンカンですよ!!

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