ボードゲーム アクワイア/Acquireのレビュー及び感想です。
戦略と先見の明が非常に試されるちょっぴりゲーマーズなゲームです。
レビューに記載したものはアクワイア(2008年版)のものですね。
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抜粋のみを表示
実プレイ時間:60分(インストは別途15分)
プレイ人数:2-6人
推奨プレイ人数:4人
お気に入り度:
お酒との相性:
難易度:Lv.3
日本語化:不要
発売年:1979年
ゲームデザイン:Sid Sackson(シド・サクソン)
想定価格:3000-5000円
ドイツ 1979年ゲーム大賞 (Spiel des Jahres)最終候補 (Auswahlliste)
システム
皆でホテルを建設して、その中でも成長するホテルを予期して株券を売買し1番儲けたプレイヤーが勝利です。
初見はつらく、2回目以降からすっごいたのしい。
ざっくり雰囲気が伝わればと思いますのでルールの書き損じ等はご容赦下さい。
ゲーム終了
- メインボードのすべてのホテルが11以上になったとき(みんなでかくなったらおわり)
- ホテル1棟が41以上の大きさになったとき(1つがすっごいでかくなったらおわり)
上記の条件が満たされた場合はただちにゲーム終了です。
アクション
手番のアクションは次の通りです。
1.手元にある6つの建物タイルから1つ選んでメインボードに置く
2.株券を購入する(3枚までなら7つあるホテルの株券の組合せは自由)
3.建物タイルを1枚を補充する(建物タイルは常に6個ある状態になる)
すっごいシンプルなアクション。でも奥深いんです。
序盤はこれらのアクションを繰り返してホテルを建てていくわけですが、中盤に成るとホテルの拡大やホテルの合併が起こります。
拡大前のホテルの株は安く購入出来、拡大後の株は値上がります。
そのため株を安く購入して高く売るというサイクルが発生します。
ホテルの建設
メインボード上に建物タイルが2枚以上繋がた場合はそこにホテルが建設出来ます。
ホテルを建設するとボーナスとしてその株が1枚獲得出来ます。
例えばそのホテルの株を3枚購入していれば計4枚になるので、初手番ならそのホテルのマジョリティを得ます。
マジョリティボーナスについては後述します。
建てたホテルに建設タイルを置くことでホテルの拡大が可能です。
ホテルの合併
建物タイルを置いた場所が他のホテルと繋がるようであればホテルの合併が起こります。小さいホテルが大きいホテルに吸収されるイメージです。
そのため小さいホテルはまた元の場所に戻されて、再度2枚の建物タイルが置かれた時に使えます。
11枚以上で構成されているホテルはかくだいはすれど合併はされません。
そのため合併が起こるような建物タイルを置くことも出来ません。
合併が起きると前述のマジョリティボーナスがあり、合併された小さいホテルの株券を1番多く持っている人と2番めに持っている人に対してマジョリティボーナスがあります。
マジョリティボーナス
合併された最株保有者と2番目に株券を持っている者のみ。
合併される前のホテルの大きさに応じて表のボーナス金を得ます。
同率1位は折半、人数で割ります。
独占は1位と2位の両方のボーナスを獲得します。
株券の処理
合併を起こすタイルを置いた人から時計回りに全員行います。
1.何もしない その株を手元に残します
2.売却 合併前のホテルの大きさに応じて金に変えます。
3.交換 吸収されたホテルの株券2枚と吸収前の株券1枚を2:1で交換します。
基本的には3が多いかな。
1はこれからそのホテルが伸びる場合は保持していれば良いということなのですが、あんまりやらないかなあ。
株券の総数が確かホテル1棟につき25枚なので、そのあたりのアドが分かり高くリターンが望めるなら良いかもしれない。マジョリティボーナスのみゲットしてさらにそのホテルでマジョリティボーナスを得て・・・の繰り返しの戦略のときかな。
3はゲーム終盤ならもうこれ一択ですね。建物がこれ以上建てられず、必ず2倍以上の価値が発生すると分かっているので。
ちなみに株券がなくなれば1,2のみで、そういった終盤はもう2のみですね。
お金はプレイする自由を生み、株券は得点源といったような感じでプレイします。
捕捉として合併を起こす建物タイルを保持しているということは、売却する機会を得ているのと同義のためなかなかのアドバンテージがあります。
これは運ですね。
ゲーム終了時決算
まずホテルごとのマジョリティボーナスを再度得ます。
そしてすべての株を売却して、金を1番保持しているプレイヤーの勝利です。
感想
初見殺し。アイヤー。
プレイしたことがあるか否かで実力に差が顕著に出る。
つまり色々と試そうと思えばそれがそのまま損になる。たった一度の買い方でマジョリティに出遅れる。初見だと色々としたいじゃないですか?笑
ただし2回目以降は皆同じスタートライン。
そして経営している感は皆無の超マジョリティの株ゲーです。
本来のボードゲームの製作者の意図としては、6の建物タイルある中で相手が何を持っているかを、買った株で投資しながら心理的な読み合いを行う、という趣旨があったのではないかと思います。
けれどルールにそこまで制限が掛けられていないために、結局多くを買ったもの勝ちというマジョリティ争いのゲームです。
確かに置いたものや買った株でなんとなーく持っているのもを予想がつきそうですが、結局6の建物タイルしか持っておらず、置くのも1個の建物タイルのみなのでコマに対してそこまで予想は立てられず読み合いが発生しません。
しかしながら、昔のボードゲームではよくあることですが作者の意図に反してボードゲームは他の遊び方へと変貌を遂げることがよくあります。
アクワイアはそんな一例なのかもしれません。
あ、もしかしてこれ、フルオープンでやったらけっこうおもしろいかも。
また、前述の通り初見殺しのボードゲームでもあります。
序盤1枚ずつの株券の購入は意味を持たず、ただの手番損になりやすいです。
そのため先行して株券を3枚購入したプレイヤーに追いこさなければ得点も金も得られません。
ゲーム中盤になると建設物である上位2位争いの中では白熱した金銭のやりとりとホテル拡大のおもしろさがありますが、他プレイヤーは不自由がゲームエンドまで続き抜けたくなります。
経験者であれば自分のプレイミスのせいだと割り切れるのですが、不可抗力でそのような展開になるとこの作業感についていけません。5人だと売却の機会が少なく特にそれが顕著に現れるような気が致します。
「知らずに株を2枚以下で買えば買うほど負けに近づき、途中から気付いても逆転がし難く終わるまでずっと不自由が続き愉しめない」ので初見殺しは過言ではなさそうです。
お薦めは4でしょうか。
6人であれば疑似協力戦を有意義に楽しめますし、トップ2名に対して4人が圧力を掛けることで逆転が狙えるかもしれませんが。
4人であれば2vs2の枠組みが持てるし売却時の逆転の機会が多くなりそうです。
システムはとてもおもしろくリプレイでは印象が大きく変わりそうです。
というのも一度プレイしてしてしまえばこれはもうおもしろいボードゲームだということが理解できます。
確かに運要素はあるのですが、それはこのゲームではほとんど関係がなく(というか結果的に関係なくなる)、どこで全員が金を集めるかを瞬時に理解して先行投資を行うことで他の人を引っ張りあげるか、まさにM&Aでありザ・マジョリティの世界が味わえます。
初見の方とやるとなると1人で快感を得る行為に他なりませんが、実力が均衡したプレイヤー(1度でも経験済でどういうゲームか理解している)同士ならかなり盛り上がるゲームであることは間違いありません。
経験者があまりにも酷い建設タイルで初見の方が最高に良いタイルだらけという状態ならば話は別ですが。
いろいろと綴ってしまいましたが、初見では勝てないというのは実力が顕著に現れるゲームです。それは一長一短ですがどちらかと言えば「長」の方に良さを感じます。
手番のアクションは少なく、そして深い行動と読みが対人での刺激として繋がります。
そしてなんだかんだコマを置いた雰囲気でどこが先行投資されて拡大するかも分かるんですよね(さっきと言ってることが笑)。
永く愛されているゲームでもある。2008年以前は絶版だったためプレイする機会が少なくなておりましたが以降再販を繰り返し遊ぶ機会が多くなりました。
実は次回2016年版と3M版(まさかの)を手に入れる予定だったりします笑
研究しがいがあるボードゲーム。
早くリプレイしたいなあ。
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