えげつない大人の紙ペンサイコロ「PENK」

はじめに

紙とペンとサイコロのみのサイコロゲーム。
新作というのがそもそもすごい。
こういったたぐいは出尽くされた感があるが、それでも尚このように紙&ペン&サイコロだけで作られているゲームが今年も発売した。

ロール・スルー・ジ・エイジズのようにあれほどまでに渋い佳作はもう出ないだろうが、それでも毎年ガンシュンクレバーのようにゲーマーを楽しませるゲームが出ることに驚きを隠しきれない。

紙&ペン&サイコロだけを利用したゲームはそろそろそいういうカテゴライズに分類されても良いのでは。

「紙ペンゲーム」というともっとパーティーよりの何かかな?と思ってしまう。

紙&ペン&サイコロだけのゲームに名前を付けるとしたら、「プロバビリティゲーム」だろうか。
シンプルに出来上がった、確率分布だけを考え求め、思考し、試行を繰り返す。
ここではプロバビリティゲームと言ってしまおう。

ガンシュンクレバーも、ヘックメックも本作PENKもラプラスの悪魔然り、数式におけるある程度の未来予知を察し愉しむというのは本当に面白い。

運・期待値・その時々の出目によって臨機応変に対応するというのも、なかなか今までのアビリティを活かせそうで、頭の奥にある中枢をくすぐらせるような刺激が実にキモチイイ。

さて、そんなプロバビリティゲー(やっぱ長い)がマルコポーロの旅路、ツォルキンでお馴染みのルチアーニが出してきたっていうんだから、これはやらない手はない。

システム

サイコロを6つ振って、3つのダイス目を確定させシートにチェックする。
チェックされた得点が一番多いプレイヤーの勝利。

ダイスは1-5まで記載されており、一つだけコピーマークがある。


このコピーマークは一度だけ確定させた出目と同じ扱いにすることが出来る。
例えば「4」が1つとコピーマークがあれば、「4」が2つあるとして確定が出来るというわけだ。

本ゲームでは出目が何個あるか、というのが重要だ。
チェックシートは以下のように構成されている。

1-5つの出目
1点・・・出目1個
2点・・・出目2個
3点
5点
8点

6個振って3回まで振り治せる。

その間に出目を確定させるというわけだ。
例えば先程のようにコピーマークを利用して「4」が4つあるとしよう。
残りの2つを振って、1と3が出たとする。
この場合、1と3はひとつずつなので、1個は出したとして1段目の1点の行の「1」と「3」の箇所にチェックを入れる。
4は4つ出たので、4段目の5点の「4」の箇所にチェックを入れる。

点数は縦横の累計がそのまま入るが、縦横合わせて3つ以上チェック出来てなければ得点化することが出来ない。
さらにもしチェック出来なかったときのペナルティが重い。
埋まっていない列の一つを使用不可にされてしまう。

このゲームの本質というか何ともえげつないシステムがある。
誰かが横or縦列を全て埋めてしまうとそこの横or縦列の空いているマスは二度と使えなくなる。
3マスチェックが埋まっていれば別にドーということはないのだが、2マス埋まっていて残り3マスが消されるというのは強烈だ。

面白いのは得点化しつつ相手の伸びしろを完全にシャットアウト出来るため、高得点よりも意図的に低い点を選び他プレイヤーを阻害することに積極的になる笑

以上が繰り返されるために、縦が埋まる=書けなくなるプレイヤーが現れたらそこでゲーム終了。

前述の通り3つ以上のチェックを入れた状態で最も得点の多いプレイヤーの勝利となる。

感想

ヘックメックに近い感覚。
徐々に得点効率を上げていくのだが、全員にダメージを与えつつというのが皆で共有された一つの駆け引きのためソロプレイ感はあまりない。
3人が情報量としてはちょうど良いが、4人でも面白いだろう。

お気付きの方は居ると思うが、序盤が超有利なため、最初のプレイヤーはダイスを2つしか確定出来ないというヴァリアントを加えると良いかもしれない。

プレイ時間も15分程で終わるので非常に使い勝手も良い。
10分のプレイ時間のゲームのため、繰り返し遊ぶというものではないが、「邪魔をする」ことに長けた者同士ならなかなか魅力的な時間を過ごせるだろう。

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