2018年ゲームマーケット春の新作「Alpenzian /アルペンツィアン」のレビューです。
デザイン | 福夕郎 / Wouter van Strien |
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イラスト | MATSUDA98 |
人数 | 1~5人 |
時間 | 10~60分 |
年齢 | 6歳~ |
価格 | 2800円 |
発売 | 2018春 |
予約 | https://goo.gl/forms/DjFtmR7osnDIAh4i2 |
2018春 土-D21-22 日 E55ー56
はじめに
2018年春のゲームマーケット新作のレビューのトリ(梟)にふさわしい作品です。
おそくなってすいません!
プレイ後の感想はすごいの出ちゃった!という気持ちでいっぱいに。
システムは既存のものを踏襲しつつ、斬新な遊び方がうまく調和していく感じが素晴らしい!
はじめはよくあるシステムに対して、「駒を使わずに絵を書くの?その分時間かかりそうダナー」と思っていましたがところがどっこい。
こんなに美しく、軽やかに、そして愉しくゲームに調和するとは思えませんでした。
あとはここがかなり重要なのですが、このゲーム、絵柄は見せかけでめちゃくちゃゲーマーズです。カット要素ばっちりで笑
いや、ただゲーマーズだから誰も遊べないというわけではない。
自分のことに集中して楽しくプレイする!というのも何も考えずに結果的に他人のカットも出来るし、ちゃんと得点になるので問題なし!とりあえず楽しめる。でもガチでもやれます。
あらすじ
あなたのまちはどんなまち?
すきなまちはどんなまち?
あるひ、ひつじかいのおんなのこと、まちのえきで、おてつだいをしているおとこのこが、ふたりでおはなしをしていました。
「ここにせんろをひこう!」
「だめだよ、そうしたらひつじさんがあぶないじゃない」
ふたりはなやみます
そこでおんなのこがひらめきました
「じゃあ、サイコロできめようよ!」
ふたりは、まちでひつようなものをサイコロにしていきます。
せんろや、どうぶつ、きれいなおはな、かわいいひつじ。
なんだかたのしくなってきました!
「じゃあこのサイコロをふってみよう!」
おとこのこがたのしそうにいいます
「それならでてきたものは、このかみにかいていこうね!」
おんなのこがたのしそうに、バックからかみをとりだしました
アルプスのやさしいかぜにつつまれながら
たのしそうに、ふたりはまちをえがいていきます
あなたのまちはどんなまち?
すきなまちはどんなまち?
システム
ボードに絵を描いていき、セットコレクションのような色々な条件を達成しながら自分の街を築き得点を競うゲームです。
(画像はご提供頂いたサンプル品となります)
詳細のルールは上記製作者様ページを御覧ください。
ルールはとても簡単!
まず自分のボードが配布されて
サイコロを振ります!
手番順から自分の好きなサイコロを取っていきます
例えば花びらが取りたかったので、花びらのサイコロを取ります
自分のボードのピンクのところに花びらを描きます
自分のボードのピンクのところに花びらを描いたので
花びら置き場のところのピンクのところにおきます
以後次のプレイヤーは自分のボードのピンクのところには置けません
5色のはなびら置き場に全てサイコロが置かれたらそのラウンドは終了です
ゲーム終了
プレイヤー全員のシートに空きマスがなくなった時点でゲーム終了です。
とっても簡単!しかしこのブログを見ている方はお気付きの通り、運とカット要素を多く絡むゲーマーズの作りですね笑
さて、このゲームにおいて一番重要なのは得点の獲得方法です。
得点方式については少し複雑です。
牧場ボーナス
まず、家と羊がつながっていればボーナスが入り、羊がない孤立した家はマイナス点です。
「つながっている」という表現が重要であり、これは「隣接している」というのと少し異なります。
実はここで線路が出てくるのですが、家と羊が隣接している状態で、その家が他の家と線路で繋がっていれば、その繋がっている一軒家と羊がつながっている、とみなしてOKです。
例えば家と隣接したヘクスに羊が2匹いるとしましょう。
そしてその家は線路で他の一軒家とつながっている。
この場合、家と羊がつながっているセットが2つできているとみなして良いわけです。
但し線路は2つ以上使用していないと繋がっている扱いにはならないのでご注意を
色エリアボーナス
5色の色エリアにある花のマジョリティ争いです。
各色で一番トップだった色✕2点のボーナスです。
Alpenzianボーナス
山の周りの濃い花と白い花のアイコン一つに付き1点です。
こちらは重複も点数に入れます。
住人のボーナス
白い花と家は住民が居るとしてもカウントします。
白い花は一人、家は2人のカウントです。
ボード上で一番多いプレイヤーには5点、二番目に多いプレイヤーは3点が入ります。
エクスプレスボーナス
家と家が線路がつながっていればその数分ボーナスが入ります。
2軒なら4点、3軒なら9点、4軒なら15点、5軒なら22点、6軒なら30点です。
夢があります。
これらのボーナスを計算して、得点が一番高い人の勝利です。
感想
最初はルールとマップを見て、花の相関関係が強いところからまんべんなく花だけダッシュしていれば勝てるかなと思いましたが、実は線路の比重やボーナスの得点がとても良く調整されている。
リメイク前をプレイしていないので何とも比較できないのですが、いつもながら梟老堂さんの神調整には驚かされます。というかココらへんはかなり苦労したんじゃないかな。
線路を初めに書いて置かなければ、まんべんなく書く必要がある花が邪魔してエクスプレスボーナスの条件を満たしづらくなり、このあたりの読み合いとジレンマはまさにゲーマーズ。
しびれる笑
逆にゲーマーズでなくとも楽しめるというものもグッドですね。
またこのゲームの主たるアクションの「絵を描く」というものが実にゲームとの親和性が良い。その間の相手のダウンタイムをうまく解消でき、さらに可愛く描こうとすれば手番なんて忘れて夢中で描いてしまうほどです笑
得点がやや煩雑ですが、本当に誰でも好まれるボードゲームなのではないでしょうか。
消費物というところがランニングコストとして掛かりそうですが、思い出はプライスレス。
単純に得点を残すだけではなく、どんな人が何を描いたかというのはとても楽しい思い出ですし、その人にプレゼントしてもとても喜ばれそうですよね。
あーすごいものが発表されてしまった。これは話題作になる。
得点方式に慣れればお子さんとも愉しく遊べそうですし、持ち運び便利だし、15ー20分で終わるし、パーティーとゲーマーズの中間みたいな。良いところしかない?笑
この感じはまさにキングドミノですね。ガチガチのゲーマーズより少し戦略性が伴うもの、という人にぜひ。
酒すごろくおすすめ。
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