アズール×トリテ×サイコロでしゃがむことが超楽しい!「オペレーションマスター」

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2018年秋 ゲームマーケット ゲムマ新作 ボードゲーム「Operation Master -オペレーションマスター-」のレビュー及び感想です。

 

デザイン といろ
イラスト といろ
人数 3~5人
時間 20~30分
年齢 8歳~
価格 2500円
発売 2018春 ブース2018春 日-F25

はじめに

アズールは面白い。
それはそれは面白い。
しかしアズールは実は実力差が顕著に現れるゲームであり、敬遠する方もいるのかもしれない。

本作はそんなアズールのようにやりこみ要素がふんだんに盛り込まれており、かつ、トリテのきちんとした「じゃしがみ」の楽しさを保っている。

何が言いたいかといえば、初心者でもトリテ好きでもしっかりと楽しめる作品だということ。

もちろん出目の強さもあるのだが、運ばかりに囚われず、自分の既にある手札で他者との駆け引きを熱くさせてくれる。

前前作のコロッセオバトルは好きだった。
失礼ながら、当時全く話題にならなかったコロッセオバトルだが、当ブログでは評価を高く、大きく取り上げていたように思う。

そして次回作のマギアルマは大変な人気であった。

しかしながら、マギアルマはパーティーゲームという性質上からか、オリジナリティ溢れるシステムやらが、私が期待していたものとはかけ離れたものだった。
今思い返せばパーティーゲームは好きだが、色々とルールの抜け穴が目立ち、期待し過ぎたためかもしれない。

さて、本作のオペレーションマスターはどうだろうか。
結論から言えば、コロッセオバトルで感じた、当時の独特の面白さを彷彿とさせるものだった。

トイロ氏の発想力が全面に押し出された形と言って過言ではないだろう。

確かにルールの言語で統一されていない箇所はあったが、コンテンツが面白ければ正義だ。

前書きが長くなってしまったが、システムについて話したいと思う。

システム

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基本的にはダイスとトリテ、メインシステムはアズールの取捨選択というところだろう。

最初にプレイヤーに均一の枚数になるようカードが配られる。

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そしてその配られたカードには色が分かれておりこれに対応したダイスを取って振る。

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ダイス置き場にそれらの自分のダイスを置いたらゲームスタート。

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スタートプレイヤーからカードを一枚前に出し、それに対応した色のダイスを置く。
同じ色のダイスが複数個あれば、好きなダイス目を選択して良い。

ダイス目がそのカードの強さを表す。
次のプレイヤーは必ず同じ色のカードを出さなければならない。

ここで注目したいのは、裏面でもカードの色が分かるところだ。

初心者でよくミスしがちなマストフォロー(最初に出したプレイヤーと同じカラーのカードを出す)も、カラーが全員に分かるので間違いようがない。

最初にこれは良くないのでは?と思ったが、サイコロと引き際の運が絡むために事故はなさそうだ。

もしほかの色しかない場合は好きな色を出し、他の色を出したプレイヤーはそのトリックは負けとなる。

各プレイヤーが同じ色のカードを出していき、最後にサイコロの数字が高いプレイヤーがトリックを取る(勝利)。

勝利したらカードの上に乗っているダイスで、出目を指定してそのサイコロをすべて獲得する。
例えばABCDのプレイヤーがAから順にそれぞれ1455と出していた場合、同数でもあとに出したプレイヤーが有利と判断されるため、Dは自分が出した5とCが出した5を獲得する。
この場合、サイコロ2個なので2VPが得られるというわけだ。

そして残ったAとBのダイス1と4は場の中央に置かれる。
この置かれたダイスは次のゲームで勝利した場合でも獲得できる。
例えばABCDがそれぞれAから順に1244と出した場合、4を出したDは前ゲームで残っている4のダイスと、Cの4のダイス、そして自分の4のダイスの計3個を獲得出来る。

しかし、実はこれにはルール上の罠がある。
既にVPエリアにある同じ出目のダイスしか得点出来ないのだ。

一番始めにDは5の出目のダイスを獲得している。
この場合、新たな4の出目のダイスは獲得出来ずに中央の場にいき、さらにDのVPエリアに置かれていた5の目の2個のダイスも中央の場に吐き出されてしまう。

つまり、ダイスを得た時点で同じ目のダイスしか獲得出来ないのでしゃがむ(わざと負ける)必要があるのだ。

このあたりがきちんとトリックテイキングしており、非常に楽しめる。
ややこしくなるのであえて言わなかったが、手札には数字が記載されており、色は分かるが相手の数字は分からない。
カードの強さはカードに示されたこの数字+サイコロの数値である。

これらのゲーム(トリック)を繰り返して一番トリックを取ったプレイヤーの勝利である。

さらにこのゲームには拡張でダイス目の効果が付くのだが、大味になり基のゲーム性を楽しめないので私は好きではなかった。

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今回は私がスタートで青の8+6のトリックを取れました。

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紫は負けで、青も合計8なので負けです。ダイス目6を指定します。

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場にある6の目のダイス目をすべて獲得します。

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次のトリックで5で勝ってしまいました

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げげ

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ということで5も6のダイス目も場に残します。

インタビュー

 

さけ
さけ

先ず本作品はとてもオモシロイ。
コロッセオバトルの独特な面白さが彷彿とさせるようでした。
このシステムを制作するに至った経緯を教えて下さい。
また、「トリテ」と付くだけで購入する方が居るくらい人気のテーマです。
なぜトリテを選んだかも併せて教えて下さい。

 

といろ
といろ

トリテというテーマを選んだのは何か既存のシンプルなゲームシステムを使い、
面白いゲームできないかな?と思ったところがスタートです。
なぜトリテなのかと聞かれたらたまたま思い浮かんだのがトリテだっただけです。
(いつも遊んでいるメンツとトリテをやることが多かったから思い浮かんだのかもしれません)
ダイスというシステムとトリテを組み合わせてできないかな?
と思い考えついたのがこのゲームです。

 

 

さけ
さけ

システムの調整で特に気にした点、難しかったところはどこですか

 

 

といろ
といろ

ゲームのシステムで苦労したとこは、なにで得点するかといった部分です。
最初はビット制のゲームだったりしましたが、ダイスを活かせていませんでした。
あとトリテの面白い点としてはトリックで勝つタイミングと負けるタイミングを見極めるようなゲームが
面白いと思っていて、そこをどうこのゲームに落とし込むかというところで苦労しました。

 

さけ
さけ

デザインのこだわりはどこかありますか?
数字が多い程電子回路が複雑になるところとか地味に好きです。

 

 

といろ
といろ

今回ダイスをカードの上に乗せるというところで何か機械的なイメージが思い浮かびました。
そこで電子回路のようなデザインがこのゲームと合うのではないかというところで、このデザインにしました。
実際には存在しないようなファンタジー感のある電子回路ですが、これはグラフィックデザイン制作者である僕個人でも気に入ってます。
ランクカードが制作に1番時間がかかりました。電子回路ですが、ランダム感があるようなデザインにしたのもこだわりがあります。
地味に上下反転しても同じデザインになる部分や数字ごとにデザインに差があるのもこだわりの一部です。

 

 

 

さけ
さけ

最後に一言お願い致します。

 

 

 

といろ
といろ

今回トリックテイキングという伝統的なゲームジャンルに挑戦してみましたが、シンプルだからこその難しさを一番感じました。
その中で個人的に面白いと思うゲームが作れたのは非常に満足しています。
今までパーティゲームよりなゲームを作ってきた中でこの変化は自分でも驚いてます。
だからこそ今回のゲームが遊ぶ人に受け入れられるかが怖い部分でもあり、楽しみな部分でもあります。
ぜひ遊んでみた人は感想などTwitterでつぶやいて欲しいです!
常にエゴサしてますので(笑)
何卒よろしくおねがいします!!

 

感想

初心者でも楽しめるトリックテイキングであり、トリックに馴染みのある人間も充分楽しめる。
先述の通り初心者がミスしがちなマストフォローの問題も難なく解決され、しゃがまなければならない部分が非常にトリテトリテしていて良い。
サイコロのランダム性も運に依存せず戦略で解決出来るところもGOOD。

これはもう良いとこまでいっちゃうんじゃないだろうか。
全前作のコロッセオバトルもそう思っていたが、いかんせん知名度がなかったのが非常に惜しいし悔やまれる。

しかし、今回は盤石な体制で知名度も面白さもしっかりとある。

期待大だ。

そもそも同人ゲームを大きく取り上げている場にも関わらず、数量で分があるアンケートで、一次選考システムがあまり好きではない。
2018年春なんてアンケート結果がほとんど反映されず、もうよく分からない。

だからこそ本ブログはアンケート数によって公表されない、埋もれてしまうインディーズ作品を広めたいという思いでレビューを始めた。

今ではあまり同人ゲームに触れなかった大手のブログや、たくさんのブログが多くのインディーズ作品を紹介しているので、埋もれている作品も輝きやすいとても良い環境だ。
もっと一言コメントやニュースだけではなく、ぜひたくさんのレビューを見たいところだ。

おっと、話がそれてしまった。

いずれにせよ、ゲムマという特定の箱だけではなく、ぜひ世界にもチャレンジして欲しい作品である。

酒すごろくオススメ。

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