自国発展の醍醐味をワーカープレイスメントで愉しもう「オリンパス /Olympus」

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  • 6/10
    運 - 6/10
  • 8/10
    戦略性 - 8/10
  • 6/10
    コンポーネント - 6/10
  • 8/10
    テーマ性 - 8/10
  • 8/10
    インタラクション - 8/10
  • 7/10
    プレイアビリティ - 7/10
  • 7/10
    プレイ頻度 - 7/10
7.1/10

抜粋のみを表示

総プレイ回数:5
プレイ時間:240分(インスト30分含まず)
カードの効果を一通り覚えていれば全体で30-40分短縮できると思われます。
お気に入り度:
お酒との相性:
難易度:Lv.3
推奨プレイ人数 :5人
日本語化:必要(但し一欄表があれば問題なし)
BGG日本語訳
ゲームデザイン:Andrea Chiarvesio/Luca Iennaco
想定価格:3000-5000円
受賞歴
2011 Ludoteca Ideale Official Selection Winner
2010 Lucca Games Best Boardgame

オリンパス /Olympusのレビュー・感想です。

テーマ

オリンパスの10の神々は、祈りを捧げた者に祝福を与える。
各プレイヤーは自国の発展を願い、神々に祈るのだが、祈るばかりでは戦に持ち込まれたときに太刀打ちが出来ない。
自国の軍事を整え、資源を獲得し、人口を増やし、文明を築く。
神々に祈ることを忘れぬよう・・・、信心深く・・・。

システム

自国の発展とともに得点を獲得し、得点が大きい人が勝利するワーカープレイスメント!!!(駒を置くことでそのエリアもしくはマスの効果を得る)!!!型ゲームです。

ゲームは祈願フェイズと維持フェイズの2つで構成されています。
祈願フェイズでは中央の共通ボードには10の神々が記載されており、いずれかの神を祈ることによって、恩恵を受けます。
資源が得られたり、自国ボードの文化が発展したり祈願した神々によって恩恵が異なります。

次に調整フェイズです。
自国ボードにはそれぞれ制限があり、自国ボードの制限を超えた文化や人口などを元に戻します。
調整フェイズ終了後に6枚あるボーナスカード全て獲得したプレイヤーが居た場合、そこでゲームが終了となります。
システムとしてはいたってシンプルなのですが、得られる建築カードや自国ボードによって戦略が多様化していきます。

 

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祈願フェイズでは10の神々からスタートプレイヤーが選びます。
手順としては

  1. スタートプレイヤーが神々を選ぶ
  2. 他プレイヤーがその神を祈るか決める(祈る場合は祈願ミープルを置く)
  3. スタートプレイヤーが移り神々を選ぶ

以上を繰り返して祈願ミープルがなくなった時点で祈願フェイズは終了します。
例えばスタートプレイヤーがアテネ(文化レベルが上がる)を選ぶとします。
他プレイヤーは同様にアテネを祈るかどうかを決めます。

神々にはそれぞれαとβマスがあり、スタートプレイヤーがアテネのαマスに祈願ミープルを置いた場合、文化レベルが2つ上がります。
他プレイヤーがアテネβに祈願ミープルを置くと文化レベルは1つ上がります。
βマスはαマスの半分ほどの効力だとお考え下さい。

祈願ミープルは各プレイヤーは初期として3個まで保有しています。
さらにαスペースに置けるのは祈願ミープルは1つだけです(βはいくらでも祈願ミープルを置けます)。
インタラクションとジレンマがここで生まれます。

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例えば、ABCDとプレイヤーが居たとしましょう。
Cは文化レベルの上昇を行いたいと考えています。
そのためにそれぞれの神々のαマスに置きたいと思います。
Aがアテネ神(文化レベルの上昇)を選びαスペースに置きました。
ここで、追従して祈願ミープルをβマスに置けば文化レベルは1上昇しますが、祈願ミープルは失うことになり、さらに効力はαマスの半分ほどしかありません。
それならば魚獲得をしたいので、アテネ神は諦めて他の神ポセイドン(魚資源獲得)のαマスに置こうと考えます。
しかし、次の手番でBがのαマスに置くと結局Cはポセイドンでもβマスしか置けません
それならば、いっそのことAに追従してβマスに置こうかどうか・・・といったところです。

このジレンマが楽しい笑

 

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さらに文化、人口、軍事力、資源(麦、魚、鹿肉)で構成された自国ボードにはそれぞれの項目(資源を除く)に制限があります。
例えば、文化レベルを上げればその文化に見合った建物を建築でき(建築が行える神ヘパイストスだったかな、がいます)、建物を建築すると資源がより多くもらえたり、疫病に対抗できたり、文化レベルに応じてプレイヤーが有利になる建物を建築できます。
しかし、文化レベル3以上上げるためには「学校」を建築しなければなりません。
学校を建築するには一定の資源が必要です。

 

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建築が行えるヘパイストスはαでは2つ建築出来るのに対してβでは1つだけです。
他の誰かが資源を獲得しているのに追従して、良いタイミングで建築したい、けれど祈願ミープルが足りない!!・・・にご注意下さい笑
通常の建築物カードは全員が持っているので、争奪戦にはなりません。
「通常の」は笑

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実は中央ボードには強力なユニーク建築物(各1枚の神殿)があり、序盤は全員この神殿の建築を目指します。
βマスに置いてもαの効果が得られたり、鹿肉を全ての資源として扱うことが出来たり、疫病がら逃れたり、もうとっても強力です笑

この神殿があるおかげで、プレイヤーはある程度の指針が決められるので非常にサクサクゲームは進みます。

他にも祈願したことによって疫病から逃れ、祈願していないプレイヤー全体の人口レベルが1/3に下がるアポロン神や、神々のβマスの能力いずれか2つの効力を選べるゼウス神もいます。

 

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次に調整フェイズです。
通常資源は5個までしか保有することが出来ません。
5個以上資源がある場合は、その分だけ破棄を行います。
さらに、人口レベルが5だった場合は、同じく資源レベルを人口レベルに合わせなければなりません。
そして戦争で勝取った資源を一次保管場所から倉庫へと移動します。

もし誰かが戦争の神に祈願した場合、そのフェイズの終了時に誰かに戦争を行うことが可能です。
自国ボードの戦争レベルの差分だけ資源を獲得出来ます。
獲得した資源はすぐに使うことが出来ず、一次保管場所に保管され、そのラウンドの調整フェイズ終了後に使えるようにります。
戦争→資源獲得で建築!がすぐには出来ません。
この祈願フェイズと調整フェイズを繰り返して、6枚ある栄光ボーナスカードのうち全体で4枚以上が獲得されていればゲーム終了。得点が高い人の勝利です。
栄光ボーナスカードは人口や文化等のレベルを最大まで上げると獲得出来るカードです。

プレイが進行するにつれて、建築物が増えていき、各プレイヤーの戦略の幅が増えていきます。

 

感想

5人出来るワーカープレイスメントではダントツのおもしろさ。
ワーカープレイスメントではアクションが多く、自由度が高くなる代わりに煩雑になりがちですが、神殿の建設によってある程度のプレイヤー指針が決まるので非常にやりやすい。
インタラクションもちょうどいい(過度なプレイヤーを除き笑)。
得点も分かりやすいので優劣を考慮したプレイングも出来ますし、うーん本当にこれは良ですねえ。
とりあえずアテネ神殿の「知性がないものはレベル下げろ」やアレス神殿の「戦じゃ戦じゃあああ」は怖いしつよいので建築物で抑止力にしておかないとまずいです笑

5人プレイがいちばんオススメですが、4人でもまた違ったおもしろさ、戦略の違いがあります。
説明書をぱっと見ると難しく思えますが、ルールも複雑ではなく簡単なので、あまり国内流通がされていない隠れた名作ですね。

ちなみにホビージャパンから出ているYstariのオリンポス(Olympos)とは別ゲームなのでご注意下さい。

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