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ボードゲーム「デュボン/Dvonn」のルールやレビュー及び感想です。
テンポ良く、そして飽きのこないダイナミックな展開が愉しめる2人専用アブストラクトゲームです。
はじめに
デザイン、シンプルなルール、奥深さ、サクサク展開。
ボードゲームにおけるアブストラクトゲームで気に掛けていることです
囲碁や将棋のようなじっくり時間を要するものももちろん良いのですが、長考を要するものはもう囲碁や将棋で良いじゃないかとも思ってしまいます。
そのためサクサクしたアブストラクトを好む傾向にあり、そしてシンプルなのに奥深いものに対して一種の数学的な美を感じます。
密接に関わる動作と、そしてシンプルで美しいルールはプレイしていても爽快であり、悦に浸れます。
今回のデュボンもまさにそのようなアブストラクトの一つであり、というよりもそもそもギプフ・プロジェクトのシリーズ(本作品はシリーズ化している)がそういう目的に近いのかもしれません。
デュボンはエレガントというよりも、どちらかと言えば繊細でかつダイナミックな展開が愉しめるゲームです。
ダイナミックかつ終焉を迎える光景はドヴォルザークのスラヴ舞曲/1番でしょうか。
「どーん」「どシャーン」って感じのやつです笑
高く積み上げられ周りを一掃する、このような暴君の制圧という意味なら、ショスタコーヴィチの交響曲第10番/第2楽章も適してるかもしれません。
変なリズムだし笑
うーん、書いてるとこのボードゲームの動きと音楽が重なって、頭の中がすごいことになってます笑
システム
赤いコマと繋がっていないコマが除外され、残されたコマを積み上げた時に一番高い人が勝利します。
白黒どちらかの陣営かを決めて先ずは互いにコマを配置していきます。
先手は赤いデュボンを2個持ち、後手は1個持ちます。
赤いデュボンコマを先に配置し終えたら、持ちコマの黒、白をそれぞれ配置していきます。
ここから既に戦略が始まって来るのですが、はじめのうちは全く分からないので適当で構いません。
白から先に動かすのですが、6つ囲まれている状態のコマは動かせません。
つまり、最初は端のコマしか動かせません。
動かし方はコマの上に乗っけるだけ。
敵味方問わず上に載せれます。
2個以上になったコマをスタックと呼びます。
一番上にあるコマの色が主導権を握り、そのスタックを動かすことが出来ます。
2個重なっていたら2マス、3個重なっていたら3マス直線に移動が出来ます。
重なっている数字分だけ移動しなければならず、5個重ねっていて3移動ということが出来ません。必ず5移動させます。
到着地点が空いている場合は移動できませんが、到着地点が空いていない場合、それまでの間が空いていてもその分を数えて移動ができます。
つまり、移動した場合は必ず何かのコマと重なることになります。
基本的にはこのように動いていきます。
んが、真っ赤なデュボンコマがこの動きを盛り上げてくれます。
先ず、デュボン駒が必ず繋がっていないとコマもスタックも消滅します。
繋がっている、というのはどのコマでも良いから最終的にはデュボンコマまで連なっているという意味です。
デュボンコマに繋がっておらず、孤立したコマやスタックはそれが発生した時点で消滅します。
もちろんデュボンコマがスタックとなってもデュボンコマの効果は変わりません。
つまり、デュボンコマの主導権を得るために、お互いデュボンコマの上に次々と乗せていくわけです。うわあ。
最終的にお互いパスが続いて動けなくなった時点でゲーム終了。
一番高い方、つまり主導権を握ったスタックの量が多いプレイヤーの勝利です。
はじめの配置からデュボンを自分のスタックにするために色々と考えられるのですが、これはかなり長考するので適当でサクサク配置が良さそうです。
コマが5個あっても、直線を行って8個のスタックになり、そしてまた戻るという動きも勿論できますので、移動先には常に気を配らせたいところ。
自コマ=選択肢ですから、自分で自コマの上に乗せるのはちょっと手番損ですね。
そのためなるべくスタックが高いもの、かつこのコマの数が乗れば相手は取れないし動かせないというものを選ぶと良さそうです。
例えば意図的にスタックが高い物を相手の近くに作り、その主導権を誘う。
そして移動先のコマを移動で排除して、身動きが取れなくなったところを消滅させるなどもあります笑
現時点での主導権を照らし合わせつつ、スタックの中に自コマがいくつあるか、相手のコマがいくつあるかを考えると、そのスタックを保持する優先度が分かりやすいかもしれません。
感想
積み重なり除去、最後のダイナミックな動きは可変を伴いプレイを飽きさせない。
終盤になるに連れて狭まる選択肢は、無意識の中で生まれるプレイアビリティーの向上につながっています。
良いゲームだなあ。
このゲームの感覚なら日本酒のあさ開の水神が合いそうですね。
水神は普通の辛口の日本酒のような、味はあまり残らず華やかに留まる「だけ」ではありません。
あさ開き独特の旨味と重なるようなキレがあり、デュボンのテンポの良さと、ダイナミックな動きに合うことでしょう。
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