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抜粋のみを表示
推奨プレイ人数によるプレイ評価です
実プレイ時間:90分(インストは別途15分)
プレイ人数:3-5人
推奨プレイ人数:5人
お気に入り度:
お酒との相性:
難易度:Lv.3
日本語化:不要
発売年:2018(前作は2007年)
ゲームデザイン:フランツ=ベノ・デロンシュ、トーマス・エヴァート、ケヴィン・ネスビット
想定価格:15,000円
BGG Weight: 3.11 / 5
生産、販売、売却、競りを繰り返してお金を稼ぐ、まさにミクロ経済を体現するかのようなゲームであり、シンプルで洗練されたシステムが巧みに稼働する傑作。
ここがおもしろい
・豪華なコンポーネントで雰囲気良し
・シンプルで遊びやすい
・需要、供給、生産、競り、どれも美しく紐付く洗練されたシステム
・収束する世界観がこれまた情緒たっぷり
・自由度をプライヤー間で制御するバランスの良いインタラクション
はじめに
題名は勢いで付けたものなので気にしないでください笑
今まで一番プレイを我慢していた作品です。
プレイ機会はあったのですが、自分で購入したものでやりたいと断り続けておりました。
なんという意地っ張りでしょう笑
再販のめどが立たず、一時期はプレミアム価格にまで手を出そうか悩んでおり、その結果10週年記念版が発売開始となり即ポチリ。
1万5000円でも、プレミアム価格のコンテナを買うのと変わりありませんから購入に迷いはありませんでした。
心にあるのは「やっとプレイできる…!!!」という気持ちのみ。
うれしい!ひゃっほいッ!
そして届く重量。約4kg。
やばい笑
ずっしり。
最the高。
優勝間違いありません。
そして開くコンポーネント。
コンテナ船かっこいい!!
このコンテナ船自体が500g程あるのではないかという重さ。
そしてコンテナ。
コンテナ一個ずつに個包装されている笑
このサイズの個包装は買おうと思ってもなかなかありません笑
まずコンポーネントで大満足な私です。
これでシステムもおもしろかったら最高!わーい!
→最高でした
システム
コンテナを生産し他プレイヤーから買い付け、競りや販売を行いながら進行するボードゲームです。お金=勝利点、この仕組大好き。
コンテナは5色(5種類)で、基本的にはオークションのアクションで落札したもののみ勝利点となります。
先ず各プレイヤーにはそれぞれの目標カードであるコンテナの価値カードが配られます。これによって落札したコンテナの価値が各プレイヤーによって変わります。
点数に5/10とスラッシュが付いているコンテナは5色集めると10点になり、未満だと5点です。
さらに一番多く獲得しているコンテナがあれば、そのコンテナは得点から除外されます。なんという理不尽さ笑
そしてこの目標カードは5パターンあり、それぞれ5色のコンテナが5人プレイであればバランス良く「絶対欲しい」人がいるのです。
しかし4人や3人だとコンテナの価値に偏りが生じます。
そのため私は5人プレイ推奨です。
そして拡張の仲買人も入れたほうがより経済が回りますのでこちらも推奨。
アクション前に手番準備があるのですが、拡張も含まれるためにこちらは後述します。
アクションの流れ
工場を建設して生産できるコンテナを増やし、陸送のコンテナを他プレイヤーから安値で買い付け港に置く。
自分の港に置いたコンテナは他プレイヤーが買い付けに来る。
港のコンテナの販売量を増やすために倉庫を増築すれば、自分の港にたくさんの船が停泊してコンテナを買い付けに来てくれる。
自分も他プレイヤーの港にあるコンテナを買い付けて、そのコンテナを渡航してオークションで出品する。
ざっとこんな感じかな。
オークションが一番儲かるし、手渡された目標カードはオークションで買い付けたものしか適応されないから、船にコンテナがいっぱいになれば皆積極的にオークションを行いに行く。
アクション詳細
プレイヤーは手番毎に以下の4+1(拡張)のアクションから2回行います。
「生産」「仲買人」以外は同じアクションを2回行うことが出来ます。
ただし「オークション」が行われた場合は、即座に手番を終了しなければなりませんので、どうせやるならオークションの前に何かアクションをやってからが良いですね。
工場の建設
画像一番下にある黒と白が工場です。
コンテナを生産するための工場を最大4個まで建設することが出来ます。
初めは皆ランダムに一つの工場を持っていますが建設費用が掛かります。
2個目6金、3個目9金、4個目12金が必要です。
その工場と同色の色のコンテナが生産出来るのですが、この生産したコンテナは自分で競りに出すことが出来ないので、誰かに購入してもらう必要があります。
序盤は皆さん5色欲しい訳ですから、工場は他の人と被らない色が良いかもしれませんね。
同じ色の工場は複数建設することが出来ませんので、この工場建設に手番を割くかどうかはよく吟味する必要が出てきます。
他の方が生産大国になっていれば、そこまで自分はやらなくて良いかなと思ったり、自分の得点の大きいコンテナがあまり世に出回っていないならその色の工場を増やしたり、色々ですね。
生産
工場と同色のコンテナを工場✕2個まで生産することが出来ます。
生産する場合は組合長である右隣のプレイヤーに1ドル支払います。まあちょっと意味わからないのですが笑
生産したコンテナは画像の工場の上にある商店に置くのですが他プレイヤーが購入するときの値付けが出来ます。
1金、2金、3金、4金とスペースがあり、どこでも好きな場所に配置することが出来ます。置ける数は工場✕2までです。
1金であればすぐに買ってもらえますがもとが取れるかといえば微妙です。
ただ商店で買い付けたコンテナは必ず購入したプレイヤーの港で売りに出されるので、オークションに掛けられる頻度が増えるでしょう。
プレイ注意
商店にあるコンテナの再値付けはこのアクションでしか行えないのと、その場合でも隣に1ドル支払う必要があることですね。
あとは生産数分があるなら必ず生産しないといけません。生産数を減らすのはダメ。めいいっぱい生産して経済を潤して下さい。
倉庫の建設
初めは皆一つ倉庫を持っています。
4,5,6、7とスペースに示されている金額を支払えば追加で倉庫を建設することが出来ます。倉庫を建設すれば、港に置けるコンテナが増えます。
商店でコンテナの購入
他プレイヤーが値付けた商店にあるコンテナの買い付けを行います。
商店のコンテナは陸送便なので船は要りません。
買い付けたコンテナは自分の港に置いて、2.3.4.5.6金で値付けることが出来ます。
生産と同じで倉庫にある数分だけいくつでもその2金やら3金のスペースに置けます。
この港で買われたコンテナが最終的にはオークションに掛けられますので、2金だとちょっと安そうですね。
ちなみに複数プレイヤーからの購入は1アクションで行えず、2人から購入する場合は2アクション必要となります。
そのため自分が買い付ける時も、自分の港に置く時も、コンテナが複数個あり複数種類があった方が購入してもらいやすくなりそうですね。
港に4色4個のコンテナを置けば、オークションの金額は通常よりも高値で落札されそうですね。
だってみなさんできるだけ色を揃えたいでしょうから。
仲買人への依頼(拡張)
仲買人スペースがそれぞれ1-3まであり、その仲買人スペースに位置する両隣にある、コンテナorお金を選びこれらをオークションに出すことが出来ます。
コンテナはお金で競って、お金はコンテナで競ります。
借金した人の利子や自分の商品を自分で落札した人はこの仲介人の1-3へお金を支払っていきますのでどんどんお金が膨れていきます。
逆にコンテナはお金を競ったときに仲介人スペースで増えていきます。
例えば仲介人1に10金があり、これをコンテナ2個(色任意)で入札します。
そのコンテナは入札カードの上に置かれます。
次の各プレイヤーは手番で仲買人アクションを選択すれば、その入札額+1個
以上のコンテナで入札することが出来ます。
手番開始時に自分が入札したものより高値が付かず再度回ってきた場合はそれを落札することが出来ます。
コンテナが対象の場合も同様です。
お金が競り対象の場合はすぐに獲得できますが、コンテナの場合は一旦仲介人の港に置いてから船に積載する必要があるのでちょっと手番が多いですね。
プレイ注意
落札者となった手番と、この手番でゲームが終了する場合、そして入札中である場合はこのアクションが実行出来ないことです。
航行
船の移動アクションです。
移動先でアクションが発生します。
必ず公海という架空のエリアを通して
・他プレイヤーの港
・オークション会場の島
・仲買人の港(拡張)
のいずれかに移動します。
つまりもし自分が公海で停泊していないのであれば、その場所から1アクションを消費して公海に行ってから目的の場所へ行く必要があります。
他プレイヤーの港
どっかに安いコンテナないかなー
移動後にその港に置いてある値付けされたコンテナを購入することが可能です。
自分の港には行けません。
プレイ時注意
同じ港で再度購入するには一旦公海に出なければならないということ。
つまり、他プレイヤーの港に行って購入して手番終了。
そしてその港に新たなコンテナが追加され、自分の手番になったときに「この港に停泊しているから」という理由で再度その港で購入は出来ません。
一旦公海に行って1アクション、そしてまたその港に戻って1アクションを消費して買い付ける必要があります。
一度にその港でコンテナを大量に買い付けるのはOKです。2金で販売しているコンテナなどは自分の損につながらない限り、すーぐ買いに行っちゃいます。ぶおーん。
オークション会場の島と借金
自分のコンテナ船に積載したコンテナをオークションに掛けます。
入札方法は一斉入札で、最低1枚以上の入札金を出します。
お金にはダミーが混じっており1.ダミーを混ぜたら全て0金の入札扱い、2.ダミー0金を無視した総合計の価格で入札の2パターンのルールがあるので予め決めます。
入札が同額だった場合は、さらにそれ以上の額を追加で一斉に札を握りしめてオープンします。
それでも同額だった場合は出品者が落札者を決めることが出来ます。
お金足りないじゃん!ってなった場合も大丈夫です。
借金カードを受け取ることで借金をして10金を手に入れることができます。
借金はいつでもどこでも最大2枚(20金)まで借り入れできます。
過払い金は返ってきませんので早めに返済しましょう笑
利子については手番準備で後述します。
出品者はその落札額を踏まえて、1.落札を受理する、もしくは2.入札を断ることが可能です。
入札を受理する場合は、落札者はオークション会場の島にある自分のスペースにコンテナを置きます。後にこのコンテナが目標カードの得点になります。
そして落札者にお金を支払います。
そして政府から同金額の助成金が支給されます。つまり落札額の倍が手に入るということです。インフレになっていく笑
「イヤだ!そんな安値でだれが売るかあ!」と、のたうち回りながら断ることが出来ます。
断る場合は落札額と同額を銀行に支払うことでそのコンテナをゲット出来ます。拡張ありの場合は、これを銀行ではなく仲買人に支払いその金額が仲買人の港にプールされます。
(正確には銀行に支払い、銀行から仲買人に支払われるのですが、同じことです。政府銀行は無限扱いなのでそのまま直で支払った方が手間が省けます)
プレイ時の注意
前述の通りアクションが残っていても手番は強制終了です。
仲買人の港
画像下の仲買人のアクションで獲得したコンテナを積載出来ます。
手番前準備
さて、やっと手番前アクションについて説明できますね笑
こちらは必ず手番アクション前に行われます。
借金をしていれば1枚につき1金を仲買人Ⅰ(エリア)に支払います。
2枚あれば仲買人Ⅰに1金、仲買人Ⅱに1金の計2金を支払わなければなりません。
借金の返済は自分の手番中でなくてはなりませんので、借金すると必ず利子が付くようになっています。
仲買人の競りが自分の入札額で回ってきた場合は、競り対象がお金なら支払うコンテナの数分だけ仲介人Ⅰに1個、仲介人Ⅱに1個、仲介人Ⅲに1個、全部で4個ならまた仲介人Ⅰに1個と置いていきます。
競り対象がお金なら同様にお金エリアに置いていきます。
ゲーム終了
共通のストックにあるコンテナの2色目がなくなったときにそのプレイヤーの手番で終了します。
保持しているお金、オークション会場にある島と目標カードの売価(得点)、コンテナ船にあるコンテナ1つにつき3ドル、港の商店にあるコンテナ1つにつき2ドル、借金1枚で-11ドル、以上を計算してよりお金を持っているプレイヤーの勝利です。
感想
楽しい!超お薦め。
需要、供給、生産、競りが目まぐるしく回るまさに経済のカルテット!(言いたいだけ笑)
しかしながら、プレイ半ばに示される市場価値が把握できないと値付けも?となってしまうので楽しめないかも。
指標価格がないので「いくら値付けすりゃ良いんだ?」ってなってしまう。
良いんですよ、自分で決めれば。
誰も生産できないコンテナを絶妙な値付けで値付けしてインフレを起こしましょう!笑
相場観や損得勘定大好き!って方にはドンピシャで楽しめるはず。
ゲームバランスがプレイヤーに委ねられているので、そういったことに理解ある面子同士であれば本当に最高。たまらない。
たぶんゲーマー同士であれば問題ないはず。
安値で価格を設定しようとするプレイヤーに「自分の製品に自信を持って!あきらめないで!」とか真矢みきっぽく言ってデフレスパイラルを押し留めたり、同価格で販売している他プレイヤーのコンテナに対しては自分のコンテナを「国産ですし、よく見て下さい。サイドドア付きのフルシャッターですよ。」とか訳わからないこと言ったりまあ茶番もおもしろいです笑
インフレが加速するのに銀行からの支払いがそのまま倍になるので唐突なハイパーインフレーションがやってくるときもあるので楽しい笑
勝利点になるのでハイパーインフレでも貨幣は紙くずにはならない!はず!(明察)
残念なのはランダム性が最初に配られるコンテナと目標カードくらいなことです。
これらのランダム要素は中盤の価格決定にそこまで大きな影響を与えないので、どのプレイ場面もある程度の金額の指針が固まります。
全員が経験者だと同じ値付けと競りの繰り返しになります。
まあぶっちゃけ終盤のコンテナ船にあるコンテナが3金とかルールに書いてる時点で価値は決まってるんだけれどねん!
5人プレイ推奨としましたが、慣れているプレイヤー同士なら4人でも偏りが生まれてまた違ったプレイ感が楽しめそうですね。
いやー楽しい。
値は張りますがそれだけの価値はありました。大満足。
Amazonより安い価格(中古のボードゲームや新品等)で売っている駿河屋もお薦めです。ホビー/グッズ販売 通販ショップの駿河屋
前コンテナとの変更点
BGGフォーラム FAQより
- 財務不履行ごとにコンテナを1つ押収
- ゲーム内の各色工場の数はプレイヤー人数-1
- ゲーム内の倉庫の数はプレーヤー1人につき無限から4個に制限
- ゲーム内で使われる各色のコンテナのプレイヤー人数毎の制限数
以前:プレイヤー人数✕4
現在:プレイヤー人数✕3+1 - プレイヤーごとに2枚の0価値カードの追加
- 仲買人拡張ルールの追加
- 初心者のバリアントルール排除
- 勝利点が同じだった場合の優劣は島にあるコンテナの数ではなく、プレイヤーの工場にあるコンテナの数に変更
- 生産時の左隣のプレイヤーに1$の支払いを追加。
ざっと見渡すとかなり調整が多く入っていますね。
いずれにせよ長年苦労とテストプレイを重ね、BGGフォーラムの意見を取り入れつつギリギリまで微調整を重ねた結果なのでしょう。
コンテナ数量100個→85個の変更
実際ゲームをプレイしていないとゲーム終了条件が関与するので大きな変更と思いがちですが、そもそもゲーム終了がプレイヤーに委ねられている時点で終わるもんは終わります。生産自体がすぐに行えるものですから、ゲーム終盤において各色-3個の微調整は+1人のプレイヤーがプレイして終わるかどうが延長するかしないか、でしょうか。
結論としてはそこまで神経質になることでもないでしょう。
私は85個のプレイ感は「ゲーム終了がプレイヤーに委ねられている」というシステムにおいて収束性が良く、良調整だと感じました。
キック時にはコンテナ15個追加のアドオンパックがあったようですね。
このゲームシステムの調整が大きく取り上げられる背景には、デザイナーであるデロンシュが既に亡き人だからというのも大きな原因かもしれません。ビッグシティやトランス・アメリカ等、シンプルで悩ましく、そして緻密な計算とプレイヤーバランスをこれでもかたと考慮した作品ばかり。
本当に残念で仕方ありません。
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