ボードゲーム「長江/Yangtze」のレビュー及び感想です。
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実プレイ時間: 50分(インスト10分含まず)
プレイ人数:3-4
推奨プレイ人数 :4人
お気に入り度
お酒との相性:
日本語化:不要
ゲームデザイン:ライナー・クニツィア
想定価格:3000-5000
まえがき
アローラ!
皆さんあけましておめでとうございます。
良いボドゲー初めだったでしょうか!
今回はクニツィアの長江のレビュー及び感想を記載したいと思います。
このボードゲームはその時の判断力がプレイヤー間で物を言わすゲームです。
「あのとき買っておけば良かった」や「ああ、これは買わなくて良かった・・・」なんてことは日常茶飯事、よくあることです。
このボードゲームはまさにそれ。
そこにプレイヤー間の早い者勝ち制度があるために、まさに特売セール時のスーパー。
金目鯛を手にとって、やった!手に入れた!なんて思いながらレジで会計する時「あれ、なんでこんな高いものを買っているんだろう・・・」とか・・・ああ、年始の記憶が蘇ります。
ううんん・・・・。
「悩む理由が値段なら買え、買う理由が値段なら止めておけ」
この言葉がこのボードゲーム及び購買最大の攻略法かもしれません。
テーマ
長江は古くから水上交易の盛んだった華中でも中心的な交通路として利用されてきた。
豊かな水流と恵まれた安定した天候により、10000トン級の大型船舶が国の中心部まで遡上できるようになっていた。
さらに川下にはその恵まれた気候を利用した農作物の栽培が豊富であり、娯楽品と物資の行き来の最重要拠点として長江は国の、まさにライフラインであった。
このライフラインをより巧く利用し、国へ献上できた商人を皇帝の特選商人として認められる。判断基準は金と資産。それのみである。
ここがおもしろい
- ボードゲーム上で巧く生かされた人間味あふれる早い者勝ち制度
- コンパクトでテンポが良いのにクニツィアらしいとにかく痺れるジレンマ
- インスト楽で早く終る。ボードゲームの良さの一つはこれに尽きる。
インスト時に気をつけたいこと
今回インストをして下さった方からGPの日本語版はルールミス及び誤植があるとご忠告を頂いておりましたので下記に簡単にまとめておきます。
・皇帝タイルの効果で「手元に隠してある商品タイル1点につき1金を支払う」は公開する必要がない(このためプレイヤー間での紳士的なやり取りが必要となる)
・皇帝タイルの効果で「既に場に出ている皇帝タイルを利用することが出来る」というのは誰でも好きなものを選択(重複可、時計回り)
・初期手札として引いたタイルは公開しないよ!
・全員がパスしたらそこでゲーム終了だよ!
一応そのときにお伝え頂いたものは一通り記載したと思いますが、もし過不足等が御座いましたらご指摘下さい。
2017/01/25 Twitterでご質問いただいたので追記いたしますね。
システム
セットコレクション+競りのシステムです。
お金がそのまま得点になり、さらに大きな得点源をお金で競ります。
効率よく軍資金を貯めて、得点源を低価格で落札していきます。
軍資金と得点源にはそれぞれセットコレクションボーナスが付きますので、このセットコレクションの狙いが他プレイヤーと巧く被り熱い競りが生まれます。
それでは、初めは30金と資源2個からスタート。
アクションは全部で順番に2つ!単純明快です。
1. 物資を売る
2. 商品を買う
上記のアクションは必ず1.2の順番で行わなければならず、前後してはなりません。
持っている物資は1つの売却では何もないのですが、他の物資との組み合わせ売却によってセットコレクションボーナスが発生します。
例えば高級品1つなら5金、2つなら15金、3つなら25金、4つなら40金、5つなら60金です。
商品を購入する場合は、川下だと4金、川上だと10金と大きく差があり、欲しいものを出来るだけ安く、他プレイヤーより先に購入することが肝心です。
購入した後に川からタイルが取り除かれて、そして川下へ商品が送られます。そのため今まで高かったタイルも次回から安く購入出来るようになります。
そして川上に新しいタイルを袋から取り出してランダムで追加します。
このときに商品タイルであればそのまま川に流して次プレイヤーになるのですが、城タイル、皇帝タイルが出た場合はさらに+プラスして特殊アクションがタイルを引いたプレイヤーから行われます。
皇帝タイルはそれぞれ勅令としてその場で全員に効力を発揮します。
例えば城の保持数によって収入を得たり、逆に所有物の数に比例してマイナスを喰らったりとさまざまです。その時々のプレイによって効果が異なるので一長一短です。
次に城タイルです。
城タイルが出たらそれを引いたプレイヤーから順にその城タイルを競りにかけます。
パスはハードパスとして扱われ、参加したプレイヤーは一度発言した金額からさらに上乗せすることが可能です。
城タイルは大きな得点源となり、こちらも他の城との組み合わせによってセットコレクションボーナスが付与されます。
このセットコレクションについてはマジョリティとなっており、揃えたとしても1位、2位で得点が異なります。
また、黒点の数が低ければ希少価値が高いものとして扱われ、同着で揃えてもその希少価値が高いものを持っているプレイヤーが順位が高いと評価されます。
確か四種類五枚で二十枚。緑が集まりづらいですね。
皇帝もしくは城のタイルを引き、効果を終えたらまたタイルを引きます。
このとき同様に皇帝もしくは城を連続して引いた場合、また効果が引いたプレイヤーから発動する。
プレイヤーで特殊アクションが行えるカードがあります。
ほとんど1度きりしか使えません。
左から3番目の出稼ぎお姉さんは、一度だけ20金を得ることが出来ます。しかし、30金の借金を背負うことになります。
こちらは使わなければそのまま30金が得点になりますので、使うか使わないかはプレイヤー次第。
一番遣いたくないのはおじさま。10金しか得られないのに30金の借金・・・。うーん笑
他は2枚買える、0金で買える、一気に売れる等でしょうか。
使うと裏向きになります。哀愁漂いますね・・・。
ゲーム終了
皇帝が12枚出るか、全員が売り買いのアクションでパスした場合はそこでゲーム終了。
皇帝が出たらメインボードに置かれるので、あとどれくらいで終えるかの判断材料に(ほとんどならない)なる。
実際は城が全て引かずに皇帝タイルが出てゲーム終了なんてこともあるようですので、このあたりは場の展開が毎回変わりますので何とも言えません。それがまたおもしろい。
感想
クニツィアらしい痺れる競りでしたがコンパクトに留めている本作。
コンポーネントも分かりやすいし、インストも楽。
分かりやすく、そしていかに充実した内容のボードゲームにするかというのは、デザイナーの力量かと思われます。
とにかく重くて、コンポーネントが充実していてフィギュアがついてりゃ最高、というのもまた一つの愉しさではありますが、いかにプレイ側に負担をかけずに楽しませるか、そういった努力もまた一つのボードゲームの愉しさであり、購入する理由の大きな根拠にもなるでしょう。
40-60分のミドル級としては若干(本当に少し)の物足りなさと、初期の競りの相場が不明瞭なのは否めませんが、「競り」が好きなら是非プレイをお薦めします。
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