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ボードゲーム グランドフロアのレビューやルール、感想です。
ゲーム性が異なるほどの大きな変更点はないかと思われますが、第一版のルールのため参考として御覧下さい。
はじめに
もくじ
最初にやったときはあんなに面白かったのに、というボードゲームは皆さんありますか。グランドフロアの第二版が発売された時、おお!もう一度やろうとプレイ欲が高まったもののゲームが終わると「あれ?なんか違う」という感情。
特に一万超えっていうものだから、その値段として再リプレイしたのが良くなかったのかもしれません。
ボードゲームって、キャラクターを育成する要素があるんですよ。
実はそれがプレイヤー自身で、リプレイ性の高さは「プレイヤー(私)を育てている」ということに繋がると思うんです。
次はもっとうまくやれる、こんな方法がある、って感じのやつ。
なんだかグランドフロアはそれが見いだせず、感想では価格帯と照らし合わせると久しぶりの厳し目評価となってしまいました。残念。
システム
有限な資源を費やして拡大を行う古典的なワーカープレイスメントです。
起業家となり、限り有る時間の中で、従業員の雇用、製品の向上、マーケティング、販売、グランドフロアから企業成長を効率的に行い、最も有名な(名声点の高い)企業のCEOになったプレイヤーの勝利です。
ゲームは3ステージ3ラウンド5フェイズで構成されています。
フェイズは「収入の受け取り/従業員の雇用/業務計画/業務実行/再編成(次ラウンドの準備)」があり、プレイヤーは複数回アクションを行うことが可能です。
最初のうちはちょっととっつきにくい構成ですが、一巡すれば直ぐに慣れます。
収入の受け取り
このフェイズで収入を得ます。
従業員数が少なければ収入を多く貰えます。
つまり、従業員数が多ければそれだけ企業成長が臨めますが、定期収入が減るために個人ボードに応じて適切な従業員を雇わなければなりません。
もちろん、従業員を解雇して定期収入を上げるというなかなか現実的な方法もあるのでいろいろな意味で辛いです。
もし従業員にお金が支払えなかった場合はこの時点で従業員を解雇して時間マーカーを3つ捨て、CEOマーカーを一つ下げます。
最初は全員CEOマーカーが1段目なのでそんなことは起きませんが、ある程度企業成長すればワーカーを雇わなければならず、5人雇用していた場合はこの時点で3金を支払わなければなりません。
業務実行でお金が増やせる機会があるのでワーカー賃金<収益を常に意識して行動しなくてはなりません。辛い。
従業員の雇用
このフェイズで従業員を雇用できます。
評判トラックの順番で、雇用価格が変わる求人市場に応じたお金を支払い雇います。
求人市場は雇用すればするほどその数に応じて需要が多いとみなし、雇用価格が高くなります。
この時注意しなければならないのは、このワーカーが直ぐに利用できないということ、評判トラックの順番から雇用していき、一巡してまたプレイヤーが望むなら再雇用できるということです。
前手番が雇用すると雇用価格が高くなるので、後手番になればなるほど雇用価格に注意が必要です。ワーカープレイスメントとしてもちろん業務実行できるエリアは先着順であるために、高い雇用価格でも仕方なく雇用しなくてはならない時があります。
業務計画(メインボードアクションの予約)
時間マーカーを利用して、コストを支払うことで業務計画を行います。
次の業務実行における「予約」みたいなものですね。
時間マーカーは雇用する数に応じて受け取ることが出来ます。
評判トラックをの順で時間マーカーを自分の個人ボードもしくはメインボードに置いていきます。
時間マーカーはプレイヤーによって数が異なる場合があるので、一人のプレイヤーが連続して置くことが可能です。
この時注意しなければならないのは、個人ボードに時間マーカーを置いた場合や個人ボードの改装によって得られる効果は即時発動します。
時間マーカーの数によって他プレイヤーがどこへ何に使うのかが非常に分かりやすいため、手番のカットも行いやすく、そしてかなりカツカツなために効率さが求められます。
この計画では個人ボードの効果は個人店舗、要するにほか企業の関わりがないのですぐに実行が可能です。
このボードゲームの勝利方法はこの個人ボードの成長にあると言って良いでしょう。
また、ゲームの命題通り、グランドフロアからビルを成長させ、テナントを改装させることが直接の勝利点に繋がります。
また、個人ボードの設備拡張は後半になればメインボードと遜色のないほど強くなります。
そのためいかにメインボードに影響を受けない程の強さを他プレイヤーよりも先に増築できるかというところが重要となります。
業務実行(メインボードアクションの実行)
時間マーカーを置いたメインボードの業務を行います。
メインボードにあるアクションの解順と手番順が非常に重要となってきます。
理由としては、このメインボードのアクションで資源が増えたり、資源を消費しなければ行えないアクションがあるためです。ご利用は計画的に。
基本的にメインボード左のアクションから解決していき、さらに評判順で解決します。
コンサルティング会社
業務計画でお金を消費し、ここへ時間マーカーを置いたプレイヤーは10情報を得る機会があります。
但し、もしここへ他プレイヤーもしくは自分の時間マーカーが置いていなければ10情報を得ないままそのマーカーを手元に戻さなければなりません。
例えば最初に2列ある1段目左上に業務計画で時間マーカーを置きましょう。
置いたマーカーは業務実行で右列に移ります。
次のラウンドで誰かが業務計画で先程自分が置いたところへ時間マーカーを置かなければ業務実行では何も置きずにそのまま駒が戻されます。
まあ情報は次の広告代理店(手番順決め)のアクションで利用するので、1段目に置かれないということは少ないです。
2段目、3段目では予約で必要なお金は少ないのですが、実行される機会がそれだけ減ります。2段目でも成功するかどうか急に不安になります。
上の画像では誰もそのラウンドで左列に置かなかったので全てパーです笑
広告代理店
ネット、紙媒体、放送をの3箇所を利用して企業の評判(手番順)を高めます。
先ず業務計画でここに置くために消費する資源は1金と1情報です。
そして業務実行は3箇所のどこへ置くのかを「業務計画で一番最後に置いたプレイヤーから」決めます。
置くときにさらに追加で資源を払うのですが、ネット<紙媒体<放送の順で払う資源は多くなり、また、業務実行が行いやすくなります。
時間マーカーが置いてある数の条件によって、評判マーカーを1つ上げます。
ネットなら3つ、紙媒体ならに2つ、放送なら1つの時間マーカーを最低でも置かなければなりません。
さらにマジョリティのボーナスがあり、3箇所それぞれで一番多く時間マーカーを置いているプレイヤーはさらに一つ評判マーカーを上げることが可能です。
マジョリティのボーナスは業務実行が出来なくとも発生します。
例えば紙媒体に時間マーカー(青)を一つしか置いておらず他プレイヤーのマーカーがなかった場合、紙媒体の業務実行は行われませんが、ボーナスは発生して一つ評判を上げることが出来ます。
「業務実行で評判の上昇に関与した時間マーカー」は全てストックに戻します。
業務実行で達成されなかったマーカーはそのまま残ります。
特殊な要件ですが、先述の青のマーカーはボーナスでしか上がっておらず、業務実行では上がっていないのでそのまま残ります。
販売ボーナス
業務計画は特に行わず、業務実行で自動処理されます。
最下位のプレイヤーを除く、評判トラックの順に各プレイヤーは販売ボーナスを選択します。ボーナスは即座に適用され、各ボーナスは先着順でしか受け取れません。
・次のラウンドに使用できる時間マーカー1つ
・2情報
・2金
・1供給駒
・1金と1情報だけで1部屋の改装
いかにこのボードゲームは手番順が重要かが再確認できるボードゲームですね。
ただでさえワーカープレイスメントは手番順が重要なのに、システムでそれを拍車を掛けています。
前述の通り部屋の改装が直接の勝利点となりますから、その前の広告代理店の手番戦争が苛烈します。
倉庫
個人ボードに保管する木材の供給が行われます。
業務計画でお金か情報のいずれかのコスト(組み合わせ不可)を支払い時間マーカーを置きます。
業務実行で隣に置かれた木材を受け取るのですが、この時、個人ボードに保管できる場所や数が合わなければ受け取った木材は破棄しなくてはなりません。
工場
次のメインアクションの小売店で販売する商品を製造するために業務計画を行います。
2金、2情報、個人ボードから1材料駒を支払って時間マーカーを番号順で空いているマスに配置します。
そして業務実行では小売店に自分の時間マーカーを移動させて、空いているマスへ自分の商品の値付けを行います。
値付けたものが売れるかどうかは次の景気予測で判断します。
景気予測
業務計画では特に何もしません。
景気予測カードを表にします。
このカードによって小売店で購入される数や、次回の雇用価格が決まります。
裏側には好景気や、不景気などが記載されているのである程度予測は可能です。
小売店
業務計画では何も起きませんが業務実行で自動で行われます。
景気予測で購入に来るエンドユーザーの数が決まります。
3人なら3つの時間マーカーしか売れません。
エンドユーザーは評判が高い会社(手番)順でかつ安いものから購入していきます。
この時点で売れ残った時間マーカーはさらに安くなり、次のラウンドで購入の機会を得ます。
上の画像では三人が時間マーカーを置いていますが
結局来たユーザーは二人なので、手番順から青はお金を何も得ずに終わります。損だけです。
このあたり運ですが、まあ後は殆ど完全情報ゲーなのでこれくらいのスパイスはあっても良いのではないでしょうか。
とりあえず安くしておけばマーカーの数の割合から「このくらいは売れるでしょ」と予測できます。
まあ2人は来るだろうと予測したら一人しか来なくて損しか起きない、というのがたまにありますからここはかなり笑える要素です笑
建築会社
個人ボードのビルの増築や改装などを行います。
建築における業務計画のコストは4金と4情報です。
階層コスト
A:1階層:はじめから各プレイヤーが持ち合わせています
B:2階層:コスト4金+4情報
C:3階層:コスト6金+6情報
D:4階層:コスト8金+8情報
E:5階層:コスト10金+10情報
F:6階層:コスト12金+12情報(ゲーム終了条件)
G:7階層:コスト14金+14情報
テナント:1金1情報です。
また、それぞれ条件があり、時間マーカー1つにつき購入できる階層は1つだけであり、同じ階層を複数購入する事はできません。
また、各ステージ毎に増築できる数が異なるので注意が必要です。
再編成フェイズ
主に次ラウンドの調整を行います。
・個人ボードの時間マーカーを取り除く
・解雇
・時間マーカーの補充
・販売ボーナスのリセット
・材料駒の補充(材料駒1つずつ)
・評判トラックの調整(全員1マス左に移動)
・求人市場マーカーの調整
・景気予測カードの移動
・ラウンドマーカーを右に1マス進ませる
ゲームの終了
再編成フェイズに移行する前に、ラウンド9の業務実行フェイズが完了、もしくはプレイヤーの誰かが五階建てのビルを建築した場合はその時点でゲームが終了します。
名声点は3金と3情報1セットにつき1名声点、改装した部屋、増築したテ ナント、階層、業績の合計です。
最も名声点が多いSEOが勝利します。
同点の場合は最も評判の良かったSEOの勝利です。
感想
硬派なワーカープレイスメントと言うと語弊があります。
何方かといえば、手番順に強烈なインタラクションを集中させたボードゲームのため、一手間違えれば逆転のチャンスがなく、救いようのない事態が招かれます。
基本的には私はこういったボードゲームが好きなのですが、このボードゲームの辛さは少し別のところにあります。
というのも資源の利用方法がかなり限られており、自頭の良さとか、その人が持つプレイングとか、プレイヤーの個性を潰してしまいかねないシステムだと感じました。
逆を言えばあからさまに効率的な方法が火を見るより明らかなため、誰でも分かりやすく、あまり考えずにプレイ出来ます。どう考えても、どのプレイヤーも選択肢がそれしか残されていない、それしか最適解がない、という状況が頻繁に起こりえます。
ボードゲームにおいて「そんなプレイングがあったのか」「そのやり方はうまい」など、感心させられる他プレイヤーの刺激が、一番と言っても過言ではない魅力だと私は思っております。そういった魅力があまりこのボードゲームでは見出だせなかった、というのが感想です。
後半ではどうしても作業感が付きまとってしまうためなのかもしれません。
そして、あまり皆さんこういう話題を公にしたがらない話だと思いますが、正直に言うと価格相応のボードゲームではないと感じました。
特にこだわりのシステムやギミックがあったり、コンポーネントが多いわけでもありません。
おもしろいのですが、その面白さに見合った価格ではないのでは、というのが正直なところです。
需要と供給、ロット数等色々あるとは思いますが、やっぱり一万超えは躊躇しちゃいますよね。
私はしちゃいます。
1万を超えるとなると、それに見合った面白さがそのボードゲームにはあるのか、とひどく気にします。
第一版は求めやすい価格だったので残念ですが、昨今流行りの重い=高いという価格設定が出来上がってきているのでしょうか。
ちなみに海外の直販価格は$75.00で、店頭やWEBでもセールはよく行っているのでもちろんこれよりは安いですね。このライン以下が適正な気がします。
まあどんなに高くても自分が面白ければ値段なんて関係なくなるんですけれどね!
もし第二版のシステムが第一版と大きく変わりがないのであれば、価格相応の満足度はないかもしれません。
厳し目な評価となってしまいましたが、あくまでも初版を基に評価したものです。
第二版はきっとより面白い調整がなされているに違いありません。
機会があれば比較レビューしていければと思います。
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