はじめに
パッケージがとても残念。
パッと見て人狼や正体隠匿系の類に見えてしまう。
しかしながらゲームマーケットの公開情報を見ると、なかなかユニークなシステムでおもしろそうでした。
そしてやってみると、何これ、とってもおもしろいじゃないですか!
手札管理による動的システムが巧く価格変動へ絡む絡む株ゲーム。
カード切り捨てによるボーナス化など、プレイ感がなんとなくマネーのクニツィア先生を彷彿させるような(こんなこと言うとファンに怒られそうだけれど)ところがある。
良く出来ているゲームです。
まあとにかく、まったくパッケージのイメージと違う。
こういう間接的に相場を操作する株ゲーが好きな人は多いのに、そのターゲットをパッケージから完全に切り離してしまっている
逆に人狼とか正体隠匿系などのダークな印象でやろうとすると、株ゲーのため、そういう人たちにマッチしない。
そしてテーマがなんか暗い。
狼少年が村へ復讐するために動物を怒らせて村を襲撃させるというもの。
いや、これはこれで嫌いじゃないのですが笑
テーマやパッケージからの期待値が低かったせいもあるのかもしれませんが、実際やってみておもしろい。何度もプレイしました。
もうちょっと話題になって(欲しい)良いゲームです。
システム
市場の変動をロンデル移動で行い、セットコレクションを目指して手札を回収する株ゲームです。
それぞれプレヤーは手札を持ち、5つのフィールドを時計回りに移動します。
手札からカードをプレイするとその対応した場へ移動します。
例えばワニを出せばその場にいるところからワニに対応した沼(同色)へ移動します。
移動する前にそのワニカードを元居た場所へ置きます。
移動後はその場所から移動した数分だけカードを獲得できます。
2マスだったら2枚をその到着したフィールドにあるカードを手札に加えます。
誰かが捨てたカードを誰かが拾う、という操作が実に良いシステムで後述する株価変動と見事に噛み合っています。
そのフィールドにカードがなくなったら即3枚補填です。
最高は4移動ですね。
白のプレイヤーはネズミ(緑)のマスからくまのマス(青)までカードを出して移動させると
時計回りでぐるっと一周するので こんな感じで紫→赤→黄→青へ4マス移動します。
このような操作を繰り返して手札を補填していきます。
ゲーム終了までに手札に残っているカードが得点になります。
このカードは投石場にあるカードの数で点数が変動します。
どのように投石場で変動させるかというと、フィールドの一つである川(青)へ通るか移動して止まるかをした場合は投石(投資)アクションが行えます。
黄色の手のマークがあるところですね。
手札から好きなカードを1枚を投石場に置くことで、カードの価値が変動します。
この投石場に同じ種類が5枚揃うか山札が尽きたらゲーム終了です。
それまでは常に相場が変動していきます。
同じ種類のカードを3枚目に出したプレイヤーは手札から相場が下がりそうなカードを1枚選んで、それを+10点のカードとして裏向きで獲得することが出来ます(以降は使えません)。
また、5種類のカードはそれぞれ枚数が異なり、投石場で同数の場合は枚数が少ないほうが順位が繰り上がります。
枚数が少ない動物は希少価値が高いので順位が上の扱いというイメージ。
ゲーム終盤になると周りは価値の低いカードだらけになって、誰しもがエリア移動に二の足を踏みます。
上の画像ではネズミはマイナス点になりそうなので皆んなネズミを捨てて移動していくのですが、そのためどのエリアにもネズミがいて取らなければならない羽目に。
そのために0移動があるのですが、価値の高いカードだとなかなか使えない。
このジレンマが終盤にかけて巧く効いてくる。
さらに最初は枚数が低く価値の高い動物カードが上の順位でしたが、ゲーム終盤になると枚数が多く価値の低い手札のカードをなんとかしなくてはいけないので、みんな順位をあげていく。
そこでけっこうな番狂わせが起こるのでかなり笑えるのと、みんなマイナス点になるカードを取らないよう手札に同一エリアのカードを持ってパスし始めます。
最後の得点計算は一位10点の三位から四位は0点ということはざら。
なかなかシビアです。
しかし、しっかりとしたジレンマとプレイヤー間による株価変動が最後まで続き愉しめます。
感想
これはおもしろいですよ。
先日のボードゲームブロガーたちのぶうねん会でも好評でしたし、20分で手頃に楽しめるので自然とプレイ回数も増えます。
そこまで話題になっていないのですが、プレイした人たちからは好感触のようですし、機会があればぜひ遊んでほしい作品です。
参加か出来なかった、もしくは買い逃した方は同人ボードゲームのラインナップが豊富にある通販ショップの駿河屋がオススメです。
コメント