唸るほどの絶妙な駆け引きとチキンレース「スパイリウム/Spyrium」

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  • 6/10
    運 - 6/10
  • 6/10
    戦略性 - 6/10
  • 5/10
    コンポーネント - 5/10
  • 6/10
    テーマ性 - 6/10
  • 7/10
    インタラクション - 7/10
  • 8/10
    プレイアビリティ - 8/10
  • 8/10
    プレイ頻度 - 8/10
6.6/10

抜粋のみを表示

総プレイ回数:2
実プレイ時間: 90
プレイ人数:2-5
推奨プレイ人数 :3
お気に入り度
お酒との相性:
日本語化:不要
発売年:2013年
ゲームデザイン:アティア, ウィリアム
想定価格:4000-6000
補足:BGG 6.9レート

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テーマ

現代とは異なる蒸気文明、そこに「スパイリウム」という万物全ての錬金に関わる希少物資があった。
スパイリウムはその特殊な製造や入手等において、私企業と国との軋轢が広がる大きな要因であった。
そこでこの世界では国や有名私企業、はたまた個人まで、このスパイリウムを用いて誰が世界に貢献出来るか、三世代の時代で競技を行う。
勝者は次の競技までスパイリウムを取り扱える資格を得る。
つまり、この世界の実質上の指導者となるのだ。

今回、プレイヤーはそのスパイリウムの取り扱いを賭けて勝負することとなります。
工員を雇い、工場を建設し、特許を取得し、競りのようなシステムでスパイリウムの物流を整えます。
ときには特殊なコネクションを利用する必要もあるでしょう。
スパイリウムを含めた企業価値の総合点が高いプレイヤーの勝利です。
(毎度のことながら脚色が多く含まれております笑)

 

ここがおもしろい!
  • 安定感があり60分で満足度の高いワーカープレイスメント
  • チキンレースのような独特なカードの入手方法に、相手の手番でもワクワクする
  • ラウンド毎に盤面が変わるので何度も愉しめる依存性が◎
  • 3段階のジレンマとジェットコースターのように終わるゲームの収束
  • 緑のキラキラしたスパイリウムの駒が雰囲気としてなんか良い笑
インスト時に気をつけたいこと
  • 建物で1度きりのイベント効果(ターンイベント)のあるものとラウンド毎に使えるものがある
  • 使用したスパイリウムやミープルは小箱に戻したりすると便利です
  • イベントチップは各使者へプレイ人数-1が置かれます
  • 建物は改築(上書き)する場合は-3金で建てられます

システム

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特にこのゲームで面白いシステムは欲しいアクションカードの入手方法です。
このゲーム、ワーカーを配置→次の手番で入手出来るのですが、もちろんみんな強いアクションカードは欲しいわけで、強いカードの周りにたくさんのワーカーが群がります笑
その置いたワーカーを取り除くことによってカードが入手出来ます。
そして、ここぞというときにそのアクションカードを落札するわけなのですが、周りにあるワーカー(-自分の置いたワーカー)=落札金額になるのです。
ワーカーがたくさん群がり高い!買えない・・・というとき、実はそのアクションカードにある自分のワーカーを取り除くことによって、周りにあるワーカー(-自分の置いたワーカー)分のお金が得られます。
つまり、「この人は本当にこれが欲しいのだろうか・・・待っていたら取り除いてくれるかも・・・」という駆け引きが愉しめます笑

6ラウンド後に最も企業価値である勝利点のあるプレイヤーの勝利です。

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スタートプレイヤーから時計回りでアクションを行います。
このとき、フェイズが1→2とあり、フェイズ毎に行えるアクションが異なります。
フェイズを1→2に移動するのも1アクションであり、2に移動した場合はもう1に戻れず1のアクションを実行できません。
つまり、前述した「アクションカードを入手」するには2フェイズに移行しなければアクションが行えず、しかしそのアクションを行うために欲しいカードの周りに置くのはフェイズ1のため、【強いカードの周りには必ず満遍なくワーカーが群がります笑】

アクションカードは3×3のタイルのように形成され、全部で9枚。
フェイズ1で欲しいカードの周りには満遍なくワーカーを置きたい。
どうしても欲しければ、ワーカーを置いて1アクション、フェイズ2に移動して1アクション、カードを入手して1アクションが最短です。
【しかし、フェイズ2のアクションしか行えない】ので、結局強いカードにワーカーが群がる笑
よく出来ている・・・。

アクション

フェイズ1:配置フェイズ

・労働者駒の配置
・ターンイベントの使用
カードを横にしてアクション行うことをターンと呼んでいるみたいです
・フェイズ2に移行する

フェイズ2:発動フェイズ

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・お金の獲得
3*3の配置されたアクションカードからワーカーを取り除くことにより、お金を得ることが出来ます。周りにあるワーカー(-自分の置いたワーカー)=得るお金となりますので、前述した通り他プレイヤーとの駆け引きが熱いです。

・カードの発動
3*3のアクションカードの中にはカードの獲得ではなく、アクションの発動を行える人物カードがあります。人物カードを発動するには、自分のワーカーを取り除き、カードのもともとの支払いコスト+周りにあるワーカー(-自分の置いたワーカー)分の金を支払います。
人物カードはそのラウンド中にあれば何度でも使用可能です。
自分以外のワーカーがいなくなれば、人物コスト以外は無料で人物カードの効果を発動出来ます。

 

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・ターンイベントの使用

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・建物や特許技術の使用
建築物や特許技術の効果を得ます。
建築物や特許技術は使用していないワーカーを利用したり、スパイリウムを使用したりいろいろな効果条件があります。

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・パス
最終的に全プレイヤーのパスが続けばそのラウンドは終了します。

ラウンド終了時、残っている3*3の中央のカードは破棄され、アクションカード山札を新たに配置します。そのときにアクションカード山札Ⅰが無くなればⅡから3*3を補填します。
Ⅰ-Ⅲまでのアクションカードの山札があり、ゲーム終盤までスリルある展開が愉しめます。こういった最後の促しまで本当によく出来ています・・・。

 

感想

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フェイズ1で相手の動向を見定めつつ、ちょうどいいタイミングでフェイズ2に移行する駆け引きと、アクションカードの効果を得るためのジレンマが非常にマッチした素晴らしいシステムです。
特に手番を意識した戦略がおもしろく、アクション自体もすぐに終わるので相手のプレイを見てて飽きることがない笑
「わ!フェイズ2に移動された!」なんて感じです笑

文字も殆ど無く、アイコンだけで視認出来る。
最近はアイコンばかりに頼ってしまい、逆に整合性が取れずに分かりにくくなってしまったボドゲもあるのですが、これは非常にシンプル。ターン効果は一度きりのアイコンは欲しかったのですが笑

3*3、最大9つの選択肢が素晴らしいですね。
フェイズ1でワーカーの配置先からの情報を見て、フェイズ2の発動もしくは入手カードを考える感じがなんとも程よい読み合いに繋がります。

資源をスパイリウムのみに絞った点も分かりやすいし、それなのに熱い、いや、それだから熱い駆け引きに集中出来るわけですね。
これが3時間級だと少々だらけてしまいますが、時間も1時間程で本当にスッキリしていてたまりません。

ワーカープレイスメントである炭鉱讃歌と規模感は同じくらいなんだけれど、こちらはまた別のワーカープレイスメントの醍醐味が味わえます。
スパイリウム、お気に入りになっちゃったかもです笑

スパイリウムは品薄のため中古のボードゲームや新品等で売っていることもある駿河屋もお薦めです。ホビー/グッズ販売 通販ショップの駿河屋

コメント

  1. 匿名 より:

    ルール解説ありがとうございます。
    「ターンイベント」というのは毎ターン公開されているターンイベントカードの上にディスクを置いて使用することで、カードを横倒しにする行動(タップ)とは別だと思っていました…。建物効果はフェイズ1でも使えるんですね。
    フェイズ移行するにも1アクション消費することも知りませんでしたし、技術カードは常時発動かと思ってました。お恥ずかしい。
    ぜんぜん違うルールで遊んでいたみたいなので次回また遊んでみます!良いボードゲームライフを!

    • sakesugoroku より:

      面白いボードゲームですがかなりルールが難解ですよね笑
      ぜひ楽しんで下さい!


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