バッテイングしたら奪ってしまえ!! 「ヨコドリJEWEL」

 

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短時間で盛り上がるバッティングゲーム。ゲームマーケット 2017年春の新作ボードゲーム「ヨコドリJEWEL」のレビュー及び感想です。

デザイン 奥空 武志
イラスト 奥空 武志
人数 3~5人
時間 10~15分
年齢 8歳~
価格 1000円
発売 2017春
予約 https://goo.gl/forms/TgO9Snzvg1nz7LqP2
ヨコドリJewel | 『ゲームマーケット』公式サイト | 国内最大規模のアナログゲーム・ テーブルゲーム・ボードゲーム イベント
ヨコドリJewel | 国内最大規模のアナログゲームイベント『ゲームマーケット』公式サイトです。

2017春 I18 体験卓あり
※写真はサンプル品のため、実際にはカードに角Rが付いております。

はじめに

ミドル級から大箱のボードゲームの中には、バッテイング要素がしばしば存在します。
ブルームサービス、同人ボードゲームならXing(バッティング)が有名ですね。
途中、合間に行われるバッテイング要素はアクションのスパイスとしてゲームを盛り上げてくれます。
逆にバッテイングが中心になると、単調に感じてしまうためにさらに強い「スパイス」の追加が必要です。
このボードゲームはそこに「ヨコドリ」というアクションが追加されました。

システム

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4人「もっとヨコドリルール」でプレイ。
宝石を並べて1-4が書かれたカード4枚を手札として各プレイヤーに配布します。

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欲しい宝石が書かれた番号と該当するカードを裏向きで前に出して、一斉にオープン。
被らなければ宝石を獲得できます。

被った場合で、かつ相手より宝石数(勝利点)が少なければ、相手が持っている好きな宝石1枚をヨコドリ出来るというシステムです。
ヨコドリされる人、されない人の条件があるのですが、プレイすれば慣れるレベルです。

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獲得した宝石はその点数以外に、同じ種類や、それぞれ別々の種類でボーナス得点(セットコレクション)が加算されます。
宝石がなくなった山札からその箇所へ表向きに補填して、これを繰り返します。

このゲームのミソはヨコドリシステムもそうなのですが、実はターン終了時にあります。

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ターン終了時からターン開始の間(宝石を補填する前)に、利用した手札(宝石を獲得した場合に限り)は場に置かれます。
場に置かれたカードは次のターン利用できません。
そしてその次のターンで利用した手札(宝石を獲得した場合に限り)も横に置かれて、前回利用したカードはそのままその隣(左側)に移動させます。
そのため次のターンで使える手札は2枚、つまり選択肢が2枚しかありません。

この場合、選択肢がかなり狭まりますから相手から読まれやすい展開になります。
逆に宝石が少なければヨコドリされる恐れがないので堂々と獲得に行けるわけです。
かなり強い読み合いが何度か発生します。

これはワンナイト人狼のような愉しさの読み合いですね。
「手札が3.4だから、得点の高い3にするのかと思ったよー」
「うん、それを読まれてると思ってヨコドリされる恐れもない4を強気で選んだんだw」
ターン終了時にはこのような会話がしばしば発生します。

この感想会がけっこうおもしろい!

 

ちなみに通常ルールでは1枚置いたらその次のターン終了時に即手札に戻ります。
つまり、場に置かれる手札カードは最高一枚です。

今回はプレイヤーによりヨコドリの性質が異なるので、分かりやすく「もっとヨコドリルール」を採用しました。
どちらかと言えばこの方が初心者でも相手の手札が分かりやすいので、プレイしやすさにもつながっていたと感じます。

また、カードにその種類の枚数が記載してあれば最高だったのですが、小さい得点から順に2.3.1、の順で覚えれば覚えやすいですね。(1点2枚、2点3枚、1点1枚)。

インタビュー

シュエルやりました!
短時間とゲーム内容のバランスがよく、ボードゲームの合間の息抜きにはとても最適ですね。しかも2枚を置くことによって手の内の駆け引きが分かりやすく行えるのも良いですです。
かなり特殊なシステムを採用していますが、きっかけや経緯を教えて頂けますか?

お褒めにあずかり光栄です!
今回バッティングゲームを作ろうと思ったのは、、
たまたま遊びに行ったボードゲームカフェでバッティングゲームをプレイした事がきっかけです。
バッティングゲームはプレイ時間が短く他のプレイヤーの思考を読んで、バッティングしないようにするにはどうすれば良いだろうと考えるのが面白いなと思ったので、今回はこのテーマのゲームを作ることにしました。

バッティングゲームは、バッティングすると得点が取れないと言うイメージがあったので、いっその事バッティングする事が目的のゲームにしてみました。
宝石をいっぱい持っているプレイヤーから宝石をカツアゲするようなゲーム性が出たので、これは割と新鮮な感じに出来たと思います。

ところが、調整も大詰めといったところで、最後の問題が見つかりました。
それは、プレイする人によってバッティングの頻度が全く違う事です。
元々バッティングゲーム自体が思考が似た人がバッティングしやすいので、当然といえば当然なのですが、この問題は非常に頭を悩ませました。
なにせ、人によってはひたすらバッティングし続けるのに、違うメンバーになると今度はバッティングが起こらない。
これは、単一のルールだけでは解決できないと悟り、プレイヤーにバッティングのしやすさを調整してもらおうと用意したのが、「もっとヨコドリルール」です。
もっとバッティングしたい場合は、場に並べるカードの枚数をさらに減らすなどしてみてもよいかもしれません。

こんな感じで紆余曲折しながら制作した「ヨコドリJewel」。是非楽しんでいただければと思います!

感想

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手札の公開によりワンナイト人狼ほど無限の可能性があるわけではありません。
そのため限りある読み合いで疲れず、そしてテンポよく愉しめます。
また、毎回の感想が良い感じで、15分あれば終わるので後腐れもありません。

試遊卓で遊んで愉しかったらすぐ買っちゃうような作品です。
理詰でライトなものが欲しい人におすすめ!

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