拮抗した戦いが水面下でじわりじわりと進む「ウサギの火星劇団」

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ゲーム情報

デザイン ショーナン
イラスト ショーナン
人数 2~2人
時間 15~30分
年齢 10歳~
価格 1500円
発売 2017秋
予約 http://www.karakuri-box.com/~wind/kageki/

ブース番号 2017秋 G017  注意;日曜のみ開催

はじめに

ナヴェガドールで有名なロンデルシステム。
丸い円盤の中央点より幾つかの数で区画、等分され、時計回りにコマをすすめて止まったところでアクションが行えるシステムです。
ロンデルはプレイヤー間で共有します。
そのため、自分が行いたいアクションにロンデルの中のコマを止めるため、プレイヤー間で様々な戦略がもたらされるのです。

私もロンデルのシステムがとても好きで、この分かり易さから生み出される複雑な戦略は唯一無二。堪りません。

本作品はこのロンデルで構成された2人用ボードゲームです。
そしてすごい渋いです。

システム

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ロンデルからアクションを選び実行します。
3種類ある得点表を伸ばしながら、先に到達点に届いて総合点が高いプレイヤーの勝利です。

さて、どのロンデルのアクションからスタートするの、そして誰からスタートになるのかが大変重要なゲームです。
そのためスタートプレイヤーを決める時に併せてロンデルの位置も決定されます。
ランダムに引いたカード1枚の指定通りにロンデルの位置とスタートプレイヤーを決めます。

利用する団員カードは全部で13枚。
それぞれのプレイヤーの場にアクションとして利用できる3枚のステージカード、そしてそれぞれのプレイヤーに2枚の手札、共通のカードとして3枚を専科として置きます。

これは好みの問題かもしれませんが、もしプレイヤー同士がゲーマーでガチガチの試合を望むのならばあらかじめ13枚のカードを確認しておいた方が良いかもしれません。
この13枚のカードはプレイヤー間を行き来し、カウンティングも容易です。最終局面ではもしかしたら1割ほどのブラフ要素がありますが、ほとんどがアブストラクトと言っても過言ではないでしょう。

余ったマーカーは自分のステージの右側か左側に置きます。

マーカーが置かれた側に手札から新たにカードをプレイでき、その逆側は共通カードである専科へ移動されます。
そのためこのマーカーの配置位置はかなり重要ですのでご注意下さい。

準備を終えたらプレイスタートです。

プレイヤーはロンデルの中にあるアクションマーカーを時計回りに1マスあるいは2マスすすめて止めたところの内容のアクションを実行します。
実行後は手札からプレイ時に起こる特殊なアクションを含めて処理を行い手番を終了させます。

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アクションの内容を説明していきましょう。

興行アクション

勝利点の獲得を行えるのはこのアクションのみになります。
ウサギの顔してVSと書かれているマスです。
興行アクションのマスはそれぞれ赤黄緑とあり、ステージにいるウサギの対象の色の数が多いプレイヤーが得点します(3種類の興行マーカーの対象となるものを1マス進める)。
同数だった場合は何も置きませんが、手番プレイヤーだけ登板マーカーを逆側に配置し直すことも可能です。

ゲームの全体像としては手札のウサギと専科のウサギを他アクションで入替えて、止まりそうなマスの興行アクションに対応した色のウサギをステージに配置して勝負に挑む、という流れです。
しかしながら、ロンデルは1-2マスしか進めません。
赤黄緑の興行アクションは隣り合っていないため、ステージ上の数がその色で負けているのならば、わざわざ相手は興行アクションに止まる必要がありません。
そのためぐるぐるぐるぐると、勝負を先延ばしに、序盤は足の引っ張り合いが続きます笑

PA272168.JPG 得点を進める興行マーカーにもそれぞれ特色があり
赤は通常
黄色は綱引き
緑はENDを早めるか得点を引き伸ばすためにENDを遅めるかを選べます。

入団アクション

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公開情報の3枚の専科に並ぶ団員カードの両端いずれか1枚を取って手札に加えます。

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そのあと手札から1枚選び自分のステージの登板マーカーが置いてある左右どちらかに配置します。
最後に手札からステージに配置したカードの逆側の端にあるカードを専科2枚の間に移動させます。
その後、ステージに置いたカードの効果があればそれを発揮します。

ちょっと言葉では分かり難いのですが、つまり欲しいカードを専科から取って、手札に加える。そしてステージに出したい色のウサギを手札より出す。
その端にあるウサギは専科へ追いやられる笑
専科の真ん中というのがみそで、ワンアクション分がなければ相手もその専科の真ん中に置いたカードが取れないという仕組みです。

最初はゲーム終了時にステージに居ると得点になる色を持たない白兎が専科に居座ります笑
しかし、このうさぎたちはゲーム終了が近くなるとステージに移動し始めます笑
そうなると拮抗していたゲームが急に動き出します。

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というのも白兎を手札に加えるということは、その分手札に勝負出来るうさぎたちが居ないわけですから、勝負できる手札数として足りておらず負けになります。
しかしながら、負けると白兎の得点の5点が追加されるので、たかが一点の失点くらい問題ありません。

そうそう、このゲームは終了時、興行マーカーの総合点とステージのウサギの星の数で勝負が決まります。つまり、わざとゲームエンドに持っていき総合点で勝利するというラストになるわけです。

また、カードの効果でステージのウサギが交換されたり、同点でも勝つことの出来るうさぎたちがおります。このあたりは実際にプレイしてみて愉しんで下さい。

ゲーマーズ同士で何回かプレイしましたが、カウンティングが容易に出来てしまうためにまあロンデルはぐるぐるぐるぐる周り、そして得点も本当に少しずつ進みます。
しかし、LASTはこの得点きらきらホシうさぎたちによってあっけなく終了するのです。

非公開入団アクション

入団アクションと同じですが手札から出す時に裏向きでステージに出すことが出来ます。
効果が強いうさぎたちが多く、カウンティングが容易なこのゲームではあまり序盤では意味がありません。

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しかしながら前述した通り、終盤になると得点ウサギに扮してブラフ的な要素で隠して出すことも出来ます。
「ホーラ、白兎が待ってるよー。勝負決めちゃうと白兎が舞うよー。」とか言いつつ、他の色のウサギを用意して勝ちます笑

裏向きなのでウサギの効果は起きません。

トラブルアクション

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ステージにいるウサギの一匹にマーカーを置いて休養中にさせます(ひどい)
お休みなので興行アクションが行われても居ないものとして数をカウントします。
これがお互い行ったり来たりを繰り返します。
ゆっくりお家で休みます。やったね。

終了

興行得点トラックいずれかの「END」のマスに興行マーカーが進んだら直ちにゲーム終了です。
興行の総合点+ステージのウサギの星の数+トラブルチップ(1点)でより勝利点が多いウサギの勝利です。
同点の場合は、手札2枚の右上に記されたMeまたはYouの隣の数字の合計値が
高い方が勝利者です。

インタビュー

こんにちは!
今回も楽しく遊ばせていただきました。
終了がいつもより遅く、わりと重目のゲームなのでしょうか。

今回のウサギの火星劇団は入団アクションが肝となりますが、このシステムづくりや作品の経緯についてお聞かせ下さい!

二人用ゲームを今までたくさん作ってきたんですが、
今回は今一度二人用ゲームをよくやる人達のボドゲライフに
耳を傾けてみました。
すると、タルギが殊の外繰り返し遊ばれていることが分かりまして、
「ああ、なるほど、あれぐらいどっぷり遊ばせてもいいのか」と思い、
やや長めで重めを提供してみるかという感じで、今回の仕上がりになりました。
当初は専科がただの山札だったので運要素が強く、もうちょっとパリピなゲームだったのです。だいぶガチガチになりましたね。

制作経緯は、まずロンデルありきで、
「作る側としてロンデルを一度使いこなしてみたい」という所からはじまってます。
去年ナヴェガドール日本語版購入して、マニュアル読んで衝撃受けて、
打ち抜きコマを打ち抜かずにあわてて戸棚にしまって本作を作り始めました。
未だにナヴェガドールがプレイできてません!!
あとはもういつも通り、カードサイズに落としこめる限界のゲームデザインにチャレンジといった具合に割りとトントン拍子で原型ができました。
比較的少ない枚数のカードをどう循環させるかという課題が入団アクションであり、ステージの構成であり専科と言ったところですね。
テーマの方は今年に入ってから宝塚の書籍にハマりまして、宝塚の組制に
専科というものがあって、そこから随時足りない団員や教官を補充してると知り、
これはシステム的に合致してると確信したので宝塚テーマを採用しました。

ありがとうございます。
初回プレイではなかなかクリアまでいかず、毎回けっこう時間を要します。
ウサギは各色満遍なく点数を上げると時間がかかり、かといって1色だけですと邪魔があるし配点も一箇所に集中してしまうのでこちらもうまくコントロール出来ずにいました。

いつもよりゲーマーズ向けですかね。
アブストラクトに近いので先読みの力がかなり求められるものなのかなと。
入団アクションで欲しいカードは専科の両隣にいつか必ず巡ってくるため、そのシステムが肝になるのかと思いました。

何かプレイのコツがアレば教えてください!

プレイのコツは、第一にミニカードにある赤青黄構成枚数を参照しカウンティングすることです。
第二に手札ストック2枚を利用してステージに出すだけで点数になるカードを押さえ込むことです。
慣れてくると、僅差の時にあえて相手に興行で勝たせてゲーム終了に持ち込み、ステージのカードボーナス点やお邪魔チップ点で決算勝ちとかも結構できたりします。

本作はまさに慣れれば慣れるほどアブストラクトですね。
作った本人はわりとノープランの出たとこ勝負大先生なので、
羽生名人ばりに先読みする人がこのゲームをやると
どの辺りから勝ちが見えるかとか興味深いところです。

カードと連動するQRコードはまだぜんぶ見ていないのですが凄いですね笑
キャラ設定の濃いウサギばかりですが、お気に入りはいますか?
私は白兎たちが好きです。

設定本やおまけのQRのテキストも宝塚の歴史や事件ネタが満載になっています。
QRコードのおまけは、これだけ書けば今回は設定本いらないでしょーって
数ヶ月前までは思ってたんですが、勢いで本まで出ちゃいました。
QRコードのおまけ自体は、前述どおりカードサイズで表現できる限界のデザインの中に組み込む予定のところ、さすがにそれは無茶で、いずれやろうと思ってた「QRコードでウェブに飛ばして読ます」という荒業をついにやってしまいました。
今回一番の実験ですね。どれぐらい読まれるだろう~。
自分のお気に入りは チャイナチックな格好してる緑兎のユウですね。
このテキストだけ武侠小説が好きな自分の趣味全快となっています。
周りに聞くとやっぱり白兎が人気ですね~、これは当日のディスプレイにもラインダンスしてる白兎を立体的に飾るのでお楽しみに!!

両日行く予定なので気合い入れて撮りに行きます!

日曜のみになってしまいますが当日はぜひ写真撮りに来てください~、ディスプレイも当人もフリー素材です!!!。

後日

がっつりゲーマー同士で游びました。渋い、渋くて良いです。結局誰かがしびれを切らすまでと、☆があるウサギをステージに出すために手札が割かれるので決まるときは一瞬ですね。素晴らしい調整です。
色も含めカウンティングしたら1時間半近くやり取りが続きましたがこの渋さがたまりません。

プレイありがとうございます!! ゲーマー同士ですと、もう我慢比べみたいな読み合いになりますね。1時間以上も遊んでいただけたとなると、作った甲斐がありました。 ホントにありがとうございますっ

感想

ああ、なんて渋いんだろう。この感じが良い。

昨今流行りのユーロゲームのようにバカスカ点数入って260点勝利とかとは対照的。
お互い拮抗してまったく進展がなくジリジリと続くこの感じが実に渋い。
かといって終わるときはバッサリとした斬れ味。
なかなか終わりませんが終わりは必ず訪れます。

劇団ですがマイルス・デイヴィス「So What」やTake fiveを流しつつじっくりやりたい

それよりカード1枚1枚に記載されたQRにうさぎたちの経緯がものすごい量で載っており、設定内容が細かくおもしろい。
私はカレーを得意料理とするウサギが好きです。

こんな愉しみ方もあるウサギの火星劇団。
出店は日曜のみとなりますのでご注意下さい。

ボードゲームのシェイクスピアやタルギが好きな方にいかがでしょう。

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