映画itの事前知識無しで観たレビューとネタバレ感想「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」

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どういった映画なのか

スタンド・バイ・ミー×ショッキングホラー
男女の友情感、恋愛を中心に勇気と恐怖が織りなす世界。

以下は僅かなネタバレを含みます。

先ず本作の恐怖のコンセプトとしては幼児期の虚構についてである。

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誰しもが体験しているであろう、「体験や物」が幼児期特有の想像の膨らみで恐怖につながり、それがまさに大人には見ることの出来ない怪奇現象へと結び付くものが巧みにに描写されている。
怖い怪物が押し入れの中にきっといるだろう、と想像を膨らませて覗いたりの行為などだ。

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発達心理でいえばこれは虚構と現実の区別を行わせるための過程であり、それはやがて失われる(忘れる)のは人格形成の上で至極当たり前のことである。

しかし、それが本当に虚構かどうかは自分自身では判断がつかず、周りの状況や大人たち(判定主任者)に判断させ、その正誤の積み重ねにより自身の解を見つけるのだ。

それでは判断が子どもたちだけであった場合はどうなのだろうか。
ポップなBGMと共に私は一見して笑ってしまったが、これは思い返すとなかなか興味深いシーンがある。

少女が怪奇現象が起きて風呂場が血まみれになった。
しかし、大人に相談しても何も見えないという。
そこで少女は仲間たちを家に招いて確認をおこなってもらう、というシーンだ。

なんと、それを見た子どもたちは突如として物理的に掃除を始めたのだ。

もしかしたら他の友だちはその友だちに合わせているのかもしれないし(おもしろいのがその怪奇現象について子どもたちは一切その状態を口にしなかった)、見えている少女が正しいと判断して掃除を行ったのかもしれない。

このように子どもたちの想像の先の恐怖を描いた作品のために、もしかしたら中身のない、根拠のはっきりしない映画だと思う方がいるのかもしれない。

しかしそれはあまりにも浅はかだ。
子どものときの、あの怖さを忘れた大人になったのだろうか。

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この映画が、何もない(怖くない)ところから生み出される、子どもたちの恐怖を描いたものであるならば、こういう考え方が出来る。

「体験や物」が実際に起こった恐怖だった場合、それはさらにそれを超える恐怖の想像だ。

この映画はまさにそれ(it)なのだ。

総じて素晴らしい作品とまでは言い切れないが、子どもたちの冒険もの、そしてグロテスクというだけに恐怖を魅せつけない、解釈の方法が見え隠れするこの映画は個人的にとても好きなものとなった。

以降は物語で子どもたちの恐怖の想像について、独自に解釈して考えた上での感想である。原作であるitは読んでおらず、また他の事前知識は一切なく映画を見た直後の感想だということを付け加えておく。

本編のネタバレを多く含み、かつ実際に映画を観ないと分からない内容である。

感想と解釈

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結論としてはこれは実際に起きた殺人事件だと考える。

解釈としては街は極端に口が大きい排水口が多く、小さい子は実際に流されてしまった。子どもたちは巨大な口が開いた怪物を想像し、それがitとして初めに彼らを襲ったのだろう。
さらに実際に猟奇的殺意人犯がいて、井戸の底で死体を溜め込んで隠していたと考える。
27年の周期は、その猟奇的殺人犯が刑務所から出た、もしくは殺人を隠蔽するために間隔を開けていた。

これにより多数の子どもたちの失踪へと繋がる。

親を殺した子どもも、その殺人犯がナイフを渡して、その殺人事件を明かそうとする刑事である彼の父を殺すよう仕向けたものである可能性が高い。

また、その猟奇的殺人犯は子どもを殺すときに本当にピエロの格好をしていたのではないだろうか。総じて猟奇的殺人犯は、格好を特殊なものに変えたりと、ある種の儀式を行うことが多い。もしくは子どもたちに親しみやすいピエロに変装したりと。

そしてラストの場面は、子どもたちは本当にピエロの格好をしたその猟奇的殺人犯を、友人から、必死に守り、死体がある場所を発見した。
しかし、あまりの恐怖から子どもたちは現実から目をそらし、itとして想像力で蓋をしたのがラストの映像ではないのだろうか。

最初に太った子がいじめれれていたときに、助けを求めてそれを見て見ぬふりをした老夫婦の車の中に赤い風船があった。
あの老夫婦が猟奇的殺人犯ではないのだろうか。
本編終了後もあの老夫婦の車にある風船の意味は不明のままだった。
あのカットはその伏線だと感じた。

次はまさにそのitである猟奇的殺人犯を見つける、犯人を暴くということになるのだろうか。

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