喧嘩から銃撃戦へ応酬の連鎖「ハーフパイントヒーローズ」

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  • 3/10
    運 - 3/10
  • 7/10
    戦略性 - 7/10
  • 7/10
    コンポーネント - 7/10
  • 6/10
    テーマ性 - 6/10
  • 7/10
    インタラクション - 7/10
  • 7/10
    プレイアビリティ - 7/10
  • 7/10
    プレイ頻度 - 7/10
6.3/10

抜粋のみを表示

実プレイ時間:60分(インストは別途5分)
プレイ人数:2-7人
推奨プレイ人数:5人
お気に入り度:
お酒との相性:
難易度:Lv.4
日本語化:不要
発売年:2017
ゲームデザイン:ローランド・ゴスラー(Roland Goslar)ヨハネス・ゴスラー(Johannes Goslar)ゾレン・シャフステイン(Søren Schaffstein)
想定価格:3500円

はじめに

テキサスホールデムが好きな私にとって「テキサスホールデムのようなトリテ」と言われたらそれだけでドキッとしますし、さらに「酒場の大乱闘」なんて酒すごろくらしい(?)じゃないですか。

巷ではスカルキングと比較することが多いようですが、そもそもトリテで勝負数を競うシステムはザラですし、プレイ感は全く別物ですので比べる必要はなさそうです。

どちらかと言えばテキサスホールデムの方がかなり近い感覚でしょうか。

テキサスホールデムとハーフパイントヒーローズの共通点はズバリ「相手の手札を予想する」ことにあります。
テキポは賭けたチップ額、ポジション、参加プレイヤー、フロップ等の様々な要素から具体的かつ正確に(例えば相手がA7なのかKJなのかまで)相手のハンドを予想することが重要となります。
対するハーフパイントは他プレイヤーの「勝利宣言数」のみから「相手のハンドが強いか弱いか(役有りか無しか)」の2択だけを判断してプレイします。

つまり、テキサスホールデムよりぐっと簡単に、かといって楽しみを損なわずにシステムメイクされたものが本作と言えるのではないでしょうか。

システム

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自分のハンド(手札)と相手のハンドを予想して自分が何回勝つかを予想して当てれば得点になります。ゲーム終了まで得点が高いか、もしくは特殊な条件が満たされた時に勝利となります。

カードは全部で65枚。
スートが5色(マークが5種類)で1-13までの構成です。     PA182112.JPG

まずはじめに山札からカードを1枚めくり表にします。
そのカードに山札から場に何枚のカードを表にするか、そして各プレイヤーが何枚ハンドを持てるかが明記されています。

上の画像の場合は場に一枚、ハンドに7枚とかなり極端なものですね笑

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この場に出る枚数とハンドの組合せがカードごとにそれぞれ異なるため、毎回違ったプレイ感を生み出します。
キツキツだったり、ハンドと場の枚数が多くていろいろ考えたりと、緩急がついているので飽きにくく非常に良いです。

そしてこのカードの指示通りに準備が終えたらゲーム開始です。

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先ずは自分のカードの強弱を考えて自分の勝利数を各プレイヤー一斉に提示します。
勝利数を宣言するときにはカードを使用します。
勝利数1,2,3が記載されたカード3枚を組合せ自由で場に提示します(そのため最高6勝利の宣言ができる)。

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各プレイヤーは自分の勝利数宣言後にその勝利宣言が「外れそうな人」にチップを賭けます。
なんという意地汚いシステム笑
いや、好きですけれど笑

今までの信頼がここで試されるということでしょう笑

まあ冗談はさておき、例えばポイントトップで走っているプレイヤーを止める場合、全員が結託する必要があり、このシステムはその意思表示と「トップへの得点を止めた」ときの逆転ボーナスを得られる仕組みづくりと考えて良いでしょう。

トップは0点で他は得点出来るということは、得点に顕著な差がつかないようにするためのバランサーにプレイヤー自体がなっているというわけです。
この賭けが当たれば20点が獲得できます。

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最後にメインとなるカードのプレイです。
「役が出来ていれば」表に出ているカードの組合せにより何枚でもプレイ可能です。

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青6 緑7 赤5
上記3枚が場に出ていて手札が4枚としましょう。

ハンドは下記の通りだった場合
青7 緑8 緑9 赤7

先ず場の青6 緑7 赤5+ハンドの緑9 緑8の2枚を出してストレートで勝負ということが出来ます。
次に場の赤7+ハンドの青7 赤7で3ペアで全ての手札を出し切って勝つ事が可能です。

これが絶妙な計画性を持たせてくれるのです。
例えば上記の場合、私が2の勝利宣言をしたとして、ストレートでの勝利はこのゲームでまあまあの強さと言えるでしょう。
そして次の3ペアも毎回ランダムで配るためになかなかこれ以上のハンドはありませんので、ここでも勝利。

こうなると、他プレイヤーはハンドを持っていて私だけハンドがない状態となります。
この場合、手札が出せない、つまり、以後の試合は負け確定で進むというわけです。

余計に一勝が増えてしまうと失点となりますから、どのタイミングで手札を出し切るかも考える必要があります。
他にも他プレイヤーが勝利宣言を多くしている場合(勝利数が一致しない)、どのプレイヤーも確実に勝てそうな役が成立しているので、あえて手札を出し尽くすように相手を勝たせて自分は1枚だけ出して負けて後から勝つということも一つの手ですね。
ただし役が揃っていない場合は1枚以上出すことは禁止されているので、適当なブタ(役無し)を並べて複数枚出すことは出来ません。

さらに特殊ルールが2つあり、出し切った後はわざと負ける戦略がこのルールで一筋縄にはいかなくなり、おもしろいジレンマを引き起こしてくれます。

 

喧嘩

ラウンド中に誰かが3回連続で勝利するとそのラウンドでゲームが終了し、そのプレイヤーは+30点、そして他プレイヤーは0点となります。
3回連続勝利ということですから、30+30点ボーナス以上の得点となります。
この特殊ルールが有るために、手札を捨てて負けというプレイがしにくくなるというわけです。
さらにこの喧嘩は次の銃撃戦への発展に繋がります。

 

銃撃戦

5ラウンド連続で賭けを当てる(誰が負けるかを)とその時にゲームが終了してそのプレイヤーの勝利となります。
これは喧嘩で勝利した分も含まれますから、なるほど、銃撃戦の初めとなる喧嘩勝利は相当防ぎたいものの一つとなります。

ゲーム終了

ゲームは10ラウンドで終了となります。
10ラウンド目までゲームが行われた場合はそこで得点が一番多いプレイヤーの勝利となります。

感想

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だいたい4人で1時間、3人で30-40分。
喧嘩はゲーム中に多くて2-3回程行われるため、アップテンポで非常に楽しく進みます。

毎回の読み合いはシンプルなルールの上に行われるので、特段詰まることもなく、全員が同じようなプレイで窮屈なく繰り返されます。

 

このゲームはカウンティングが出来るわけではありません。
よくよく考えれば毎回ランダムに手札を配るわけですので、役作りと駆け引きは引き運によるものとなります。
しかしながらゲームのシステム上、優劣は運によると思われることがないように仕組まれているのが、このゲームのマジックであり熱狂させるところでしょう。

良いゲームです。

コメント

  1. しれ〜 より:

    システム説明の黄色の10ですが
    ×場に一枚、ハンドに一枚
    〇場に一枚、ハンドに七枚
    だと思われます(全てのカードで場とハンドの合計は八枚)。