テーブルレスで手軽な記憶と心理戦「はないちもんめ」

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2017年春ゲームマーケット新作ボードゲーム「はないちもんめ」のレビュー及び感想です。

デザイン オレラント
イラスト たま工房&オレラント
人数 2~4人
時間 5~15分
年齢 8歳~
価格 1000円
発売 2017春
予約 http://olerant.com/reserve2017h/

はじめに

ボードゲームの定義云々は置いておいてテーブルレスゲームって良いですよね。

テーマパークの順番待ちだとかちょっとした空き時間、許可があるなら居酒屋で呑みながらも最適です。
コヨーテやキャッチョコ、ワンナイト人狼(はテーブルないとちょっと無理かなあ)など直ぐにできるのも魅力です。
今回のボードゲームはそんなテーブルレスを目標としたボードゲームです。
けれどテーブルあった場合もおもしろいので後程追記致します。

システム

このボードゲームははないちもんめというテーマ。

ちょっと余談になるのですが皆さんは遊ばれたことはありますか?
遠い片隅にある記憶から引っ張り出すと、選ばれて欲しいなーという気持ちがあったような、選ばれなくて泣いてしまった子もいたような、なかなかに残酷なゲームだっとような覚えがあります笑
あれって、けっきょく最後の1人までを繰り返すのでしょうか。
最近は遊んでる子もあまり見かけません。

そして、このボードゲームも相手からほしい子をわたしたりするゲームです。
ゲームの内容は非常にシンプルで簡単な記憶を含めた心理戦です。

手札を上下逆にすれば得点になります。
全て上下を逆さまにすれば勝ちです(実際はちょっと違うのですが)。
上下関係なくマイナス点の子も居るのでうまく相手に取ってもらえるよう誘導しましょう!

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まず好きなように子どもたちを並べて下さい。上下は統一します。
このままだと皆んな得点にはなりません。
そのため上下逆さまにする必要があります。

手番プレイヤーから左隣に「この子は欲しい?」と訪ねます。

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実際にはすべてのカードは裏向きです。

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「要らない」場合は上下をさかさまにして得点になります。画像から逆さまにして色の付いている方を上にして置きます。

裏向きから得点になっていることが分かるので、以降この子はそのままにしておきます。
「欲しい」場合は相手にその子を渡します。
受け取ったら、上下をさかさまにして好きな所に配置します。
このとき受け取ったカードは必ず全員に見せてください。
これでそのカードがどこに配置されたかが分かります。

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これを繰り返して全て上下さかさまになったら得点計算です。

ええ、それだけじゃ全くつまらないですよね。
というかゲームになっていない笑

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実は子どもの中には妖かしが紛れており、その子は逆にしようが何しようがマイナス点となります。
つまり、うまく相手に妖かしを渡すようにすれば良いわけです。

では妖かしの子はどのように判断するか?

例えば妖かしを誰かが受け取ったとします。

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実は「こども」「あやかし」「こども」と両隣のこどもに挟まれた妖かしは、皆んなで楽しく遊べたためにマイナス1点が0点になります。

そのため受け取ったあやかしを入れた両隣はあやかしではなく子どもの可能性が高いわけです。

もちろん一度受け取って入れたカードの順番は変えられません。
そのためだいたい妖かしのカードの位置の予想がつきます。

また、妖かしが全て居なくなった(誰かに取られた)場合はその時点で1人勝ちなので、そのあたりも駆け引きの情報として役立ちます。

若干の記憶が必要なので苦手な方も居るかもしれませんが、手軽で簡単な心理戦をテーブルレスで味わえます。

インタビュー

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届きました!そして早速アソビました!
結論から言えば、かなり面白かったです。好きですこのゲーム!
ただ、その愉しさはテーブルレスだと難しかったです。
というのも、テーブルレスだと相手が手に持っている状態では手は常に
動くために非常に記憶しにくく、手に持った場合はパーティー寄りになるとは思いますが、内容がきちんとされているのでパーティー寄りには不向きな感じはしました(製作者様の意図に反する意見で申し訳ありません・・・)。
そのためテーブルを用意して並べて行った結果、ゲーマーズも素人もかなり白熱する勝負が出来ました。短時間のため後腐れもなく、テーブルで行った場合は皆さん何度もやりたいとおっしゃっていました。
テーブルレスについて
今回テーブルレスといったことを前面に出されての製作ですが、これに拘った理由を教えて頂けますか?

率直な感想ありがとうございます!!
ご回答致します。

1.テーブルレス
前回のゲムマの帰りに、ゲムマ熱気の余韻のまま購入したゲームをすぐに遊びたい気分になったのですが、ゲムマの帰り道でテーブルをフルに使ってゲームを遊べる場所がなく悶々しました。
そこで世にテーブル無しでも遊べるカードゲームは無いのかと気になって調べてみるとあまりないようで、それなら自分で作ってやろうと思ったのが制作のきっかけです。
もっとテーブルレスゲームが充実すれば、新幹線の中や、イベントの待ち列など、普段ならおしゃべりやスマホで暇をつぶすような時間にもアナログゲームで遊ぶことができるボドゲパラダイスが実現できるのではないでしょうか!

システムについて
システムがとても良くできていて、愉しめました!
このシステムを作成するに思い至った経緯などはありますか?

テーブルレスゲームを作ることを決めた後、まずは「自分の手札を相手の手札に差し込んでいって王子様を見つける」という黒ひげ危機一髪風ゲームを作りました。しかしまあいろいろダメで相棒からは「こんなの500円でも買わん」と一刀両断されました。

試行錯誤する中でカードの種類を2種類まで減らしてガイスター的ジレンマはどうかという発想になり「とる/とらない」のジレンマを軸にシステムを組みなおしました。決してゴリ×夢中のツイートを見てヒントにしたわけではありません(笑)

また「とる/とらない」のジレンマに加えて、カードの並べ方や、取ったカードをどこに入れるかにも駆け引きがあるように調整しました。わらべ(プラス点)にはさまれるとあやかし(マイナス点)を0点にできるのは、あやかしがわらべと一緒に遊んで浄化されるハッピーな感じをイメージしています。

※今回ご指摘のあった「手に持ったままだとやはりカードを覚えられない」点は今後の課題かなと思っています。ありがとうございます。このゲームはテーブルを使わないコンセプトではありますが、もちろん机に置いて遊んで頂いてもOKです。

もうひとつ、ボードゲームを制作するに至った経緯や動機を教えて頂けますか??

制作するに至った経緯と動機
もともと創作が好きで、学生の頃は絵や小説、デジタルゲームも含めいろいろ作っていたのですが、社会人になってからは時間もなくあまり創作していませんでした。ある日、立ち寄った店で「惨劇のROOPER」というゲームの題名に妙にひかれて購入したのですが、やる友達がいなかったのでゲーム会などに行くようになり、そこからずるずるとボドゲの魅力に取り憑かれてしまいました。
ボドゲをやるうちに同人ゲームの存在を知って創作意欲がむくむくと復活し、趣味の哲学をテーマにゲームを作れないかと思いゲムマ2015秋に「コギト」を初出展しました。これが制作に至るまでの経緯です。

1作品完成させたところで、デジタルゲーム制作にはないアナログゲーム制作の魅力(完成させるまでの期間が短くて済む、頑張れは全部1人で完結できる、ゲームをプレイした人の表情や感想をその場で感じられる、など)を感じ、それがそれ以降ゲームを作り続ける動機となっています。

ちなみにボドゲにはまるきっかけとなった惨劇のROOPERは私がうまくインストできないことで1度もできていなかったります。はまるきっかけとなったゲームをまだ未プレイというのも珍しいかも。

最後に何かあればどうぞ!

最初は違うテーマのゲームでしたがテストプレイをする中で嫁から「はないちもんめみたいね」と言われてテーマをそれに変更/決定しました。テーマを変えたことで子供や外国の人にも受け入れられやすくなったのではないかと思っています。
最後に4人用特別ルール「相談しましょ」も2人用、3人用のときとはまた違った楽しみ方ができておすすめです。旅のお供に「はないちもんめ」を是非ひとつどうぞ!

 

感想

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テーブルレスの場合、やはり人は動作をするので覚えにくいのですが、盤面上に並べた場合は覚えやすく、かなりゲーマーズ向けのゲームになります。
そのためおすすめはテーブル使用時ですが、逆にテーブルレスで行った場合は、パーティー寄りで、「あれー?こっちだったかなー?笑」といった雰囲気です。

少しの記憶+ブラフと算段が入った本作は酒すごろくとしては好きなゲームでおすすめです。

テーブルレスを目的とした本作、ぜひお手にとって遊んでみてはいかがでしょうか。

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