嘘かマコトかお洒落に相手を出し抜こう「キツネと葡萄」

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デザイン 久遠
イラスト 久遠
人数 2~6人
時間 10~20分
年齢 8歳~
価格 2000円
ブース 2017 土曜のみ開催 F003  体験卓あり
予約 https://form1ssl.fc2.com/form/?id=dc984dfe41d2849f

はじめに

久遠堂さんからの新作はなんとブラフゲーム。
ブラフゲームと言えば、好き嫌いがかなり分かれるゲームでもあります。
今回は先にインタビューした内容をお話致しましょう。

初めに手にするキツネと葡萄。
箱がしっかりと作られており、サイズ感があります。
なかなかに丁寧な作り。

-カードゲーム、と伺っていたのですが、箱は少し大きめですね。

はい、今回はカードゲームなのでスリーブを入れる方が多いと思いました。
そこでスリーブを入れた時のサイズを考慮したところ、このサイズに落ち着いたんです。

きちんと遊び手の「その時」まで考慮された作り、さすがです。
箱を開けてみると説明書があり、不思議な雰囲気のキツネがこちらを見つめます。

-今回はなぜブラフゲームに?

手軽に遊べるパーティーゲームとして初めはケーキバイキングを作成しました。
一番先にお話した通り、とにかく「女性にボードゲームを遊んでほしかった」ためです。
そして次にジュリアーノ王子の貢ぎ物を作り、こちらはきちんとボードやリソースを利用した「皆で遊べる協力ゲーム」です。
そのため今回は「ブラフ」というボードゲームのシステムとして、対面を考えた少し本格的なものを遊んで欲しいと思いました。

説明書を眺めながら気付く酒すごろく。

-なるほど、このボードゲーム、最初は何も情報源がないと思いましたが、これも初心者の方に向けての配慮なんですね。
何も情報がない中でその人が「どういう人」なのかを「知ることの情報」を大切にしている。
だから初めは嘘をついても本当のことを言っても同じ情報量だし、そこに実力の差がないんですね。

そうなんです。
初めはその人が嘘か、それとも本当のことを言うか、どちらでも良いんです。
どういう人なのかなって、笑いながらキャーキャー出来る感じで。
あとは嘘をつくことが苦手という人も多いと思うんです。
だから「本当のことを言っても勝てる」ということを大切にしたくて、そういった意味や願いも込められています。

-「本当のことを言っても勝てる」というのは大事ですよね。素敵です。
オモシロイと思ったのは、カウンティングの要素が含まれてますね。

はい、今回の作品はカウンティングが出来ます。
けれど枚数はとても少ないので分かりやすいですし、完全に読み切れるわけではないので最後まで楽しめると思います。

-いつもながらお洒落な作りですね。

お洒落に雰囲気を愉しんでほしくて、絵柄や文字が邪魔にならないようにしました。
「sour(酸っぱい)」の部分もこんなふうに

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-本当だ!ツルが文字になってる。雰囲気がばっちりですね。遊ぶのが楽しみにです。

システム&プレイ

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ごきぶりポーカーを踏襲したようなシステムです。

負け惜しみを言った人がスタートプレイヤーということでちょうど私に笑

プレイヤー人数によって準備カードが異なります。

プレイヤーは手札より1枚自分のカードを出して、「この葡萄は甘い」「この葡萄は酸っぱい」「私はキツネです」をカードの向きで一斉に明示します。
この向きはキツネが持っている甘い葡萄と酸っぱい葡萄を中央に向けるので分かりやすいです。

そして時計回りに宣言カードを使い任意の人を指定して本当に「甘い葡萄」か「酸っぱい葡萄」か「キツネ」を当てます。既に誰かに宣言カードを使われているプレイヤーには行なえません。
そして結果に出したカード甘い葡萄(得点)をもらったり、すっぱいぶどう(失点)を渡したりの行き来が起こります。

PB093074.JPG写真は酸っぱいと言って「その通り!」と言われているところ

「得点したいなあ」とか思いつつ、嘘を言ってもなんかバレる笑
でも相手の嘘本当を当てると得点や失点を押し付けられるのでおもしろい!

このあたりは分かりやすいのですがプレイエイドもあるのでコチラを見つつ行います。

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例えば甘いと言っているプレイヤーに「うん、きっと甘そうだ」と言いながら甘い宣言カード(その葡萄は甘いで合っている)が当たったときは自分のものになります。
甘い葡萄をありがとう!笑
逆に酸っぱい宣言を酸っぱいと当てた場合は「いやいらないよ、知ってるよ酸っぱいの」と言って相手の失点にするわけです。
他には相手が「甘いと」言って「それは酸っぱいでしょ!」と外した場合は、相手が甘いカードを受け取る等が起こります。

序盤は本当か嘘かの判断は「得点するかどうか」だけなので気軽に楽しめます。
意外に嘘ついてる人がいることに驚かされつつ失点します笑

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実はキツネだけ特殊アクションが発生して、このゲームの緩急をつけてくれます。
「キツネ」を出した人が宣言した人に対して嘘が成功した場合、自分の習得したカードから酸っぱい葡萄1枚を相手に押し付ける、もしくは相手の公開カードから「甘い葡萄」を1枚奪うが可能です。
他にもキツネの場合のみ発生条件が色々と異なりますので、最後の切り札としても盛り上がります。

全部で5ラウンド、最後にはだいたいの目安でも「キツネはもういないから、誰か嘘ついてる。おかしい笑」などなかなか笑えます笑
そこで本当にキツネだったりして得点が奪われてしまいます笑

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カウンティング自体はとても簡単ですが、キツネの効力で最後まで気が抜けないゲームシステムです。
また、同点はキツネを多く持っているプレイヤーが勝利します。
キツネはなかなか盛り上げてくれるので、そんなキツネをうまく使えた人へのシステム上粋なはからいですね。

感想

ごきぶりポーカーが好きな方にはお薦め出来るんじゃないかな。
ごきぶりポーカーみたいに白熱して一対一ばっかりになったり、弱者を対象に貶めたりがないので、このあたりがとても工夫されているのは感じが良いです。ゲームとして笑えるしオモシロイ。
その分プレイヤーカラーが見辛く準備がやりにくかったのは非常に残念。
雰囲気を保つためにはなかなか難しいところですね。

様々な想いがルールに反映された久遠堂のブラフゲーム。
みんなでプレイすればなかなか盛り上がります。
もちろんブラフ系ですし、合う合わないがありますのでぜひゲームマーケットで試遊してみて下さい!

 


参加か出来なかった、もしくは買い逃した方は同人ボードゲームのラインナップが豊富にある通販ショップの駿河屋もオススメです。

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