より奥深い駆け引きと交差する思惑と刺激「もっとローマの力を!」

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 ボードゲームローマの力拡張の「もっとローマの力を!」のレビュー感想です。
デザイン千夜一葉
イラスト猫転餅
人数1~4人
時間20~70分
年齢12歳~
価格1500円
発売2017春
予約http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~usa_neko/1800_v2/yoyaku.htm

2017春 P13 体験卓あり
サンファンやプエルトリコを意識した中級者向け拡大再生産のゲームです。

はじめに

おすすめしたいボードゲームがあっても、ちょっとした壁があったりするします。
時間が異常に長かったり、特殊な駆け引きが多かったり、ダウンタイムがかなりかかったりと、それは様々です。
今回ご紹介するローマの力は、そんなおすすめしたいけれどちょっとした壁が「あった」ボードゲームのひとつ。
というのも1-3人プレイまでとなっており、今まで4人プレイは出来ませんでした。
プレイして紹介する度に「3人までかあ」と肩をすくめながらなんとも微妙な表情(楽しいのにもったいないなあという気持ちに近い)をしてらっしゃる方が多かったです。
確かに、ボードゲーム会ではやはり4人以上のボードゲームが好まれる傾向にあり、3人だと隙間時間だとか自宅会でのプレイの方がお披露目しやすかったりします。
3人だからこそ間延びしない熱い駆け引きが手軽に出来るのが魅力の一つですが、プレイしてみないと購入する意欲に少しばかりのブレーキはかかってしまうようです。
しかし、本作「もっとローマの力を!」では4人対応の拡張となりました!
待ってました!っよ!!
これにより、「3人のみ」というおそらく最大の壁を突破し、より幅広く遊んでもらえるボードゲームになったのではないかと思います。
個人的なオススメとして、機会があれば先に3人プレイをすることを推奨します。
こちらの理由に関しては後述致します。
本記事では「ローマの力を」の拡張「もっとローマの力を!」について投稿しております。元となる「ローマの力を」の主なルールやプレイ感については下記過去記事をご参照頂けるといいかもしれません。
ボードゲーム 「ローマの力」のレビューやルール・感想です。まえがき音楽はインディーズから新しいアーテ...

テーマ

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ローマを統治するための政略、そして戦略。
それらは執政官の裁量に掛かっている。
巧く行き過ぎれば古参議員たちの羨望と嫉妬との対象となる。
タイミングが重要なのだ。
思惑や戦術は時として、敵味方問わず模倣される。
自身の経験として取り入れ、改良し、実行をする技量と器量が乏わなければ、模倣はただの愚策に堕ちる。
しかし、ここにまた新たな執政官が生まれた。
元老院に収集させられた執行官達は、空いた椅子に目を向ける。
寂れた専用の椅子にはない、若々しくしっかりとした木目がまたそれを目立たせる。
ハンニバルの包囲殲滅戦術を自身の戦術のように身につけ、強大な叡智を携えた、その者の名は―

新たなシステム

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委任タイル
4人用になったことでどのように変わったかと言えば、実際は変わったと言うより追加されたという表現が正しいかもしれません。
本作から「委任タイル」が追加されています。
この「委任タイル」により、システムはそのまま、けれど毎回アクションのテイストが可変する愉しさを味わうことが出来ます!
システム自体は変わりないのですが、4人目はアクションタイルを選べません。
それでは4人目はどのようにアクションを行うかというと、「委任タイル」を利用することになります。
3人目までこれまで通りにアクションを実行していきます。
4人目のプレイヤーは他3人のプレイヤーが選んだアクションを特権付で行うことが出来ます。
厳密に言うならば、プレイヤー4人目は1-3人目の誰かがアクションを開始するときに「委任タイル」を使用します。
このためポイントとなるのは4人目はあくまでアクションを選べない、ということです。
例えば4人目の個人ボードに奴隷もしくは市民が多く配置されていたとします。
この場合、「生産」アクションを行いたいと4人目のプレイヤーは思うのですが、誰も選ばなければ委任カードは利用出来ず、生産は行なえません。
実際には生産アクション並びにその他のアクションはどれも重要なため4人目の「委任タイル」を利用した無駄手の誘発はあまり頻繁には起きません。
そのためアクション選択時は4人目をあまり気にせずに、3人プレイ感覚で遊べます。
・・・と思ったのですが、うーん、委任タイル、すごい笑
特権付きアクションが他3人に与える影響力は強弱の差がかなりあるので、気にしないときもあれば、超気になるときもあります。
この運否天賦の落差が絶妙な駆け引きを齎します。
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いずれにせよ4人目が増えることにより、より複雑な個人戦略が求められるようになりますのでさらにゲーマーズ向けになったように感じます。
3人プレイでは相関関係が分かりやすく、そして良い意味の戦略的妨害が「やられたぁ!」という刺激がすぐに伝わりました。
本作が初めての方で4人プレイを行いましたが、そのような相関関係に気づかずにアクションをされていたので、他人からの阻止にも気づかず「こういうものなのかな?」というソロプレイ感で負けてしましました。
こちらに関してはインスト力も大きく関わるところですが、ボードゲームをあまり多くこなしていない方を対象として、そういった愉しさに「自然に気付く」ところに重きを置くのであれば3人プレイを初めにしてみることが良いかもしれません。
前述の記載は上記理由によるものです。
現にその方に後程3人プレイでお願いしたところ、「こっちのほうがおもしろい!わかりやすい!」と好評でした。
ただ、いわゆるゲーマーズの方にも4人で初プレイをして頂いたのですが、「なるほど、こうなると、あそこで取られるので不利益になるのか・・・うん、おもしろい・・・」とすぐに気付かれておりましたので、そのへんの匙加減はなんとも難しいですね。
行政カード
 そして今回新たな行政カード(20種類)が追加されました。
多くは強力なため、パワーバランス的にはどうだろうと思っておりましたが、本作では25枚と必須カードが指定されているために特に気にならず、ただより愉しさが倍増した形で遊べました。
実際のところ、4人プレイ時ではマジョリティである金や民の単独トップの他に、エリア統治の2位にも気を配らなければなりませんので、3人プレイ時と比べてまんべんなく策を張り巡らせる必要が出てきます。
そのために後半は通常のアクションと被らない行政アクションが必要となってきます。
特に、新たなカードが追加されたことと、4人だと戦略が重なったときの行政カードの取りあいが発生しやすくなるので、さらに重要な位置付けになったと感じました。
拡大再生産がさらに大きくなったと表現すると最適かもしれません。
文面からでは詰まったような感じを受けるかもしれませんが、実際のプレイ感は選択の幅が増えることで、戦術を考察する醍醐味が増しました。
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4人の場合は2位のマジョリティにも気を配る必要があるので、さらに万遍なく盤面を整えて置かなければなりません。
この戦術を熟考する愉しさが「ローマの力」の醍醐味だと思いますので非常に嬉しい拡張です。
さらにこの行政カードには実はいろいろと拘りがあり、製作者さんからその一部をご紹介して頂きました。
[農神祭]は、クリスマスの期限とも言われている「サートゥルナーリア祭」と言うお祭りのことです。このお祭り、奴隷と主人が入れ替わってバカ騒ぎを行うと言うものなので、奴隷と民の入れ替えの効果にしています。
[パン屋]は、古代ローマの世相を表した「パンとサーカス」と言う言葉に合わせて入れました。皇帝の政策なのでイラストはパン屋なのに皇帝にしています。拡張で初めて入れられた行政アクションでアクションを消費しない行動になります。※他は[闇市]

こういった歴史的背景を含めた隠れた拘りもローマの力も魅力です。

新しいボード
「アフリカ」と「ヒスパニア・ルシタニア」 予約特典「キリキア」
今回新しいボードが2つ(予約特典を入れれば3つ)加わりました。
平均して優秀なヒスパニアと、民の政策を取るアフリカです。
ヒスパニアは非常にバランスの取れたボードです。
葡萄2つで金1つを得られる「造酒所」の行政カードが特徴的で、さらにオリーブの収穫もし易いボード構成となっております。
余談ですがローマの力では当時の状況を再現する形で得られる資源に優劣があるのでは?と考えております。
麦<オリーブ≦葡萄、行政カード獲得のための表示される資源も強い効果ですと葡萄やオリーブが多く求められているような気が致します。
そのためヒスパニアは葡萄、オリーブが得やすい土地なのでプレイしやすかったです。
但し、民を得る術がないために蛮族が非常に厄介になており、数少ない民にぶどう酒を造らせる少数精鋭構築でプレイを愉しみました。
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アフリカは逆に民が作れる環境に居るので、行政を拡張しつつ金を民に変えていく戦法が多かったです。4人プレイは3人と比べて蛮族をボード上から討伐することが少ないように(これは気のせいかも)感じました。
直売所で不必要な資源を有用なものに変えて、港で金に変える。
そして広場で2行動を連続して行いつつ、金を民に変えて蛮族を倒す、といったように、初めのプレイとしては自己完結型であるボードだと感じます。
金では物ですから行動しにくい資源です。しかし民に変えることで行動範囲を広げることが可能となります。
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予約特典のキリキアですが、これはとてもおもしろい!
サイコロ政治です笑
ハイリスクローリターンですが、人間は夢を追いかけてしまうもの。
行政カードが使われる度に「海賊討伐」で夢を何度も追いかけているプレイは多いと感じました。
なかなか一喜一憂出来るおもしろいボードです。

感想

4人プレイと行政カードの追加、そして個人ボードの新装。
よりゲーマーズ向けになり、そして生産拡大における「多くの選択」の醍醐味の深みが増した「もっとローマの力を!」
元々が中級者向けとなっていたので、このボードゲームでボードゲームの世界に魅入られた方であれば、さらにボードゲームの奥深さに引き込まれる作品なのではないでしょうか。
「もっとローマの力を!」はより確実に愉しさとジレンマが増しておりますので、ぜひとも基本をお持ちの方であれば拡張もお試し下さい!!
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