美しさの裏に潜むドロドロのジレンマに痲れる「アズール / Azul」

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ここがおもしろい

  • 美しいフォトジェニック的な景観
  • パズルを組み立てる爽快感
  • 裏に潜む他プレイヤーとのドロドロのジレンマ

インスト時に気をつけたいこと

  • スタピーマーカーは初めに中央を取った人に渡されれ、失点となる。次のラウンドでスタピーマーカーを中央に戻してその人がスタートプレイヤーになる

 

はじめに

なにこれおもしろい。えぐい。たまらない。
前評判を聞いて「そんなに面白いのかな?」と少し訝しげに思っていましたが、いやあこれは良い。
ほとんどアブストラクトなのでそこまで人気が出る理由が分かりませんでしたが、テンポの良さと目標行動への明快さは万人受けしますね。

さて、だからと言って全員が楽しいと感じるのかはひじょーっに難しい。
このことについては後述の感想にて。

そしてこっちの方がヘブン&エールよりキースリングらしい作品。
やっぱりヘブン&エールはシュミットがゲーム作ってキースが調整したのかな。

システム

P1214065.JPG 王宮のタイル・アーティストとなり、エヴォラ宮殿の壁をカラフルなタイルで装飾を競います。 個人ボードにタイルをうまく配置して得点を競うパズルゲームです。

ゲームの終了

誰かが個人ボード右側に横一列でタイルを配置させたらゲーム終了です。

タイルの獲得

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9つの円盤ボードに4個ずつランダムにタイルを置いていきます。

手番初めに円盤ボードを選び、その中のタイルを獲得します。

獲得の仕方は種類(色)を一つ指定してその全てを獲得して残りは中央に戻します。

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そのために中央にはタイルが貯まっていくのですが、実はこの中央も円盤ボードと同様に種類を指定してその全てを獲得出来ます。

初めは1失点になりますがスタートプレイヤーの権利と一緒に中央のタイルは獲得出来ます。

つまり、手番では円盤ボードか中央にある1種類のタイルを全て獲得出来ます。

スタピー権利は1失点ですが、安い安い。
そんなものはすぐに取り返せるくらいのアドバンテージはあるので、こちらは積極的に取っていきたいところですね。

タイルの配置

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さて、獲得したタイルですがその数を横に並べなければなりません。

1から横5列まで、種類ごとに横に並べていきます。
縦に入替えたり数個分けて2列分置いてはいけません。

取った数は必ず横一列に配置します。

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例えば上の画像の場合、青が4つ手に入ったので一番下の青5個へ配置しました。

同じ色が一列揃ったら、ラウンド終了時に個人ボード右側へ同じ種類が書いてあるタイルに1個配置出来ます。他は捨てます。

鋭い方は画像を見てお気づきかもしれませんが、「それならなんで4個のところへ置かなかったの?すぐに右側へ置けるじゃない!」とお思いでしょう。

実はボーナスとして縦一列が揃うとプラス7点が貰えるのでそれを狙ってるんです。
これはゲームの終了時にさらに追加で貰えるボーナスで通常の得点とは異なります。

通常は場にタイルがなくなったらラウンドが終了し、そこで得点計算を行います。

まず初めにタイルが横一列揃っている場合は、一個だけタイルをその種類と同じ色に配置します。
上の画像の場合、もし赤が揃えば縦4つが繋がり4点。
もし隣の黄色のタイルがあれば横の繋がりもカウントするので5点。
つまり、タイルを右側へ移動して繋がった数が得点となります。

ボーナスは縦1列と横一列、そして同じ種類のタイルが5個獲得でボーナスとなります。
得点進行が遅れますが、縦と同種類のボーナスは非常に得点が高いのでとっておきたい所です。


Photo;BGG

このゲームは何が凄いって、「盤面は他人もあなたが何を取りたいか分かるように配置しないと得点が伸びないよ」ってところ。

悪魔か!笑

悪魔の所業ですよ。
よくもまあここまでジレンマと他人へのカットを促せるようなシステム構成を考えついたなあと言わざるを得ません。

皆んなでせーの!で洗面器に顔突っ込んでどこまで我慢できるか笑

センチュリースパイスロードをやるなら宝石の煌きかなあと思ってしまう私にとって、アズールと宝石の煌きはプレイ時間とプレイアビリティから住み分けがきっちり出来ています。

感想


Photo;BGG

面白いですよ。アブストラクト好きにはたまりませんし、綺麗だし、ルールや目標は明快で短時間で終わります。

私は大好きです。

ただ非常にレビューが難しいゲームです。
何が難しいかと言えば、プレイスタイルへの言及になってしまうこと。

このゲームはプレイヤーの実力差が顕著に現れますが、単純に「今あるものを取る」だけならそれをあまり窮屈に感じさせないような作りになっています。

どちらかと言えば実力がある方が窮屈に思えるかもという、考え方の違いから楽しめる人とそうではない人が出る可能性はありそうです。

それはこのゲームの特性上、他プレイヤーの利益を「カットする」ことが重要なシステムとして組み込まれているためです。
宝石の煌きもそうですが、他者をカットしつつ利益を獲得するというのが、このゲームはシステムから非常に強く働いています。

もちろん、そんなことはお構いなく伸び伸びとプレイすることも正しいですし、他プレイヤーと結託して暗黙の了解でカットすることも正しいのです。

それはプレイスタイルの問題であり、正直どちらが正しいかは判断が出来ません。
カットすることを他人に押し付けず、自分でやれば良いのですから。

私なんかは後手でなくともガンガンやりますよ!笑

しかしながらどうしても前手番の方が次プレイヤーの盤面を理解していないと、得点に開きが大きく出てしまうことは大いにあり得ます。

そのために伸び伸びとプレイ出来てよかった!と思う方も居れば、それを良しと感じない方もいるのでしょう。

これはプレイスタイルというか気持ちの問題というか・・・難しい。

ゲーム中に欲しいタイルが残るのは嬉しいのですが、「(それだと縦1列目と横一列が完成しちゃうけれど良いのかな)」とは内心思います。

実際はそういうところで好き嫌いがかなり分かれるゲームなのかもしれません。
長考もしようと思えば出来てしまうので、4人で全プレイヤーがそうなると辛い。

え?じゃあなんでこんな完売になるほど人気なの?と思われますが、まあそれはヤフオクの例の一件で、高く売れるボードゲームとして認知されてしまったのも一つの原因かもしれません。

さて、なんだかんだ言いましたが良いゲームであり、私の好きなゲームであることには変わりありません。
良いところだけを紹介するのもちょっと違うような気も致しましたので、少し歯切れの悪い形での感想となりました。

まあそんな部分も知った上で、ぜひ遊ばれてみてください。おもしろいです!

ご覧の通りお気に入り度は文句なしの★5です。

ポスト宝石の煌きと言っても過言ではないくらい、手軽に遊べてジレンマを味わえるゲームとしてこれからどんどん人気になるでしょう。

 

特に同じ実力で皆んなで遊ぶ機会が多い方にはオススメです。

 


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